今様1  2001/4/3〜5/27


:柳川
■今様はいかが?

目先をかえて「今様」をやってみませんか。
どどいつとは離れているようで、しかし付いているるるるる〜。

七五/七五/七五/七五が基本です。有名なのでは

「仏は常に いませども/うつつならぬぞ あはれなる/
 人の音せぬ あかつきに/ほのかに夢に みえたまふ」

七音のとこは、やはり「三四」や「四三」を意識して。

 若い女はだれのもの だれのものでもありません
 ましてあなたのものじゃない 若い女は旬のもの

とかね。

 きれいな女はだれのもの だれのものでもありません
 ましてあなたのものじゃない きれいな女はひとのもの

 恋する女はだれのもの だれのものでもありません
 ましてあなたのものじゃない 恋する女は恋のもの

 岩下志麻はだれのもの だれのものでもありません
 ましてあなたのものじゃない 岩下志麻は組のもの

ああ、こりゃこりゃ。いくらでも続きそうになったらはしょってね。
ということでいかがでしょー。

:泥鰌
■金屏風

この背景の色が、ウェブ上では「金」です。金屏風のつもり。
ぜひとも、今様をやりましょう。

山家鳥虫歌の今様は

 見れども見えぬ 沖の舟 東風(こち)吹く空を 閨(ねや)に待つ

というような感じ。色っぽくも作れそうですね。

今様とはニューウエーブ?

:柳川
■では、やってみましょう。

う〜む。どうみても黄色にみえるけど、山吹の黄金色ということで。

 唄は黄金の山吹よ 花は咲いても実はならぬ

常套ですな。ああ、こりゃこりゃ。
半今様にするか、今様にするかは、各自の体調次第でいいですね。
 
 さくら散らすは春の風 いのち散らすは神の風

対句表現が楽にできますな。標語っぽいのもできそう。

 酒がおいしい春の宵 胸がくるしい春の真夜

ただののみすぎですな。
今様とは、直訳するにナウいスタイルでは?(ふるい外来語)

:泥鰌
■桃色今様

金屏風は片づけました。一晩だけ。(ひどく目が疲れる。)

「半今様」・「今様」とはなんぞや。教えてください>師匠。

 75/75/75/75  が「今様」
 75/75        が「半今様」

でいいのですね?  「四三」「三四」はどうなるのが基本ですか?

きょうはもういっこ引用。おなじく「山家鳥虫歌」から

  ♪ 飽かぬ古里 ふり捨てて 誰がためかや 君ゆゑに

:柳川
■今様色は紅梅の濃いのだそうな。

半今様というのは泥鰌師匠が使ったんで、借りただけ。
今様は、どーしても七五七五七五七五でなきゃいけない、というものでも
なさそうなので、七音と五音であたらしい詩型をでっちあげれば、
それこそ真の今様といえるのでは。

とりあえず、七五を2回もしくは4回、を原則にしてみましょう。

四三、三四については、ここがもともとどどいつの掲示板なので
どどいつに遠慮していってみただけです。(まあ! てきとうね!)

いろいろ発見があるとおもうので、やってみてくださいましー。
みなさまも、ごぶさたのにいさんねえさんも、ぜひどうぞ。

 めしも食わずに生きらりょか 唄もうたわず死なれよか

七五七五は、どーも、標語とか箴言っぽくなりますな。

:小雪
■ともあれ

ふーむ?
ではやってみます。

 おとこを捨てたわけじゃない 恋がわたしを捨てただけ

んー。またきます。


:龍
■ちょっくら、

 春らしく、桜色の壁紙だね。わたしゃ、金屏風が好みだったんだけど。

○今様やるか やらまいか どどいつさんを どうしよう

 まっ、たまには趣向を変えるのもいっか。7/5 7/5と
言えば、こんなのがあったの知ってますか、みなみなさま。

○わたしゃあなたを あいうえお そこで手紙を かきくけこ
 厭ならあなたを 刺しすせそ そして命を たちつてと

 以下、自作
○厭な奴なら セクハラで 好きな人なら ウエルカム
 裸で駆けるストリーカー 追っかけ回す ストーカー

 春はなんでも起こりえる ほんのはずみでベッドイン


:泥鰌
■花が降る

龍さんの紹介した「あいうえお」の今様、懐かしいですね。
これが、このスタイルの、ひとつの見本かもしれません。

自作
 ♪ 恋する肩に 花が降る 褥(しとね)の下に 蛇がゐる

:柳川
■白桃変色

小雪さん。龍さん。ようこそ今様の世界へ。
たのしんでいってたも、と、後白河法皇からご伝言です。

「あいうえお」の今様でいろいろおもいだしてみたんですが、

 指圧のこころは母心 圧せばいのちの泉湧く  浪越徳次郎

など、どどいつ同様、七五七五は、日常にしみこんでいるようですね。
(浪越さんは来日したマリリン・モンローに指圧してさしあげて、
「指の至福」を味わったそうな。「指の至福」。なんでしょうな。)

 わたしの恋は白い桃 圧せばそこからくずれるの   柳川

そういえば、コクトーの詩の堀口大学訳
「わたしの耳は貝のから 海の響きをなつかしむ」
はそのまんま七五七五。これが「指圧のこころは母心」と同じリズムとは。


:泥鰌
■無題

いまよう‐うた【今様歌】
 平安中期から鎌倉初期にかけて流行した新様式の歌。七五シチゴ調4句のも
 のが代表的で、和讃や雅楽の影響から起る。白拍子シラビヨウシ・遊女などが
 歌い、宮廷貴紳にも愛誦され、後には宮中の節会などにも歌われた。「梁
 塵秘抄」に集大成。(広辞苑)

 いつもこころに 待っていて やっと出会った 馬の男(ひと) 

:泥鰌
■師匠制度廃止

突然のことですが、「どどいつ」の時にあった「師匠」の呼称は、廃止します。
「柳川」も「泥鰌」も、ヒラに降格します。

さて、上の柳川の書き込みは、ほれぼれしますね。なるほど。

で、思うのですが、7575は、どうしても対句になりやすい。対句になると標語ふうになる。そこをぐっと堪えて、対句ではない一行の歌にできるかどうかが、「今様」の正念場でありそうな気がしてきました。
75で切るのではなく757まで我慢することを、ひそかにレッスンしています。


