ソネット『遊べとや』の巻   (2004/11/12挙句)


この連歌(連句)はソネット形式を借用しています。脚韻は ABAB,CDCD,EFEF,GGです。
このABABという脚韻は、打越になる(打越関係=一句目と三句目が形態的に似る)恐れがあるために、いったんは控えていたものですが、シェークスピアに敬意を払って試みてみたものです。打越関係が脚韻を踏むわけですから、意匠・内容においてはできるだけ離れてゆきたいと思って製作しました。
ここに登場する、夕也さん、昴さん、凛さんは、このソネットをきっかけに、まったく偶然に私とインターネットで繋がった方のようです。どなたも相当な作者だと思うのですが、なにしろ不思議な縁です。


発句 冬   遊べとや遠くに見ゆる冬の       燦
脇  冬    一直線に貂の足
           夕也
第三 雑   設計士施主にせかされ粗
積り      昴
4句 雑    発表会に携へる
            夕也

5句 雑   河風が運ぶノートルダムの
       昴
6句 秋    皇帝の背にもみぢ降り散
      真白
7句 月   月仰ぐ君の真意をはかり
かね       凛
8句 秋(恋) 拝み太郎の涙うるう
          昴

9句 雑・恋 駈落ちの船底ひしと抱き合
     夕也
10句 夏・恋 「さやうなら」と言ふ虹の彼
方に   真白
11句 夏   焼酎で傷口洗ひ危機回
        凛
12句 雑    金継さへも美しき古九
        昴

13句 花   花影のゆさゆさ茶屋の五平
    夕也
挙句 春    土やはらかく匂ふ畑
         昴