つり皿てんびん と 上皿てんびん  (つり皿から上皿へ)
 小学校5年に「てんびん」の学習がある。手づくりのつり皿てんびんを製作し、それを使って天びんのつりあいを見つける活動である。しかし、つり皿てんびんをある程度うまく作らないと、このつりあいが見つけにくいのが現実である。
 また、この学習のあと、上皿てんびんのしくみや使い方を学習するが、つり皿てんびんと上皿てんびんのつながりがうまくいっていない。そもそもつり皿てんびんと上皿てんびんでは、構造上の違いがあるのに、一方を延長して他を引き出すのは、科学的あやまりを招く。つり皿てんびんを上皿てんびんに変えていく教具が必要である。
 そこで、子供の手で、つり皿てんびんを上皿てんびんに作り変えることができるように工夫してみた。もし、子供の手で無理ならば、演示用として作ってみてはどうか。
1 課題点と工夫点
 つり皿てんびんを子供が作るときに、問題となることは、次のとおりである。 
@ 支点・力点の部分をどのように作るのか。
A つりさげる支持柱・台をどのようにするのか。
B 同じ重さのおもりをどのように用意するのか。
 (1) 支点・力点をどのように作るのか
支点を作るとき、注意しなければならないのは、
支点・力点の「点」の発見ができるようなつくり方でないとならないこと。
なめらかに回転しうる構造で、子供が容易につくることができること。
 そこで、いろいろな支点(力点)の作り方とその特徴を検討してみた。
@ 支点・力点の位置に穴をあける。
 確実であるが、支点・力点を見つけ出す学習ができない
A 支点を糸で支える。
 敏感なてんびんであるが、糸のねじれなどで回転してしまってやりにくい。
B 工作用紙ではさんでつる。
 やや面倒である。支点がさおから遠ざかり、点が発見しにくい
C 目玉クリップではさんでつる。
 支点を移動するのには簡単でやのやすいが、支点がさおから離れ、点として理解されにくい。
D  竹ぐしを輪ゴムでとめる。
簡単で、支点の移動(竹ぐし)の移動もできる。
E ゼムクリップで支点の軸受けを作る。
 動きはよいが、支点が固定されてしまい、きまりを見つける活動ができない。
(2) 支点・力点をどのように作るのか。 
2 材料
3 作り方
4 活用法