2005年のブナ林情報
         
           
   

 
   
 

new ■10月10日→賀老ブナ林、紅葉が始まりました
十月になって、朝夕の冷え込みが厳しくなりました。賀老高原のブナ林は、林床の方から紅葉が始まっています。ミネカエデやイタヤカエデは、すっかり黄色くなりました。ツタウルシ、ヤマウルシも真っ赤。狩場山を見上げると、中腹までブナ林の黄葉が光っています。ダケカンバとのコントラストが軟らかく、今が見頃です。


高原のブナが黄葉するのは、あと一週間くらいかかるでしょう。昨年の台風18号のような強い風雨が来ないことを祈ります。いつものような素晴らしいブナの森を見るのが楽しみです。下の写真は、私の後をついて来たフクロウです。目の前の木に留まって、首をかしげながら、私を見つめていました。人間に興味津々の様子です。



■7月26日→歌才ブナ林、夏の花が次々に
台風7号が接近中のブナ林へ、すっかり夏の風景になりました。曇りから、後小雨という天気。やや蒸し暑いが、快適に散歩を楽しみました。駐車場前の入り口、すぐ右手の湿地帯では、オニシモツケが大群落を作っています。例年にない規模になっています。

初夏を過ぎ、真夏の森になったブナ林。ぐんと深みのある緑に、どっしりした落ち着きを感じます。花は、夏のものに変わりつつあります。ヤブハギ、オオウバユリ、ノリウツギ、ツルアジサイ、イケマ。とくに可愛いのが、イチヤクソウとベニバナイチヤクソウです。今が満開。10cmほどの小さい花なので、注意して探してください。お馴染みのドクダミは、白い色。ユリ科のオオバキボウシの白い花は、とても気品があります。目立たないが、ハエドクソウも。オトギリソウがほんの少し咲いています。

ヤマブキショウマとトリアシショウマが咲き始めています。エゾアジサイの紫色は、小雨の中で目を引きつけられました。ホウチャクソウ、ルイヨウショウマ、マイヅルソウなどの実が付き、もう少ししたら色づいてくるでしょう。下の写真は、ベニバナイチヤクソウ。



■7月14日→賀老ブナ林、初夏の装い
黒松内は、七月に入ってもぐすぐすと悪天が続いてしました。霧と霧雨と本格的な雨が交互に襲ってきて、太陽の見える日はごく僅か。夜の気温低下もただ事でなく、冬の綿入れを手放せませんでした。ここに来て、やっと夏らしい天気になりました。日本海側の島牧村は、ぴっかぴっかの日差しが細
胞に突き刺さるような良い天気でした。

新緑のような、わくわくするような華やいだ雰囲気はありませんが、ブナたちはのんびりゆったりと枝を広げ、樹冠の葉は黒々とした色になりました。とはいえ、林床では花たちが咲いていて、思いの外楽しませてくれます。コケイラン、オオバミゾホウズキ、ギンリョウソウ、マイヅルソウが満開。淡緑色、鮮やかな黄色、透き通る白、純白。重い感じの森の中が、彩られていて散歩が楽しくなります。

その他、アブラナ科、キク科の植物も咲き始めています。タニギキョウ、モミジカラマツ、タチカメバソウ、ノビネチドリなども咲いています。下の写真は、マイヅルソウ。今が満開ですので、週末は是非訪れてみてください。



■6月9日→賀老ブナ林、新緑真っ最中
賀老高原への林道がオープン。賀老の滝入り口前の駐車場まで、車で入れます。
ブナ遺伝資源保存林までは、歩いて行けます。9日の段階では、千走川に架かる昇竜の橋は通行止めになっています。が、自己責任で林内に入って楽しむのは、問題ない、と判断しました。散策路上には、ほとんど雪も無く、とりわけ危険な場所もありません。ブナ林の新緑を、心ゆくまで堪能できます。

ブナは、開葉していて、林内には淡い緑からやや濃い緑が混じる程度。今週の土日は、最高のブナ林散策日和となりそうです。

遅い春のため、この時期にかかわらず、ミズバショウ、エゾノリュゥキンカ、ノウゴウイチゴが満開です。エゾイチゲ、オオカメノキの白が眩しいくらいです。ムラサキヤシオは、満開から花期の終わりに入りかけています。シラネアオイもちらほらと見かけます。

昨年の台風18号による倒木被害は、想像以上に大きいです。森の中に、ぽっかりと大きな空間が空いた所があります。写真は、賀老の滝と新緑のブナ林です。水かさを増した滝の落下音が、ゴーゴーと森に響き渡ってます。その迫力に、圧倒されます。



■6月1日→賀老高原はまだ冬です
賀老への林道は、まだ閉鎖されたままです。別ルートで高原まで上がってみました。「賀老の滝」入り口前の駐車場手前、約1kmから路面に雪が残っています。何とか駐車場までは行けましたが、その先は進行不可能です。路面上はもちろん、周囲の林内には一面に雪があります。残雪なんて言う半端なものではなく、しっかり積雪です。

ブナは、開葉しています。新緑の見頃なのに、散策路のあるブナ林に行けないのが残念です。雪の上を歩いて行くしか方法はありませんが、かなりの長距離でもあり危険もあるので、無理に入林するのはお勧めできません。あと10日か二週間待って、安全になってから見に行ってください。

エゾエンゴサク、キクザキイチゲ、オオカメノキ、カタクリなど、お馴染みの花を見かけました。

■5月20日→歌才ブナ林・ビューティフルな新緑

昨日までの長い長い寒さが嘘のよう、朝からからりと晴れ上がり、青空がいっぱいのブナ林です(写真)。鳥たちも、久しぶりの春光に、鳴き声が弾んでいるように聞こえます。ブナたちは、開葉した直後の様子。淡い鶯色が、森中を満たしています。まさに新緑、新緑。今週末から来週半ばくらいが、最高の見頃でしょう。

花たちは、カタクリが花期の終わり、キクザキイチゲ、エゾエンゴサク、エゾノリュウキンカ、エンレイソウは十分楽しめます。ニリンソウが、ちらほらと咲き始めています。見つけずらいかもしれませんが、オクエゾサイシンがひっそりと咲いています。



■5月4日→歌才ブナ林・花はこれから

ゴールデンウィーク半ばというのに、ブナ林の中も、春の訪れが遅いのです。花たちは、まだ咲き出したばかり。カタクリ、キクザキイチゲ、エゾエンゴサク、エンレイソウが咲いていますが、満開なのは日当たりの良い斜面など。多くは、これからが花期を迎えます。したがって、花の見頃は、今週土日から来週になりそうです。

散策路は、前半は概ね雪が解け、良好です。コースの後半では、沢の近くでかなりの残雪があり、ぬかるみになっています。長靴をご用意ください。

ブナは、冬芽が膨らんできました。そう遅くない時期に芽吹き、新緑になるでしょう。例年と違うのは、低木のオオカメノキ、あるいはカエデなどが十分に芽吹いていないことです。川沿いのヤナギが、やっと鶯色になってきたばかり。寄せる小風もやや冷たく、寒い春です。下の写真は、カタクリです。