簡易電解装置
 どの学校にもある、ホフマンのH字管型電解装置は、下端の電極のついたゴム栓が、水酸化ナトリウム溶液を使ったときにはずれやすく、思わぬ事故が起こることがあるが、電解装置としては、やはりよくできている。
 しかし、高価なのでとても生徒一人一人というわけにはいかない。また、他の電解装置は補集管に電解液をみたすのに面倒なものが多く、補集した水素と酸素の体積比が2:1に、酸素の溶解度が同温度で水素の倍ぐらいあるため、電極の酸化のため、なかなか2:1にならない。
 そこで、操作が簡単で、生徒2人に1つぐらいわたせて、短時間に実験の目的が達成できるように、次のような電解装置を自作した。
1 作り方
  材料は、プラスチック容器(台所用品でよい)1個、ステンレスボルト5mφ、長さ5cmぐらい2本、プラスチックナット2ケ、小型試験管(または、内径1cmぐらいのがラス管)2本、などである。
@  まず、容器の底部に、図2のような位置にボルトを通す穴を2つあける。.
 次に図1のように、その穴にボルトを通し、プラスチックナットでしめ、ビニールパイプまたはビニール管をはめこむ。.
  ※穴から電解液がもれないように、ボンドなどの接着剤をぬっておく。
  ※プラスチックナットや、ビニールパイプをはめる理由は、気体が電極であるボルトの下の方から発生すると、補集管にその気泡がはずれて集められなくなるからである。
A  容器のフタの方に試験管またはガラス管を通す穴をあけ、試験管を通す。
  ※フタの穴の所の防水も接着剤などでする。
2 使い方及び使用結果
@ 使用する電解液は、ステンレスボルトを使っているので、希硫酸は使えず、水酸化ナトリウム水溶液(10%)である。
A 電解液を補習管に満たすためには、下の図のように.容器を横倒しからややさかさまして、もとにもどせばよい。
3 使用結果
右のク"ラフは、
電解液‥‥水酸化ナトリウム水溶液(10%)
電源‥‥‥乾電池2固(3V)
 
での実験結果で、短時間によく
 水素:酸素=2:1 となっている。