:柳川亭吟吟

■新名披露

はいはい。柳川が姓で師匠が名だったわたし。あたらしいの考えなきゃ。
そうねえ。柳川亭吟吟にしましょう。「ぎんぎん」ってよんでね。

 わたしのパパは でかいひと どこもかしこも わたしより
 わたしのママは すごいひと なんでもできる わたしより

 わたしのタロは くろいいぬ よるににげると さがせない
 わたしのミイは しろいねこ いちどにげたら かえらない

 わたしのいえは 木のこぶね うみにうかんで ゆらゆらり
 わたしのにわは あおいうみ みんながかえる ふるさとよ

童心に帰ってみたんだけど、なんだか暗いこどもだね。

:おるか
■こんばんわ

はじめまして、おるかです。今様って七五七五でいけばいいの?
食べ物を織りこむのね。それじゃうすべにいろな雰囲気で。

  さにつらふその
  くちびるを
  落款にせる
  喪の告知

次はおもちをわけて

  うすくれないも
  虞美人草
  ひとへに人を
  捨つる東風

こんなのでいいの?なにかお題があれば、もっと面白いのでは?例えば
「みるに心の澄むものは」とか

  風になびける
  しろたへの
  吾妹が髪よ
  ももとせののち

ア、字余り。失礼しました。これからもよろしく。皆様。


:龍
■今夜も来たよ、

 なんだか、一見、格調たかいオルカさんが登場、歓迎です。
ところで、師匠制度しばらく廃止?松風流に泥鰌あにさんと
柳川姐さん、いやさ、柳川亭吟吟、「ぎんぎん、可愛いい」!

○気の無い素振り したけれど 俺はあいつに くびったけ
 次ぎに会ったら 離さない あなたは俺の ダイアナー

 と、いうふうにやれば、こりゃ、歌謡曲ですね。 
          みなさん、おやすみなさい、良き夢を♪


名前:玉半
■生きているわたし

ども、玉半だす。
だいぶんさぼっちまったす。みなさん、お元気ですか?
起きている大半の時間、ディスプレイと向き合う日々が
続いたら帰宅後、パソコンを立ち上げる気力も失われたわ。
あーと、北の国はやっと積雪ゼロ宣言がでました。
道に空き缶あらわれて、ひと冬しのいだチャコールグレーの
よれた舗装路にひきなおしたばかりのゼブラゾーンが光って
います。朱雨さんの地域はどうかしらん。

わたしは、いつもこの時期

「空の色さえ陽気です、時は楽しい五月です。」

というポール-フォール作、堀口大学訳の詩を思い出します。
あれ、ラストは子供が海に落ちて死んじゃったよ、でも誰も
泣かないよ、だって楽しい春なんだもーん、
って感じでなんじゃこりゃ度がけっこう高い詩なんですがね。
こういうりずむでよろしいんでしょうかね。
休み過ぎてなんだかあたまがまわらないので、作品はまたあらためて。
ではではとりあえず御挨拶まで。


:柳川亭吟吟
■雪を解かしてお越しとは、さて美しい生きざまだ。

あっ。たまはん。ひさしぶり。
おるかさん。ここでははじめまして。(あちらでは「夜凪」です)。

たまはんの詩の話から、『於母影』や『海潮音』などの
近代の訳詩集をみてみると、まあ、あなた。
七五の宝庫。有名なのでは「山のあなたの空遠く」もそうだし、

 ながれのきしのひともとは、
 みそらのいろのみづあさぎ、
 なみ、ことごとく、くちづけし
 はた、ことごとく、わすれゆく
      (ウィルヘルム・アレント「わすれなぐさ」)

も、そういえばそうだったのだったー。
というわけで、中世歌謡への誘いから、近代抒情小曲の見直しまで、
すんごい遠大な試み、ということになりました。知らんぞ、帰り道。

:羊羹
■こちらでははじめまして

今様ですか...
新体詩といっても、結局は明治時代の「今様」だったのかも知れませんね。

>龍さん

どうもどこかでお話ししたような気が...
ああ、アラスカの岩風呂の中でした。その節はどうも。

>柳川亭吟吟 さん

連句も都々逸も「花も紅葉も」全て素晴らしいですね。
この掲示板で良き師匠のご指導を得て、僕もこの道を
「きわめたい」ものです。

    土手のやなぎは  かぜまかせ
    それもきはめて  ナッシング

>そういえば、コクトーの詩の堀口大学訳
>「わたしの耳は貝のから 海の響きをなつかしむ」
>これが「指圧のこころは母心」と同じリズムとは。

ううむ、それは大発見です! 鋭い! それと、

   山のあなたの空遠く 幸ひ住むと人の云ふ...

ですが、僕はこれを聞くと、どうしても某落語家の顔が浮かんでしまう。
嗚呼、七五調はもっとも残酷なる調べ−−難しい!
それでは、拙作の今様らしきものをひとつ

====「バードランドの子守歌」に寄せて====

   そよ春の風  いずちより
   古老の村に  わたりけむ
   人の音せぬ  あかときに
   ただ囀りの  こゑとなる

=======================================
「古老」は「おいそ」と云う福井県の地名だそうです。


:龍
■こんばんは、

 おお、謎の快人、巖羊羹さんも登場とは、嬉しい限りです。
先だっては、極北の岩風呂にて、どうも。あちらの露天風呂は
水着が必要ってのは不便ですが、その代わりに、自然な混浴っ
てのはいいことだと思います。真夜中の巨大な風呂のなかで、
USAのご夫婦たちと楽しい会話を楽しんできました。
 27文字からなる「バートランドの子守歌」をご存じとは
羊羹さんもそれほど若くないってことですね。その歌に寄せる
歌、これもおるかさんと同様に格調高く、highはhighでもH系
を目指す私としては、若干、ひるんでしまったので、今夜は
ごあいさつだけ。


