いたどり村から届いた手紙
love letter from birdland 6
猿もフリースを欲しげなり
村のなかを猿が跋扈していることは、すでにお伝えしまたよね。
それは、跋扈とか睥睨とか、凌駕とか、いくぶんややこしい漢語で書くような、ややこしい印象です。
この写真は、私の山の家のほうではなく、里の家のすぐ裏山、つまり、庭先で撮した写真です。
猿は、まず最初に飼い犬を襲いました。ついで、犬を操縦している(笑)老人や婦人を襲いました。
やがて、乳母車の中の子供を襲うようになって、いよいよ、村役場では、猿の駆除+射殺の論議が始まっています。
「猿の跋扈」そのものについては、やっかいな話題なので、手短に書き終えますが、私の村のJR駅前の、うら寂しげな八百屋さんの店先で、売れ残ったリンゴを囓っている彼=猿を見るとき、なんとなく、まったく新しい時代が始まったような錯覚を覚えて、けっこう楽しいものでもあります。
じつは、この写真は、1999年の冬に撮影したものです。彼=猿は、今も元気に跋扈しています。
この文章そのものも、まるで、証文の出し遅れみたい。2001年の春に書いたものです。
独りものの猿は、秋を待たずに死んだか、2003年の春には我が家の庭には来なかった。
また、こんなものが見つかったらお送りしますね。
ところで、猿も花粉症になるらしい。どうぞご用心を。
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