直列つなぎと並列つなぎの学習の疑問
          
 直列・並列の学習は、小学校4年では、「乾電池のつなぎ方」、中学校2年では「豆電球のつなぎ方」および「電気抵抗のつなぎ方」で学習する。
 いずれも、子供たちにとっては興味あるが、わかりづらい学習になっている。
 
ここで指導側が留意しておく問題点は、
  ①学習するつなぎ方が、実生活では見られないつなぎ方であること。
  ②電流の強さや電圧の実験は、計算どおりにはならないこと。
である。では、なぜ学習するのか?・・・

 
Ⅰ 小学校4年「乾電池のつなぎ方」の学習の問題点  
1  小学校4年-学習指導要領では、
(3)電気の働き において  
 乾電池や光電池に豆電球やモーターなどをつなぎ、乾電池や光電池の働きを調べ、電気の働きについての考えをもつことができるようにする。
 ア 乾電池の数やつなぎ方を変えると、豆電球の明るさやモーターの回り方が変わること。
 イ ・・・・・・
2 教科書での「直列つなぎ」「並列つなぎ」の扱い
◆T社の学習・・・他社もほとんど同じような学習
◎回路の実態図がていねい

 子供たちがわかりにくい乾電池と導線のつなぎ方が2通りずつ示されている。
(等価回路への配慮)
◆並列は、実生活ではほとんど見られない。
 家庭内にある電気器具で、乾電池を並列つなぎをして使用する器具はほとんどない。並列につなぐ必要があるなら、乾電池を大きなものを使用するようになっている。
(実生活にない学習である)
 単4→単3→単2→単1
◆使用する乾電池の強さ(電圧、流れる電流)が、すべて同じであることが前提になっている。→→理想的条件
 しかし、実際にそんなものが用意できるのか。いつも新しい乾電池で、どのクラスも実験することは、非常に困難である。
※上の結果の例をみてもわかるように、乾電池1こから流れる電流は、どの乾電池の場合も同じとしている。そして2こ直列につなげば、電流が2倍としている。
 しかし、実際、そんな計算したような結果になるのだろうか???。
Ⅱ 中学2年「豆電球の直列・並列」の学習
1 (問題点の1) 
 実際、家庭内の電気器具では、直列につないで使用するものはない。(クリスマスイルミネーションぐらい)
 したがって、豆電球のような直列つなぎは、実生活にない学習である。
 ※ただし、豆電球を負荷抵抗とした場合は、必要な学習となる。
2 (問題点の2)