:泥鰌
■七五調の迷宮

羊羹さんと龍さんが露天風呂で出会っていたというのは、
奇遇というにもあまりある話で、驚いています。


さて、「今様」7575は、すべての75調の源流のようで、
柳川が感じたように、これはとんでもない迷宮に入り込むかもしれませね。
古人いわく、「迷宮に入らずんば、黄金をえず」と。
長い道のりになりそうです。

で、私事になりますが、家の一人娘が、室生犀星の生まれた街、
卯辰山のふもとに引っ越しをすることになり、今から、「いい父親」
は出かけます。戻りましたら、75調の宝さがしを続けます。


:おるか
■東雲に

おはようございます。
羊羹さんご機嫌うるわしゅう。初心者にもあずきなくせ ざらめ なんて
さ、寒い。どうも不慣れなもので言葉が生硬で、興を削ぐのではと心配です
が長い目で御指導ください。お三方のお名前お借りしてみました。
泥鰌さんバラバラにしてすみません。

  やるせなけれど
  波まくら
  雁行ながむ
  わが潮ぢ
  寄りて返すや
  うら波の
  かくれ読むはた
  んいせう
字足らずになちゃった。


:小夜
■恋

おはようございます。

連句のほうからいらしたおるかさま、羊羹さま、よろしくおねがいします。
わたしはあちらでは美尾と申します。(ほうっておいたら毎日付けたいほど
なので、必死にセーブ)

吟吟さま。
つくづくわたしはコスプレ好きなんじゃないかと思うの。
まず名前から、っていつも思うから。
今回は安易に「小夜」でいきますね。

 恋のまなざし くれるなら 恋のひみつを いいましょう
 わけても青い 恋ならば 恋に恋する うちが花
 
 恋の熱さを もらうとき 恋は手管を なくしてく
 わけても紅い 恋ならば うなじの白さ 増すばかり

こうやって書いていると、どどいつのリズムがいかにじぶんの身になじんでるか
わかるんですよね。どどいつを忘れられないかたは、うちの掲示板にしのんで
きてくださいませ。


:柳川亭吟吟
■こんにちは。

あっ。小夜さん。今様もやっぱりうまい。
しりとりどどいつ、にぎわっていてうれしくもありがたいです。

羊羹さん。ここでははじめまして。心づよいです。どうぞよろしく。
龍さんとは露天風呂で? 類は友を呼ぶんですねー。

泥鰌さん。お嬢さんの出立、おめでとうございます。卯辰山とはなんとも粋な地名。

昨夜、かねて念願の「鈴本演芸場」に行ってきました。
ながくなるので次の書き込みへつづく。


:吟吟
■鈴本演芸場

それでね。
柳家小菊さんの三味線と唄をきいてきました。小菊さんは
若い頃の風吹ジュンを端正にして愛想よくしたような美人。
都々逸を唄い終わると「はい、おしまい〜。短いからすぐおわるんですよ」。
三味線のきかせどころでは「拍手してくださっていいんですよ〜」。
にこやかに、聴く側の蒙を啓いてくれました。
そうだったのか、と、みんな拍手しました。

都々逸を二曲と、「かえるぴょこぴょこ」と「へびにょろにょろ」と
「なめくじぬらぬら」の三部作。これは今様にちかいリズムで、
擬態語とわすかの数詞と名詞だけでできているすごい唄。

あと、五字冠の説明をしながら「はしごだん あがったりおりたり
あがったりおりたり(くりかえし)あがったりおりたり くたびれた」
という変則的などどいつ。

あと、「たぬき」という山田五十鈴が演じたお芝居のエッセンスみたいな唄。
これはよくわからなかった。でも、洗練されつくした修辞と引用が
なんの気取りも気負いもなくおりこまれているらしい感じはしました。

ほかの落語や曲芸もおもしろかった。あれで2500円はめちゃくちゃ安い。
また行くことにしました。
鈴本演芸場 詳しくはここ→ http://www.rakugo.or.jp/


:吟吟
■訂正および追記

まえの書き込み「擬態語とわすかの数詞と名詞だけ」は
「擬態語とわずかの〜」の打ちまちがいです。

おるかさんの「かくれ読むはたんいせう」は「歎異抄」なんですね。
いまごろ気がつきました。そういえば、和讃はまさに、
七五七五四句そのもの。しかも漢語の要素も!
絢爛豪華な迷宮となりそうですね。


:龍
■早春賦

 7・5 7・5の韻律は近代詩に多く見られますね。
島崎藤村の 初恋 
○まだあげそめし前髪の りんごの下に見えしとき ・・・

与謝野鉄幹の 妻を娶らば
○妻を娶らば才たけて みめうるわしき人ならむ ・・・

とか、ノスタルジアをかきたてる韻律です。同じ調子の即興で
の早春賦、即狂ではありませんぞ。

○肌まだ寒き花冷えの 宵を歩みてきざしたる
 生きいることの寂しさに 一夜をきみと契りしか
 愛にはあらず恋でなく 花の為したる仕業なり 
 早春の夜のまぼろしと 告げる朝こそ哀しかれ 

 うーむ、アラスカでスキーやってるように快調にはいかんなあ。


:吟吟
■夜ふけと夜あけ

そーか。龍さんは新体詩もすきなのね。
現代人が新体詩作ったのはじめてみましたねー。
いろっぽい硬派って感じです。

七五七五といっても捉え方がひとそれぞれですね。
どの作品もどの作品もよくもちがうもんだ。
これは、地獄の釜のふたをあけたかな。和讃があるから
地獄には落ちないか。じゃあ、この世のふたかしら。
ああ、それは、どんなかたちのふたかしら。
(言うにことかいて、なにぱっとしないこといってるのかしら)。

 夜がふけると思うこと だれがわたしを愛したか
 夜があけると思うこと わたしはだれを愛したか

うーん。つくづくわたしは対句がすきですねえ。


:唯唯
■泥鰌あらため、柳川亭唯唯

兼六園で花見してきました。

さて、七五にさまざまあり、はじめに感じたように、対句を誘うところもあり、
対句は、基本的に「えっち」な感もあり。
「唯心房集」というのが佐佐木信綱さんの「梁塵秘抄解説」のなかに引用され
ていたので、紹介。寂然さんの歌集。

