「どどいつ」11月号 どどいつ版 四字熟語
【半死半生】
半ば過ぎたが 死ぬには早い 半端同士の 生き残り 柳川
【上善如水】
上になったり 善いことしたり 如雨露ですます 水の泡 泥鰌
【食前食後】
食べる前には 前から入れて 食べた後では 後ろから 龍
【採掘作業】
採ってきたもの 掘っては埋めて 作話している 業の人 柳川
【一心不乱】
一つ蒲団に 心は二つ 不倫している 乱れ髪 泥鰌
【東西南北】
東風にふかれて 西方浄土 南の島の 北枕 柳川
【一長一短】
一生添うのは 長すぎるけど 一夜だけでは 短いし 柳川
【五分五分】
五日まだまだ 分かれがつらい 五年そろそろ 分かれどき 柳川
【東西南北】
東風にふかれて 西方浄土 南の島の 北枕 柳川
【千夜一夜】
千の星影 夜ごとに口説き 一生(ひとよ)のごとき 夜となりぬ 龍
【焼肉定食】
焼いていいのは 肉だけなのよ 定番ジェラシー 食傷し 半玉
【不倒不屈】
不意をつかれて 倒れはしたが 不可抗力さ 屈さない 龍
【交通情報】
交わり絶たれ 通わぬ想い 情け尽きれば 報復へ 半玉
【現金買取】
現物支給だ 金などないぞ 買えぬと泣くな 取って来い 半玉
【不信任案】
不可は無いのよ 信じることだ 任せてくれと 案を出す 龍
不滅の恋と 信ずるわれの 任すこの身を 案じてね 松風
【海千山千】
海にいるよな 千鳥の足じゃ 山の神まで 千万歩 半玉
海の果てから 千波は寄せて 山桜見ず 千々に散る 半玉
【藤島部屋】
一夫一婦の 意味など知らぬ 専ら大事は 心合い 柳川
不眠不休で 惜しまず励む 身体ふたつが 命がけ 々
堅気同士が 忍んで逢って 不覚不始末 抜きそこね 々
【安心立命】
安いホテルで 心をきめて 立つも立たぬも 命がけ 泥鰌
安堵したわな 心配したが 立ってしまえば 命(メイ)ク・ラブ 龍
【美人薄命】
美男ばかりの 人脈なんて 薄い愛だし 命とり 小雪
【冷凍保存】
冷めた夫婦は 凍らせとけば 保つはずだと 存じます 柳川
【秘書代行】
秘密だけどと 書くだけ書いて 代金稼ぐ 行動派 龍
秘そめごとでも 書くだけ書いて 代金稼ぐ 行為とは 々
【一部始終】
一人きりでは 部屋に居たって 始まらないし 終わらない 柳川
【海千山千(あんこ入り)】
海に碧玉 千個を沈め
誰云玉石同(誰か云う 玉と石は同じと)
涙下不可禁(涙下りてとどむべからず)
山から見てる 千里眼
※アンコは阮籍「詠懐詩」より。 半玉
【百戦練磨(あんこ入り)】
百のお客と 戦いぬいて
誰云玉非石(だれか云う 玉は石に非ずと)
水揚不可禁(水揚げ禁ずべからず)
練れているけど 磨れちゃいぬ
※アンコは阮籍のを曲げて拝借。 柳川
【特別公開】
特にあなたは 別格だわと 公はさておき 開くもの 龍
【一蓮托生】
一人待ってる 蓮台さむい 託してほしい 生保株 泥鰌
【一回百中】
一度行きたい 回転寿司へ 百円皿に 中のトロ 泥鰌
【立身出世】
立ったままでは 体に悪い 出してすっきり 世は情け 泥鰌
【竜頭蛇尾】
竜とするときゃ 頭を隠し 蛇とするときゃ 尾にまかれ 泥鰌
【一触即発】
一度だけでも 触れたら虜 即時即詠 発句俳句 柳川
【百鬼夜行】
百の手管と 鬼ころし提げ 夜になったら 行きますわ 小雪
【万葉歌人(あんこ入り)】
万の声とも 葉擦れの音を
秋色連波(秋色は波に連なりて)
芳草無情(芳しい草は無情なり)
歌と聞きたる 人も居て
※アンコは宋朝の武将、范仲淹の詩から。 龍
【豪雪地帯】
豪傑だとて 雪より白い 地肌にひるみ 帯とけず 半玉
【大同小異(あんこ入り)】
