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二 学 期 制 の 課題・対応 |
2003年度、全国で二学期制を導入した小学校は、519校(2.2%)、
中学校は、310校(3.0%)で、増え続けているが、少し減速している。 |
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◆ 今、なぜ2学期制なのか‥‥‥そうする決定的なものがない |
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全国の小中学校で二学期制を導入する動きな広がっている。一種の流行のような感がある。 |
A 新学習指導要領の掲げる「ゆとり教育」に対応すべく、「学力の向上」を期待している。
B 完全週五日制になって、土曜日の削減分の授業時数の確保が、まずねらいである。
C 学校行事を、年間の適切な時期に配置を見直す。
D 7月と12月の忙しさからの教師を少しでも解放し、子供とふれあう時間を増やす。
中学校では、7月は、成績処理、中体連、終業式が重なる多忙なときである。 |
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◆ では、先進校であげている成果は?‥‥例によってマイナス面があげられていない |
○ 小学校で、平均15時間、中学校で20〜30時間ぐらい授業時数が増えた。 |
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増えた時数で、小学校では、英会話授業に、中学校では、数学・英語の習熟度別少人数授業にあてている。 |
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子供と教師のふれあいの時間が増えた。そのおかげで保健室への来室数が減った。
(増えた時間に、新たな授業を入れれば、その準備で、また、別の忙しさが加わるのではないか) |
○ 行事や定期テストによって細切れになっていた授業(週1時間の授業)がなくなった。
○ 7月上旬にも、集団宿泊行事を入れることができるようになつた。 |
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◆ では、保護者・子供・教師はどう感じているのか(先進地域から) |
○ 「宮崎の2学期制を考える会」のアンケートに対する教職員367人の意識
「ゆとりができた」が16%に対し、「ゆとりがない」が42%にも及んだ。
○ 同じアンケートで、保護者は、「二学期制に賛成」が5%、「反対」が50%あった。
○ 定期テストの回数が減る一方、1回のテストの範囲が広くなり、子供の学習意欲が失われる。
(そこで、授業の中に小テストを行い、できない子を放課後、ときには土日に指導している。)
※何か本末転倒しているような気がする。子供も、教師も、また、ゆとりがなくなる。
○ 「親が仕事を休めないので、秋休みに子供を一人で家に置くのは不安である。」
○ 地域の行事と学校の行事との連携がうまくいかなくなった。 |
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二学期制の最大のねらいとは、実は、教職員の意識改革である。
「授業を充実し、子供に何とか学力をつけさせようとする意欲を高める」ことである。 |
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マンネリ化、硬直化してしまった学校、授業を何とか変えたいという願いが根底にあり、絶対評価の導入と相まって、その願いが長く続いた三学期制の改革につながっているのではないか。 |
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だとすれば、三学期制を二学期制にするだけでは、何も変わらない。いつも言われることだが、教師・子供・保護者の意識改革がないかぎり、二学期制の効果は、やがて薄らぎ、前にもまして学校教育がゆがんでいくのではないか。急ぐことなかれ、根本的な問題を考えよ。 |
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