心臓の音(心音)の観察
 工事中
 人体の学習では、とかく、器官や臓器が一つ一つバラバラに取り上げられ、人体として総合的に考えることを忘れてしまうことがある。
 心臓と血管、つまり循環器官の学習でも、心臓は心臓、血管は動脈と静脈と個々に扱われることが多い。そこで、心臓と血管のしくみが、少しでも探究的に学習できるように工夫してみた。
1 断続流から定常流へのしくみの追求のために
 小学校でも中学校でも、毛細血管の中を血液がさらさらととぎれることなく流れていることを観察している。(定常流)
 また、心臓の音から、心臓からでる血液は、心臓が収縮したときだけ出ることが推測される(断続流)
 つまり、心臓からの断続流が末端の毛細血管では定常流に変わっているわけで、そのしくみのひみつがどこかにあるわけである。これを追求させ、定常流でなければならないわけや動脈の特徴に気づかせていきたい。
2 材料
 水槽になるもの(ペットボトルでもよい)
 手動ポンプ(灯油用、またはそれと同じもの)
 ガラス管、ビニール管 外径5mmφ 10cm
 ボールペン(毛細血管の代わりにする)
 風船(バルーン用、応援風船など細長いもの)
3 作り方(ペットボトルを使った方法)
@  ペットボトルの上肩の部分にポンプの先が入る穴をあける。(右の図の○の部分)
A  ポンプの長さをペットボトルに合わせて切り中に差し込む。
B  ボールペンの芯をぬいたパイプと、ゴム風船を用意する。
4 使い方
@  ポンプの先端に、何もつけないで、ポンプを縮めたり、ふくらめたりする。  →→ 定常流にならない。
A  ポンプの先端に、ボールペンのパイプをつけて、ポンプを縮めたり、ふくらめりたりする。
   →→ 定常流にならない。      ※毛細血管だけでは、定常流にならない。 
B  ポンプの先端とボールペンの間に、ゴム風船をつけてポンプを縮めたり、ふくらめたりする。
   →→ 定常流になる。
 ポンプが縮むとき、ふくらんだゴム風船の弾力の力によって、水(血液)が流れ続ける。
5 発展(心臓の基本的な構造は1心房1心室)
風船をとり、ポンプの吹き出し口と吸い込み口をつないでみよう。果たしてうまく循環するだろうか。