「福祉」って何だろう
  本校は福祉・ボランティア活動がさかんな学校といわれています。実際に学級活動などの授業では「福祉」の時間がありますし、自主ボランティアグループがいくつかあり、学校の中や地域でさまざまな活動をしています。では、なぜ福祉教育が必要なのでしょうか。ここで、福祉の基本的な考え方を説明します。
@  すべての人が差別されたり、いじめられたり、排除されたりすることなく、一人一人が大切な人として尊ばれ、生命ある存在として扱われなければならないことを基本的な考えとしています。
A  その一人一人が生きることの喜びを味わい、生きがいをもって生き続けることができるように、自己実現がなされる必要があります。そのためには、お互いが成長し発達することが保証されるよう、障害のある人もない人も、若い人も高齢者も、男性も女性もその立場を認め合い、支え合い、学び合っていく「共に生きる」地域社会づくりが求められるのです。
B  こうした豊かな地域社会を、一人一人の住民が参加して実現していくために、社会的障害を超えて生きる人々についての理解、社会福祉の制度・政策についての知識、対応の仕方などについての基礎的なものがなければなりません。
C  そのような知識を得た上で、実際の活動に参加してみる。つまり、ボランティア体験をしてみることが求められています。 
  もし、このような活動が実施されたならば、学校の中で弱いものがいじめられたり、差別されたりすることがなく、豊かな力強い人間関係が養われる基礎ができるのではないでしょうか。
  また、家と学校という限られた世界にとどまることなく、自分たちの暮らしている地域社会や国際社会に目を向け、高齢者や小さな子供たち、妊婦さんや障害をもつ人たちなど、いろいろな人たちとの実際のふれあいの中から、自分たちがどのような社会をつくっていきたいのか、そして、そのためには、自分たちはどのような役割を果たせばよいのかがわかるでしょう。
  「福祉」とは大変なことではなく、人間として当たり前のことなのです。決してむずかしいことではありません。あせらずゆっくりと学習していきましょう。