どどいつ 5月号 『はつこい』
花は散り際 罪は寸前 恋はなかばが いいらしい 半玉
花も実もある つきあいなんて 恋じゃないわと 意地をはる 柳川
返し
しかしなんだね 根も葉もなしの 浮き名だけとは 情けない 柳川
墓の中まで つげてはならぬ 恋といはれて いやになる 小雪
初めてなのよ ついいってしまう 今宵もあいに 良いことを ひでじろう
初めてなのと つらっと言われ 今夜初かと 言い返す 半玉
走れ入れと つい叫んでる これが大レース 行かせてよ ひで
入れ入れと つい雄叫びを これが小穴で 行ってしまう ひで
離れ座敷に つれない仕草 菰にまかれた 祝い酒 泥鰌
晴着濡らすは 築地の陰で 恋のはじめの 石に雨 泥鰌
はらと帯とく 椿の宿に これが最後と 言ひつのる 小雪
「はい」と素直に つきあう様子 これはジョークと 言えなくて ひで
はじめは変で つこまれる穴 こそばがゆいの いい気持ち ひで
初めてのよう 連れになりそな 恋する人は 月雪世 ひで
恥じらい知りし 作る姿態に 焦がれる人を 入れさせる ひで
恥じらい忘れ 作る姿に 焦がれぬ人を 入れさせぬ ひで
灰になるまで つらいのならば こがれぬく方が いっそまし 半玉
派手な下着を つけつつ待てば 今夜来れぬと いう電話 半玉
はじめて良かった 尽くしてくれる 恋する一夜 いつまでも ひで
初めてなのよ 連れ込まれたの こんな所に 一休さん ひで
はじめから見せ つ魅せらてつの 恋仲じゃない いじらしさ ひで
はるかなる日よ つぶらなひとみ 恋と知らずに 一途なり 龍
玻璃も瑠璃も 冷たいものよ 業火に焼かれ 色をなす 桜吹雪
波止場育ちは 罪作りなの 来ぬ人またずに 色仕掛け 桜
はがゆいほどに つれないあなた 小面憎いが 色男 桜
花は花でも つりがね草は 小首かしげて いじらしい 龍
花は花でも 蔓バラ科目 小雪草花は いじっぱり 龍
はれて惚れても 土筆のような 小僧のモノが いとかなし 泥鰌
はまってしもたの 詰まってるみたい 恋の奴隷に いじくられ ひで
はめて頂戴 詰まってる物を こついてほしい 逸物で ひで
花火せむとて 褄とる君の 紺の浴衣が 色っぽい 泥鰌
はづかしいわと つい目をふせて ころし文句も 言えぬ頃 半玉
派手なところを 摘んで聴かす これが都々逸 いい感じ 泥鰌
春も逝くのか 月光(つきかげ)おぼろ 今宵かぎりの 一夜妻 龍
入っているのは つく辛抱か これを育てて いい気持ち ひで
はいているのは つっかけだけど これをミュールと いうのです 小雪
はたでみてたら つらそうだけど これがおとこの 生きる道 龍
花も女も 摘み採るだけよ これじゃいけない いばら道 龍
葉桜ゆれて つんてんしゃんと 恋のどどいつ 粋なもの 桜
初めてじゃない 辛い転勤 今度は嫌と 言ってみたが ひで
はたでみてたら つらそうだけど これがおとこの 生きる道 柳川
ハラスメントで つかまるたびに これは恋だと いいつのる 柳川
花も嵐も つらくはないわ これが恋よと いいきかす 柳川
はなればなれが つらいのなんて こんなことさえ いえなくて 柳川
はっとするよな 冷たいひとに 恋をしたのは いつだっけ 龍
はっと気づけば ついこうなって これが未練と いうものか 小雪