 柳桜をこきまぜて花の都ぞ錦なる大宮人は暇あれや今日もかざして暮れにけり
 
 たち憂き花のもとなれば帰ることこそ忘れぬれ尊の前には情けあり酔ひをすす
 むる春の風
 
この韻律が身に付くことを想うと、ちょっと怖い。


:羊羹 4/11
■リンゴの歌のことなど

戦後の焼跡の中で大ヒットした「リンゴの歌」を唄った
並木路子さんが、先日なくなられました。

   焼跡のリンゴは遠くなりにけり    

ということで、今日は「リンゴの歌」(サトウハチロー作詞)
懐かしのメロディーですね。

赤いリンゴに   唇よせて
だまってみている 青い空
リンゴはなんにも いわないけれど
リンゴの気持は  よくわかる
リンゴ可愛や   可愛やリンゴ

これは7775 7775 77
ですから、都々逸のリズムが基本でした。
というわけで、 小夜さんの「恋の今様」も
私は、リンゴの歌のメロディーで、そっと
口ずさんで見ました。ううむ、やはり都々逸とか今様は
音曲があった方がよい。

>吟吟さん、唯唯さん

   こわい話がいろいろあるがずっと離れぬ身がこわい 柳川

などの都々逸を色紙で拝見。男女が和鋏の刃になって向き合ってる挿し絵が
圧巻。

>おるかさん

「たんいせう」が「歎異抄」だということ、僕もちょっとしてから
気付きました。これが正規の振りかなのようですね。

   泥鰌(どせう)浮いて鯰のことを嘆きけり


:吟吟 4/11
■軍艦今様

唯唯さん。お互い、ラーメン屋の屋号みたいですね。

羊羹さん。はい。あの和鋏の絵、怖いですね〜凄いですね〜。

並木路子さんをさらに溯って、軍歌のことを考えたんですが、
七五七五が多いような気がします。軍艦行進曲の、

 ♪守るも攻むるもくろがねの 浮かべる城ぞたのみなる

とか、ほかには(ほかのはタイトルを知らない)、
 ♪見よ東海の空あけて とか ♪ここは御国を何百里 とか。

そういうわけで、これらのメロディで、

 ♪遊びをせんとや生まれけん 戯れせんとや生まれけん

が、唄えてしまうー。パチンコという遊技を連想するせいか、
軍艦行進曲のメロディーがいちばんぴったりくるような。

 守るも攻むるもくろがねの 秋の風鈴鳴りにけり
 鐘が鳴るなり柿食へば ましてしのばゆ栗食めば

と、これはパロディー。


:唯唯 4/11
■並木の雨

柳川のどどいつ「こわい話がいろいろあるがずっと離れぬ身がこわい」に付けてある
和鋏の絵の出所を、聞いています。

--------私信----------------

柳川さんの作品のレシピを公開すると明治41年の絵はがきです。
作者は墨池亭黒坊、都々逸が生きていた時代、相当の遊び人ではなかったかと推察して
います。
-------------以上-----------

あれ、出色の出来だと思いますね。

●ところで、現代人の作った新体詩といえば、岸田秀も、また、龍さんほどの出来では
ないですが、文庫本にでかでかと流していたような記憶がありますよ。

で、軍艦今様は面白いなあ。

戦前の流行歌をつぶさにみると、ひとつは「どどいつ」形式、もうひとつは「今様」
形式、その合間に「初恋の 涙にしぼむ はなびらを〜」という「短歌形式」がある、
という感じです。

お気に入りをひとつ

 並木の路に 雨が降る
 どこの人やら 傘さして
 帰る姿の なつかしさ   高橋掬太郎 作詞「並木の雨」


:松風亭myumyu(仮) 4/12
■夢は夜ひらく

しばらくでございます。
お店の看板が変わりましたね。
今様すなわちヌーヴェル・バーグですか。
  
  あかく咲くのは罌粟の花
  しろく咲くのは百合の花
  どう咲きゃいいのよこのわたし
  夢は夜ひらく

これは宇多田ヒカルのお母さんが歌ったんですが、
こんな感じで作ればいいのでしょうか。
つぎは作って来ます。

:唯唯 4/12
■軍艦マーチの悪夢

おお、松風さんも「みゅうみゅう」風名前になりましたね。7575は対句名前。

で、とても重要なことですが、『軍艦今様』の軍艦マーチは、すこぶる貴重な発言であります。私は、きょう、雨の日なので、
パチンコゲームで散財していましたが、、、。
75調は、なんでもかんでも軍艦マーチで読める、というのは、こわい。

 湯島通れば 想い出す
 お蔦主税の 心意気
 知るや白梅 玉垣に
 残る二人の 影法師

この「湯島の白梅」(佐伯孝夫)を、軍艦マーチの節でもって、風呂の中で
歌っていました。


:吟吟 4/12
■今様発祥の地

唯唯さん。どんなメロディーをつけるか、それはこころごころですさかい。
軍艦今様とセットで「けぬき君が代」っていうのもおもいついたんですけど、
これは君が代の歌からKの子音を抜いて歌ってみる、というもの。

ところで、以前この掲示板でも話題になった桃山晴衣が、
梁塵秘抄のコンサートをいよいよはじめるようです。新聞記事によると、
5月は東京、11月は今様発祥の地、岐阜県の青墓というところ。
今様発祥の地なんて、あったんですねー。

 慕う心が土になり 墓になるまで募らせる

ストーカーですな。


:小夜 4/13
■おもひおもはれ

んー。名前、「莢莢」にしようかとも思うのよね。
どーしよっかな。

松風さんのとこ、にぎわってますね。すごいなあ。


 おもひおもはれ ふりふられ
 にきびの花が ちらほらり

 おもひおもはれ ふりふられ
 それのどれでも ありません

 いつもは髪に かくれてる
 肩から背へと ちらほらり

 あなたのゆびが ふれたから
 ここにちひさく 咲いた花


長すぎるのかしらん?
文語で書いたほうがいいのかしらん??
あ、メロディのことも考えなきゃ。


:龍 4/14
■なまえ

 小夜さん、「キョウキョウ」、「さやさや」どっちでしょうか?
みなさん、つぎつぎに名前を変えるから、ややこしっくてこんがら
がりそうだよ。柳川姐さんは「ぎんぎん」で「ごんごん」ではない
けど、柳川亭唯唯さんは「ゆいゆい」、「いい」、それとも「ただ
ただ」? ややこしいなあ・・・ブツブツブつ・・・。

 。松風さん、「妙妙」なんて、どう?
 