「大きすぎる」が 同性評で
雨すこしずつ雪になり
泥すこしずつ金になる
「小さすぎる」が 異性評
※アンコはポール・クローデルの詩句なり。 柳川
【大検合格(あんこ入り)】
大きいかしら 検査をしましょ
山高きが故に貴からず
樹あるを以て貴しと為す
合せた後で 格付けよ 半玉
【妖怪変化】
妖しいうえにも 怪力なんだ 変なところは 化けていく 泥鰌
【浮世風呂】
浮いた話は 世間の常で 風のうわさの 呂律編 龍
【露天風呂】
露骨すぎよが 天地に恥じず 風呂のなかでも 呂(くちづけ)す 柳川
露と消ぬらし 天のまほらへ 風がさらつた 呂グハウス 松風
露西亜の空で 天使は羽を 風に流され 呂(せぼね)冷え 半玉
【千人風呂】
千の工女の 人語の響き 風呂に残るよ 呂(メロデイ)が 龍
【男女混浴】
男好きなる 女形来て 混乱しつつ 浴衣脱ぐ 松風
男まさりの 女帝が一人 混合酒(コックテイル)を 浴びてゐる 松風
【浴衣持参】
浴びるほど飲み 衣服も質に 貸すは女か 出ていこか 小雪
【手拭持参】
手技で放って 拭ったものを 持ってお風呂に 参りましょ 柳川
【入湯無料】
入るところは 湯ぶねのほかに 無いよ借金 料れなきゃ 柳川
【一衣帯水】
一気呵成と 衣装を剥ぐが 帯が解けずに 水の泡 龍
【虚実皮膜】
虚言(うそ)が上手で 実ないおとこ 皮膚にさわって 膜をみる 泥鰌
【人間山脈】
人と人との 間に落ちて 山師同士で 脈をみる 柳川
【直立猿人】
直に着くはず 立つて行かうか 猿ヶ京まで 人妻と 松風
【勤労感謝】
勤めすなわち 労苦と思い 感じないまま 謝罪する 小雪
勤め帰りの 労り仕事 感じやすいは 謝絶され 泥鰌
【呂越同舟】
呂(くちずけ)だけよ 越えてはだめよ 同じ蒲団の 舟の宿 泥鰌
【唯一無二】
唯のひとこと 一度のチャンス 無人の屋上 二人きり 小雪
【小泉八雲】
小人住んでる 泉があって 八角形の 雲映す 泥鰌
【川端康成】
川のほとりに 端居してゐて 康きこころに 成りました 松風
【坂田金時】
坂をのぼれば 田毎にみえる 金の明月 時の花 柳川
【朝三暮四】
朝を待たずに 三時に送り 暮れを待つだけ 四畳半 半玉
【手技膨張(あんこ入り)】
手足からめて 技など競い 腫れた惚れたを 張り合って
昨日少年今白頭(昨日の少年、今は白頭)
手足うごかず 技など出せぬ 腫れてほしいが 張りもなく 半玉
【事務連絡】
事が済んでも 務めは途中 連なる手指 絡む足 泥鰌
【業務連絡】
業が深くて 務めができぬ 連れて逃げてと 絡みつく 柳川
【了解事項】
了るはずだが 解いてる帯は 事の次第で 項(うなじ)噛む 泥鰌
【携帯電話】
携えモノを 帯から出して 電気を消して 話し込む 泥鰌
【心配無用】
心ばかりを 配って見ても 無駄な物なら 用も無し おに
【添削指導】
添うて凌ぎを 削りましょうね 指はここよと 導く手 柳川
【月面着陸】
月へ行かなきゃ 面子が立たぬ 着けばその星 陸(くが)ばかり 松風
【原爆投下】
原(もと)も子もない 爆弾なのに 投げちまったわ 下下下の下 柳川
【今月今夜】
今じゃなきゃダメ 月も寝てるわ 今宵という名の 夜はいちど 半玉
【真実一路】
真があるのに 実らぬひとに 一輪捧ぐ 路の花 半玉
【ほほえみ】
ほかのおかたに ほの字のしるし えっちな顔を みせないで おに
【塩基配列】
塩も砂糖も 基本の味と 配給あれば 列につく 松風
【一触即発】
一度だけよと 触れてる一夜 即ちきみの 発情期 龍
【輪廻転生】
輪っぱ弁当 廻して食えば 転がる紅葉の 生ビール 泥鰌