教育研究の進め方とまとめ方
T 教育研究の進め方
 教育研究の問題点
 @研究の進め方(手順)がわからない。   基本的な教育研究の過程
  研究とする問題点やめざす姿、目標
 A研究仮説が具体的でない。   一般仮説と具体仮説の設定
  研究の全体構想
教育研究も探究的に行いたい 
    そのためには、次の3段階が大切である。 
@ 観察 
◇普段または問題点発見のための実践から、研究目標を引き出す。
  ・普段の実践の観察、記録 → 記録の分析 → 問題の発見、目標
A 仮説 
◇研究の構想を立て、仮説を設定し、研究方法(検証方法)を樹立する。
  ・研究の構想 → 文献等の情報収集 → 仮説の設定 → 検証計画
B 検証 
◇検証のための実践(授業)を行い、できる限り客観的に評価していく。
  ・検証のための授業 → 観察、記録、分析、評価 → 新たな課題
はっきりさせておきたい側面(全体構想)
実態(事実)の把握
 @観察、調査 →→ 課題・問題
  ・子供の実態
  ・授業の実態
※問題発見のための実践・授業
 
めざす子供像・授業像
 ○研究のめざす姿
  ・めざす子供、めざす授業
   研究目標
   研究主題(テーマ)
 
研究構想・仮説・検証
 ○研究文献の調査
 ○研究の全体構想   A研究の仮説
   ・研究計画、組織
                 B検証(実践)
                 ・研究の評価
 
研 究 論 文
1 研究主題(テーマ)の設定
@ 研究が教育の枝葉末節のものでなく、より本質的なものであるか。 
  ○この見極めが、研究の価値を大きく左右する。
  ○時代の要請、教育の方向をはっきりとつかんでいる。
A 研究の成果が、子供・学校・他の教師に還元され、大きな価値があるか。 
・研究の成果を客観的にとらえたい。
・研究の内容・方法が、だれにで、いつでも再試行できるか。。
B 研究が継続研究として、積極的に取り組め、興味・関心がもてるか。 
・数年次にわたった研究で、年次ごとに研究目標・仮説が深まっているか。
教育研究には、2つの問いをもちたい。 
 @ 実践の本質、意義、課題を明らかにしようとする問い‥‥「何か」「なぜ」
 A 実践の方法を明らかにしようとする問い‥‥‥‥‥‥‥‥「いかに」 
教育研究のほとんど、「どのようにしたらよいか‥‥」(How〜?)
  <実践の方法を明らかにしようとする問い>
   (例) 「楽しくわかる授業は、どう進めたらよいか」
       「自分で遊びを見つけ、意欲的に活動する子を育てるための環境は」

  「どうしたらよいか」を中心に研究が進められるのは、当然ではあるが、
   研究の一貫性・方向性をきちんとしておくためには、実践の本質、意義、課題を
   明らかにしておく必要がある。
    (例)  「わかる授業とは」
         「自分の遊びを見つけるとは」

    また、「なぜ」この研究が必要なのかの問いも大切である。
2 研究仮説の設定(一般仮説と具体仮説)
            ‥‥一般仮説にとどまっている研究が多い。
   仮説は、直接に検証できる(確かめられる)か、または、結論が実践によって、
  検証可能であることが大切である。

  (例)「自分で遊びを見つけさせることによって、意欲的に活動する子が育つだろう」
     → 意欲的かどうか直接確かめることができない。<一般仮説>
     → 測定(評価)が可能な<具体仮説>をさらに立てる必要がある。
       ※意欲的に育った子供が表す行動におきかえて仮説を立てる。

  「○○の現象(内容)を、○○の(場)において、○○のようにすれば(方法)、
   ○○のような表れが見られ、○○が育つであろう。」、