○飲んだら乗るな おにいちゃん 乗るなら飲むな おねえちゃん
 のるなら飲めぬ おとうちゃん 飲まぬとのせぬ おかあちゃん

 うーむ、なんだ、こりゃあ、いろっぽい硬派と言うよりは、エロ
っぽい硬派と言われそうだ。いやっ、交通安全今様でした。


:吟吟 4/14
■ごんごん、と呼ばれるのもいいかも。

世界の願い、交通安全。りゅうりゅうさん、崇高な今様でございます。

小夜さん(あるいはさやさやさん?)の、どどいつの作品をまとめられたのを
拝見しました。新かなが似合う作品、旧かなが似合う作品、というちがいは
それぞれあるようですね。
「おもひおもはれ」は小雪調といいますか、特に旧かなが似合ってますね。

長さについては、七五七五で作ると、七五七五がえんえんと続くというより、
スタンザが自然に形成されるみたいな感じなので、
きょくたんにながくならなければOKかとおもいます。

 傘をさしたらさびしさの さびがふきでておりました
 傘をさしたらかなしみの しみがにじんでおりました

使った傘は干しましょう。わたしの今様はどうも、童謡調というのか、
かまととになってちまうのでちゅ。


:龍 4/14
■ごんぎつね、

 今日は釣りに誘われたんだけど、やむなくSOHOやってます。

しばらく、柳川亭流流を勝手に名のります。泥鰌亭粒粒、松風亭
流流、半玉亭隆隆とか、いろいろ熟慮したんだけどね?
 まあ、ぎんぎん姐さんが認めてくれたから、りゅうりゅうで。
 
 傘をさしたらさびしさの さびがふきでておりました
 傘をさしたらかなしみの しみがにじんでおりました

 月の砂漠をはるばると 旅の駱駝がいきました・・・
 歌を忘れたカナリヤは うしろの藪にすてましょか・・

 吟吟姐さんの今様ではやっぱり童謡を思い出しました。

○狐が鳴くよごんぎつね 戻らぬ妻を呼ぶという
 ぎんぎん狐ぎんぎつね 白い毛皮になったとう

 あっしも童謡調の今様やってみましたぜ。


:おるか 4/15
■青墓コンサート

青墓でコンサート、いってみたいなー。「梁塵秘抄口伝集」に清経って人が galanterie
というのか青墓のくぐつ女、名人の目井を年取っても無下にできず、でもやっぱりあんまりなので背中を向けて
寝てたら目井が背中に睫毛をパチパチして誘うのでゾーっとしながらも哀れに思うという
有名なシーンが忘れられません。
  
  すすきの底でうたふのはそれは水ではありません
  青墓の野にしらじらとそれは徳利じゃありません
  目井乙前もたれかはもさらさら水にさらされて
  すすきの底でうたふのは


:朱朱 4/15
■お久しぶりです

名前一文字変えてみて 何も変わっておりません。
七五七五はあまりにも つくり易くてやや危険。
本格的な今様は また次のとき作ります。
まあとりあえず今回は ご挨拶だけして帰ります。


:唯唯 4/15
■青墓のこと、今様崩し

おるかさん、ここでははじめまして。挨拶が遅れました。
前にも書きましたが、おるかさんは、私がご本人と、その夫を知っている、
数少ないひとりです。
今後ともよろしく。
ついでのことに書きますが、柳川亭吟吟と私は、しばしば同一人物、
もしくは夫婦、もしくは親しい知人、というふうに勘違いされることが
ありますが、おそらく生涯に一度もナマでは逢うことがないだろうという、
厳しい関係です。

さて、青墓のことが気になって、いろんなメーリングリストにまで耳を
差し込んで尋ねていたところでした。やはりこの出所は「梁塵秘抄口伝集」
でしたね。再読します。
もうひとつ解ったところ、岐阜県大垣市の周辺のひとは、高岡の万葉のよう
にして、青墓が今様の発祥の地であることに誇りを感じているような感じが
します。
現地へ行って調べてみたい。

短歌結社誌に「75757」という今様崩しを書いてみたのですが、
最後に7を付けるとサマにならないことに気づきました。

 「獏」というのは何故かしら春の季語だと思います○○○○○○○


:羊羹 4/15
■マリー・マドレーヌに捧げる今様

おるかさんの投稿、「青墓」は美濃の国の地名ですが、僕にはなぜか、
青い墓のイメージと重なり、次第に別種の連想が生まれました。
  
昨日はキリスト教では復活祭、復活したイエスを最初に認めたのは
12弟子ではなく、マグダラのマリヤであったという伝承があります。
マリアとイエスとのやりとりはルカ伝やヨハネ伝に詳しく描写され、
泰西宗教画のテーマ(Noli me tangere)として良く採り上げられました。
「触れるな」とは、「今はそうやって私を引き留めてはいけない」
という意味で、まだ「その時」が来ていない、というニュアンスがあります。
 触るるは女人  触るるなと
 主は云ひたまふ マグダレナ
 青き墓前の   あかときに
 ただマリアのみ 逢ひ得たる
 
聖書にはマリアという名の女性はたくさん登場しますが、昔の人は、
聖母マリア以外のマリアを、ただ一人の女性マグダラのマリア−
世俗の愛の象徴か−に収斂させたようです。
彼女はフランスではマリー・マドレーヌとして、香水屋や手袋屋、
そして社会復帰した娼婦たちの守護聖人となりました。巡礼たちに
食べさせた貝の形のお菓子が、やがて、マドレーヌと呼ばれるように
なったとかいう話を聞いたことがあります。


