セミ笛  (ブンブンゼミ)

 観光地の土産物屋などで、竹細工おもちゃとして売られている。「セミ笛」を振り回すと、ギーギーとセミのような音を出すおもちゃである。「ケロケロ笛」と市販されているものもあるが、カエルの鳴き声でなく、やはりセミである。

1 課題と工夫
  振り回される共鳴箱となる筒は、ある程度の重さが必要であるが、幼児が扱う場合、周囲にあたる危険がある。 
    ※竹の代わりに、塩ビ管やフィルムケース(塩ビ管の方が重くて良い)などでも作ることができる。
    →ここでは、電気工事用の硬質ビニル電線管を使ったが、少し軽い。
  問題は、丸ひごと糸のまさつで出る音である。いろいろ試してみた。
    ◎松ヤニそのものを融かしてぬる。→よい音が出るが、面倒。(ここでは、この方法)
    〇バードコール用松ヤニをぬる。→ 簡単でよい音が出るが、市販品は量が少しで高価。  
    〇弦楽器用松ヤニ → まあまあよい音が出る。高価 
    △野球用ロジンバック(粉末)→ 松ヤニの含量が少ないが手軽。 
    ✕バットの滑り止めスプレー →粘りけが多すぎて、糸がからまる。その上にロジンバックを塗るとまあまあ  
    ✕ハンドボール用滑り止め → 粘りけが多すぎて、糸がからまる。その上にロジンバックを塗るとまあまあ  
2 材料
 硬質ビニル電線管(VE-22) 肉厚2mm
 内径22mmφ × 40mm
 丸ひご4mmφ(または割り箸)
 リリアン糸  約25cm
 クラフトテープ 少々
 木製ビーズ(4mm穴)
 松ヤニ 少々
3 作り方
  本体(筒の部分)をつくる
竹か、塩ビ管を4cmぐらいの長さに切る。
クラフトテープを貼る。
中央に穴をあけ、糸を通し、筒の内側に抜けないように厚紙を通す。
ビーズを丸ひごに通し、松ヤニを塗る。
木製ビース2つを、丸ひごに通す。
2つの木製ビーズの間に、松ヤニをとかして塗る。
⑤の間に、③の糸を、輪をつくるようにしてしばる。
※きつくしばらないこと。
  本体にクマゼミの絵をはりつける。
  クマゼミの絵を、本体にはる。
4 鳴る理由
   松ヤニとリリアン糸がこすれます。その振動が糸電話のようにリリアン糸を伝わって、油紙を振動させる。それが竹筒の共鳴により増幅され、大きな音が聞こえる。リリアン糸を爪などでこすっても音が出る。音が振動であることがよくわかる。
紙やプラ板などにセミやカエルの絵を描いて塩ビ管に貼ると、より楽しい作品ができる。
5 鳴らし方 
丸ひごをもって、筒のついた糸を振り回すと音が出る。 
    ※うまく音がでなでないときは、松ヤニを塗った部分を乾かすか、紙などで拭き取る。