電子てんびんの疑問(「精度」や「質量の概念」について)
疑問 電子てんびんの精度はどのくらいなのか?
 今、理科の実験教具として、上皿てんびんに代わり、急速に「電子てんびん」の使用がが広がっている。教科書においても、電子てんびんの使い方が紹介され、今や上皿てんびんにとって代わろうとしている。
 しかし、少し考えてもらいたいことは、その精度について検討したことがあるのだろうか。本当に上皿てんびんに代わることができるのだろうか。
1 教科書は、その測定精度(表示精度)については、何も触れていない。
  次の図は、某教科書での電子てんびんについての記述である。
 
    ◆最小表示が、1gになっている。 ◆最小表示が、0.01gになっている
    ×秤量については、小中学校とも説明記述がない。
 
2 電子てんびんは「デジタル表示」であることを忘れてはいないか。
  表示「1g」とは、 実は、多く流通している方式の電子てんびんでは、
     質量 0.5g 〜 1.4g を 四捨五入して 「1g」と表示されているようで、
   そうだとすると、最大0.9g以上の誤差があることになる。
  電子てんびんのしくみによる誤差もある。 (某メーカーの仕様から考察)
 
電子てんびん A  B 
秤量/最小表示 200g/0.1g 2000g/1g 
直線性  ±0.2g ±2g
再現性 ±0.1g ±1g 
表示書換回数 約5回/秒 
     
 直線性とは、0.1gずつ質量を増したとき、質量に比例して表示されるかという誤差である
 つまり、質量と表示とは、完全な比例関係にないと言うことである
 再現性とは、同じものをのせかえたとき、表示が前と同じかどうかという誤差である。 
  ※こうして検討してみると、電子てんびんは、上皿てんびんに比べてかなりの誤差があることになる。 
3 学習に必要な有効桁数より1つ下の桁まで表示される電子てんびんを購入する
 
  秤 量  最小表示   価 格
 小学校 200g   0.1g 以下   10000円 以上
 中学校 0.01g 以下   40000円 以上
4 「質量lの概念の学習は、どうなっているのか。
  上皿てんびんを使って説明している。したがって、上皿てんびんを学習しなければならない。
   
   
5 参考  「電子てんびんの秤量のしくみ」