:吟吟 4/15
■ぎんぎんの暗い童謡

青墓は、後白河法皇に今様を教授したといわれる大炊長者一族の拠点
だったとか。今様発祥の地というより、今様をはじめとした雑芸を担う
傀儡子たちが集まってたんですな。

青墓はたしかに妙な地名。熟してないお墓みたい。復活を連想するのも
むべなるかな。
しかし、マドレーヌがマグダレーナだったとは!
これで、プルーストのプティット・マドレーヌの味わいが一層
濃ゆ〜くなりますね。
マリア・マグダレナは遊女だし、梁塵秘抄の世界がけっこうすんなり
はまりそう。
今様劇「復活祭」なんてのが、できそうな感じがしますね。


 とうさんかあさんふたりして ほんとのことをいいました
 このよはかなしいことばかり たんとあるよといいました

 にいさんねえさんふたりして ほんとのことをいいました
 あのよはなにもありゃしない ここよりひどいといいました

くくくく、くらいっ。メロディーは「月の砂漠」だな。
今様つくるとなんで暗いガキになるのかなー。
いろっぽいのを唄いたいのに。


:おるか 4/16
■青島考(谷川健一)面白いですよ

唯唯さんこちらこそ、よろしくお願いします。そうですか。吟吟さんと
は厳しいご関係・・・チャイコフスキーが聞こえてきますね。
羊羹さん、さすがおやつに詳しくていらっしゃる。マリ−・マドレーヌに
捧げる今様、あの「仏は常にいませども・・・人の音せぬ暁に」の歌さえ思
い出され、泰西名画絵解き風も熊野曼荼羅絵解きの比丘尼達とも何処か
通底するようで、ほんと、いいお味ですね。
それにつけても、香水と手袋私のフェティッシュ二つなんですよね。

   青はマリアの服の色
   静かな顔に涼しくも
   ならぶ二つの傷の色
   雲の切れ目に井の底に
   かの世の深み映す色


:小夜 4/16
■どどいつとちがって題をつけたくなる。

こんばんは。莢莢は却下。どうも気がのらず。

吟吟さま。どどいつのほう、いらしてくださってありがとでした。
今様も新かな、旧仮名、つかいわけていきますね。

岐阜といえば遠い印象がありますが(こちらは大阪北部です)
大垣といえば近い感じがします。
JRで京都方面に向うとき「大垣行き」の電車に乗るから。
仕事帰りに大阪駅から電車に乗ってつい眠ってしまうと、
気がつくと大垣駅に着いて、青墓のそばにいっちゃうんですね。

 ずるい女のものごしで あしたが今日になってゆく
 ずるい男の手ざわりで 今日がきのうになってゆく

こういうのを20年前に書いてました。そういえば。


:吟吟 4/17
■桃山という白餡の菓子

以下、タイトルとは関係ないことばっかりですけど、
谷川健一氏の『日本の地名』にも青墓について数行書かれてますね。
古墳が集中している場所でもあるとか。西日本らしい奧深さだな〜。

岸田秀氏の新体詩が気になってさがしてみたら『ものぐさ精神分析』でした。
唐突に著者の若書きの詩なんかでてきたら、やっぱあきれますわねー。
「恋愛をすると歌謡曲が身にしみるのは、そのときはその次元で生きている
からである」とかなんとかいう一節を、岸田氏というとおもいだします。
「恋をすればだれでも詩人」とかいうのと同じかな。ちがう気もするけど
たぶんいっしょだろう。

 恋をしたのでそのほかの ことができずに詩を書いた

ふふふ、わたしもすこしはおとなにちかづいた。


:流流 4/19
■青墓連想

○いつもいつでも恋してる 女性だけではないんだよ
 遊びも仕事も首っ丈 恋するものが多すぎて

 青墓連想、関係なかったね。広辞苑で「今様歌」を
ひいてみたら、「梁塵秘抄」に集大成なんて、書いて
あったよ。


:玉半 4/20
■ごんごん、というと

わたしは左川ちかの
「海の捨子」をおもいだしてしまう。
「揺籃はごんごん音をたててゐる」のごんごん・・。

ちょっとみないうちにみんなギンギンとかリューリューとか
ミューミューとかバンバンになっていてびっくり。
んじゃ、わたしはハンハンか、キューキューにしよか。

○やめておくれと いうけれど
 なぜにやめたと すぐせめる

そういえば
「勧酒」で、
 このさかづきをうけてくれ
 どうかなみなみつがせておくれ
 はなにあらしのたとえもあるさ
 さよならだけがジンセイだ

って訳文は(うろおぼえ)、どういう経緯で、こういうリズムに
なったんでしょ?てなことをふと考えたことがありました。

とつぜん出没するもぐら状態で恐縮です。
しばらくこの状態が続きそうです。お許しを。


:吟吟 4/20
■いまよいまよと今様を

「海の捨子」って、文字通りの青いお墓だなあ。そういえば、
「わたしは海に捨てられた」とか、「死はゆっくりと皮をぬぐ」
とか、決めのとこは七五ですね。

関係ないけど、
♪だからタンスにごごんご〜ん。の沢口靖子もいい感じ。

「勧酒」をふくむ『厄除け詩集』の詩はどれも
 七五 七七 七七 七五
で、一首ですね。なんでしょうなこの左右対称は。

 あなたのなかにいまも棲む あたしを返してくださいな
 あたしのなかに棲んでいた あなたは井戸におちました

貸したカネを返せ、借りたカネはもうない、といってるようなもんだな。
ああ、はやくおとなになりたい。


:朱朱 4/22
■今様、になるか不明な一首

 明日を夢見て今日を捨て ある日突然死ぬだろう


:吟吟 4/23
■餅つき唄保存会

朱朱さんのは唯唯さん名づけたところの「半今様」形式ですね。
だいじょうぶですよ。昨日があるさ。

 春の江ノ島 猫がいた 春の鎌倉 猫がいた
 どこもかしこも 猫だらけ 春じゃ春じゃと 猫まみれ

ああ。童謡をとおりこして、絵日記今様へ退化してゆく〜。
そういうわけであそんできました。江ノ島神社では、
「餅つき唄保存会」が餅つき唄を披露した直後で、
餅がふるまわれていました。
きっと、おどってうたって餅をついたのにちがいありません。
青い法被の背中には「餅」の一文字。
ざんね〜ん。餅つき唄をきいてみたかったのにぃ。
餅はちゃんといただきました。(並んだのです)。
粒餡と黄粉とからみ大根の三色の餅でございました。


