朴の花




朴の花を、真上から撮影した写真です。塚本邦雄さんの短歌に登場する（ペニスの隠喩としての？）蘂の長さが見えないので、あなたは「これ、何の花」と言い、そして、「ああ、私が一番好きな白色だわ」と言いましたね。

いたどり村に朴の木が多いのは、じつはこの村の貧しさのためかもしれません。朴の木は樹木の中のパイオニアで、楢などが伐られて更新する合間をぬって育つ木なのですね。
まあ、そのことは措いて、この白さは、たとえば柿右衛門の「濁手」（にごしで）の白さに似ていると思いませんか？

では、また。今年の５月は涼しい晴天が続きましたね、湯冷めなどしないように（笑）。


追伸、この写真は、木に付いたままでは、どうしてもこのような白さが撮せないので、蕾を持ち帰って撮影したものです。
蕾の付いた枝を水に浸すと、ほぼ１０分ほどでこのような状態に開花しました！特筆しておきます。
そして、ふと夜中にふたたびこの花を見てみると、なんと、この写真の薄緑色の萼？の部分は開いたままでしたが、「濁手」（にごしで）の白さの花弁は、もとの蕾の状態に閉じていたのです。じっと見ていると、電灯の明かりで、ふたたびゆっくり開きはじめようともするのです。なんだか、見てはいけないようなものを見たような、ヘンな気分になって、慌てて明かりを消したのでした。

---

back → love letter from birdland