:流流 4/24
■緑したたる

 ぎんぎんさん、
○みどりしたたる鎌倉の きみの涙が忘られぬ・・・
 なんて歌謡曲を想い出しました。猫だらけ、猫がいた・・・
なんてのはどうもいろっぽくないね。
 朱朱さんのも哲学的というか、なんちゅうか、
では、明るく、続編で、

○死んでることと生きること どこに違いがあるでしょか
 生きてることを確かめる 詩(うた)を創っていきましょう

 なんだか、小学唱歌風になっちまった。ぎんぎん姐さん、
今様ってのは文学的昇華を遂げ難いのと違いますか? 


:吟吟 4/23
■そうねえ…。

>今様ってのは文学的昇華を遂げ難いのと違いますか? 

うん。実はそうだったのだー、といって投げてしまいたいんですが、
しかしながら七五七五…の文学的遺産を考えたらそうとばかりも言いきれず。
かといって、作れば童謡になってしまふ〜。
今様の主流のひとつは「ものは付け」ということなんでひとつそれで。

 いのち捨てても欲しいもの いのちのほかにあるものか

ああ。みもふたもない〜。いろけもない〜。

 あなた捨てても欲しいもの あなたを知らぬ頃の日々

多少、艶歌風になりましたか。ふう。作らないことにはできないからねえ。


:吟吟 4/24
■志学

七五七五は文学的遺産というより、文化的遺産なのかもしれないですね。

ところで、七五七五/七五七五の四十八文字は、
短歌一首と俳句もしくは川柳が一句入る数量。

既存の短歌と俳句を組み合わせて七五七五で折り直すと、
どんなもんになるんでしょうか。

 風かよふ棚一隅に房花の藤揉み合へばむらさきの闇  柊二
 暗中に聴きえし寝息あたたかし  楸邨

これを少々語順に手を加えて、

 棚一隅に 房花の 藤揉み合へば 風かよふ 
 むらさきの闇 暗中に 聴きえし寝息 あたたかし

あああ。あまりのなんにもなさにめまいがしてきました。
うーん。わたし、ちょっとおべんきょの旅に出てきますわね。


:唯唯 4/24
■政治

おおおおおお、吟吟も放浪に出ると。
たしかに7575は、どこかが困難。やはり「5」で停まるという
(ほんとうは好きだ好きだというような先入観的音数律なのだが)
「律」がある。

しかし、あえて、来月以降もこれでやりたい。
この微妙な困難さの感覚を克服すれば、短歌・俳句・川柳のジャンルを
凌駕する。

あ、そういえば、どどいつの時代の折り込みに「こいずみ」があった。
私は全共闘世代の闘士だが、家は今でも自民党員。今回の予備選挙でも
一票の投票権を行使した。
なんとなく柳川の先見性に敬意。

「こいずみ」折り込みで

 鯉の絵柄の 刺青を ずいと腰まで 見せてみよ


:おるか 4/25
■やっと退陣してくれた

唯唯さん
折込かっこいいですねー。
それに付けるにはちょっとお恥ずかしいしろものですが

 朱き鱗の爆泳に世を憂ふ胃のもたれけり

あばよ森  猪八戒の後に沙悟淨って感じだな


:流流 4/25
■人生は旅か?

○花を追いつつみちのくへ 愛しいひとに逢いに行く

先週末は春風に誘われて旅に出てたけど、ちょっと寒かった。
まもなく、GW初夏ですね。遠方へは行かないけど、山陰へ
行ってこようかと思ってる。

 こいずみさん、凄い人気。昨年は親友の逝去に遭い、葬儀
委員長をつとめ、3日間泣き通したという彼の人間性に期待
します。バツ1、2人のご子息というのも、ボツ1、2人の
子持ちというわたしも親近感を持つところですが、わが祖国
日本も難しいところにきてますから、ハテ、どうなることか?

 もりさんも過ぎてみれば、愛すべきひとではなかったろうか?


:唯唯 4/27
■吟吟はきょうはどこまで行ったやら

吟吟は、ことしは海外旅行かな?

去年だか一昨年だかの5月の連休には、東京から深夜バスで帰ってくる私と
東名高速で「うなぎパイ」の幟のところで、すれ違ったのだったが、、、。

さて、浪曲を聴いてみると、7777の連続や、77775のどどいつ節も
あるが、ここで「きめる」という場面は7575だ。
面白いので、研究を極めることにする。

 おまえが帰って 来る日まで 俺はかならず 待っている


:流流 4/30
■みどりしたたる、

 このG.W.は、山へ行ったり、釣りに行ったり、旅に
出たりと、遊び回るつもりです(現在進行形)。

○俺が戻ってくる日まで 待てなかったらそれもいい

 やっぱし、文学的昇華にはほど遠いなあ。


:唯唯 4/30
■五一爺さん

 ざぶざぶおちる 水の音
 とんとんひびく きねの音
 朝から晩まで はたらいて
 五一じいさん やすまない  『五一爺さん』松岸寛一作詞 大正末ごろ
 
というわけで、私も黄金週間の間もはたらいています。
5月3日には秘密結社の仕事で東京へ行きますが、夜行バスで村に戻って来ます。
 
 村をはずれの 水車の小屋に
 日がな一日 うたうこえ
 しごとなされよ きりきりしゃんと
 かけたたすきの きれるまで  『五一爺さん』
 
 「きりきりしゃんと」のところだけ変調して7音になっている。


:吟吟
■砂金の日々

はろ〜。いま、わたしは南の島にいます。というのは大嘘よ。
仕事の砂漠に砂金程度のお休みがまじる黄金週間ですわ。
今様はあいかわらず口語ばっかりできます。

 わたしのかれははげている はげてるとこが可愛いよ
 このごろますますはげてきて どんどん可愛くなるばかり

 わたしのかれははげている だけどわたしといるときは
 冬の枯れ野のおでこにも かわいげという毛がはえる

やれやれ。ところで、
『朝鮮詩集』の文庫をゲットしました。『朝鮮民謡選』などで
朝鮮詩の日本語訳(多くどどいつ形式)を手がけた金素雲氏の
名訳詩集です。今様風のではこんなのが。

 岸辺に咲ける/海棠の/なにを愁ひて/うなだれし。
 風の戯(たは)れに/羞ぢらひて/染めたる頬の/愛(いと)しけれ。

題名は「海棠」作者は「金億」。景気のいいなまえ。


:りり(小夜あらため) 5/6
■どうせなら、やつれたい。(最近太り気味)

吟吟さま。みなさま。
おひさしぶりー。また名前かえようっと。
風邪ひいちゃったの。くすん。


 風邪をひいたら 胸ひらく
 つめたいものを あてられて
 聞かれてしまう 胸のおと

 風邪をひいたら ひとり寝る
 つめたいものは 足のさき
 あなたの足は いまどこを
 歩いているやら いないやら


ねえ。浜村純さんをテレビで見かけたら、気をそらすようにしてくださいね。
先日、七五調の浜村純節を耳にしてしまって、(前奏のときの曲紹介)
それからずーっとあたまのなかで、七五は浜村純節に…。きょ、強烈。
(あ、関西でだけ気をつければいいのかな?)
またね。


:吟吟 5/6
■はまむらじゅんはまむらじゅん

まあ。りりさん、おだいじにね。冷えは大敵よ。
しかし、さすがはお色気担当だなー。
すこし色気をわけてもらって、いっちょ、いくか(色気のないかけ声)。

 二度と恋わずにすむように 所帯やつれをみせてくれ
 二度と恋わずにすむように 恋の墓場へ連れてって

どうも、色気をとおりこしちゃうのよーっ。


:唯唯 5/9
■SMの蜘蛛

「りり」さん、元気でやっていますか?

さて、吟吟さんの、以前から紹介の「朝鮮詩集」「朝鮮民謡選」を
ウェブ書店で注文しました。
在庫がないので、取り寄せだそうです。金素雲さんについての新書だけは
廃刊になっていないようで、これは、あすあたり、ゲットできそう。

『東西南北』(与謝野鉄幹)の巻末に

韓謡十首というのがありますが、これは「朝鮮詩集」のさきがけですか?
鉄幹訳を引用

 蜘蛛はすがたも愛なきに
 そのなすわざの憎きかな
 ふくれて見ゆる腹わたの
 糸ひきのべて網はりて
 花の木の間に来てあそぶ
 春の胡蝶を捕らふらむ

んー。SMみたいで、好みですなあ。


:吟吟 5/9
■モランボンが牡丹峰とは知らなんだ

そういえば、鉄幹は朝鮮とはゆかりの深いひとでしたね!
いろんな形式の詩をいくつか残してるし、この掲示板に
なまえが出てこなかったのがふしぎなぐらいですだ。
あやしいぞ、鉄幹。

ところで、晶子の、
「夜の帳にささめきつきし星のいまを下界のひとの鬢のほつれよ」は、
「つとめする身の枕のとがよ 鬢にほつるるみだれ髪」
(どっちもちとうろおぼえ)ってどどいつに似てなくもない。

てなとこで、また。


:流流 5/11
■今週はキツイ、

G.W.の影響で、今週は普通に仕事やってても、疲れ気味。
それでは、気分転換に、ぎんぎん姐さんのはげフェチ今様拝借、

○僕の彼女は太り気味 太ったところが可愛いよ
 このごろますます 丸くなり 可愛くなっていくばかり

○それでもわたしと過ごしたら スリムになると言っている
 もともと細いわたくしは ますます細くなるばかり

 リリーさん(寅さんの彼女を思い出す)、風邪なおったかい?


:流流 5/18
■時の流れに、

○あなたに逢えて良かったと 言った言葉は嘘じゃない
 短い一生(ひとよ)一瞬を あなたと逢いに僕は来た

 うーむ、真面目な唄になってしまったかな


:知昭 5/19
■初挑戦ですが

今様とはこれいかにというところの私でありますが、
まずはやってみないとわかりません。
そこで、徹底的に自虐(の可愛らしいもの)でひとつ。

 二十二歳で先生で 二十五歳で容疑者で
 二十七歳無為徒食 二十九歳土の下

お粗末です。


:唯唯
■新内

知昭さん、いらっしゃい。どうぞよろしく。

さて、流流さんの歌ににたもので、

「岡本新内」というのがありましたので、紹介します。
秋田県横手市の座敷歌です。

 せめて一夜さ 仮寝にも
 妻と一言 言われたら
 この一年も 晴れべきに
 どうした因果で 片想い
 嫌やがらしゃんす 顔見れば
 わたしゃぐちゆえ なお可愛い
 
というものです。七五七五の歌詞のなかでは、
かなり色っぽくできていると思います。
竹内勉さんの解説によれば、この唄の源流は、
「どどいつ」を歩きながらの「投げ節」にした
「二上り」と呼ばれる唄らしいということです。

このような調子で作ってみると、
オトナっぽい今様ができるのじゃないかな。


:りり 5/27
■ごぶさた。

吟吟さん、唯唯さん、流流さん。みなさん。
お元気ですか〜。

こちらはやっと風邪でない、つらくない週末を迎えてまーす。
ちょっと、思いついたんで書いておきますね。


 好きなおひとが ひとりいて
 好かれたいのと 泣いていた

 好きなおひとが ふたりいて
 くるおしいのと いう手紙

 好きなおひとが 三人で
 楽になったと いう電話

 好きなおひとが 四人いて
 恋じゃないのと 閨できく