SIGMA SD14の世界(2)   項目TOPに戻る

小さなFOVEONカメラが欲しい

SD15やその他の新レンズが続々発売され、SDユーザーには待ちに待った時が来たようです。この件については、maroさんが詳細に書いていらっしゃるので、私が何をか言わんやで、今回のテーマではありません。

maroさんが過去に書いた「雑記帳」に、私も大いに同意できるものがあります。その事について一言。maroさんの雑記帳から、若干引用させていただきます。無断ではありますが、ご了解ください。<(_ _)>

「私自身の本音としては SD をプロが使おうが使うまいがどうでも良いことで、あまり気にしてはいない。であるが、SD が売れてくれないとシグマがさらなる SD を開発する意欲を失ってしまうかも知れない。いや、それも良いかな?そう、SD はもう止めても良いかも知れない。では何を望むのか?レンズ交換が可能な DP である。ピント合わせ用に EVF を備えたものであればなお良い。もちろん SA マウント用のアダプターを用意してくれる事が前提となるが・・・。」
(2010/3/17の雑記帳より)

「デジタルになる前はミラーを内蔵していない一眼レフは存在していなかった。が、撮像素子に結像した像を電子的に処理して液晶画面に表示することでミラーのない一眼レフ?が可能になった。SIGMA DP を一眼レフと考える人はいないと思うが、ライブビューで背面液晶モニタに表示された画像を見ながら撮影する事はまさしく一眼レフ的な撮影方法である。最近人気があるマイクロフォーサーズの一眼カメラと同じである。

フォーカシングを AF 機構に任せてしまうのであれば、ファインダーの役割はフレーミングだけとなる。DP で背面液晶モニタを見ながら撮影する際に不便だと思うのは、表示される画面にほんのわずかな時間的な遅れがあることと背面液晶用ルーペを使って画面を拡大して見たときに液晶のピッチが粗すぎて、細かい部分がはっきり見えないことだ。」
(2010/3/19の雑記帳より)


上記の内容は、SDシリーズとDPシリーズについて論考を深めて書かれた中で述べられていることで、基本的に私も同様の意見なのです。昨年(2009年)の秋から年末にかけて発売になったOLYMPUS E-P1,E-P2は、一眼レフのまったく新しい在り方を示したものです。受光素子がベイヤー型であることを除けば、一眼レフ愛好者にとって、今後無視できない存在と云うべきでしょう。

もちろん、以前からカメラ・レンズ一体型で、電子ビューファインダーを内蔵したCOOLPIXとかFinePixなどがありましたが、「一眼レフに似たもの」という程度にしか受け止められていませんでした。電子ファインダーのモニタリング性能、画質ともにイマイチであり、メインのカメラとしては躊躇するものでした。受光素子も小さいものでした。

E-Pシリーズは、画質の点から見ても、従来から使われているフォーサーズ受光素子をそのまま使っているので、とりわけOLYMPUSユーザーにとっては違和感の無いものに仕上がっています。実際、約1200画素という十分な画素数と素子面積を備えた受光素子ですから、その作り出す画像はOLYMPUS従来の一眼レフであるEシリーズと基本的には変わらないものです。そういう意味で、本格的な作品作りの出来るミラーレスカメラの出現と云えるでしょう。

驚くべきは、ミラーとペンタプリズムを排除することで、とてつもなく小さく軽いボディに仕上がっていることです。キャノンやニコンの高級機と比べると、ただのコンパクトカメラにしか見えません。SD14と比べても、重量では約半分です。従来の高性能、高級カメラは、重くて大きいのが当然となっています。しかし、これはユーザーに肉体的、精神的に大きな負担をかけるものです。もっと云えば、経済力が無ければ購入さえ難しいものです。

私は、高校生の時にサッカーで腰を痛め、さらにカメラマンになってからは10kgから15kgのカメラ機材を入れたカメラバッグを持ち運んでいたので、腰痛が持病となってしまいました。登山や山歩きもしょっちゅうですから、今は軽いヘルニアになっています。どんなに性能の良いカメラであっても、重さと大きさには閉口するようになりました。SD14、SD15までが限界です。さらに小さく軽い高性能のカメラがあれば、どんなに嬉しいことか。

OLYMPUS E-Pシリーズを某大型量販店で、前から、後ろから、上から、下から、横から、斜めから眺め回し、触りまくりした印象は、「なかなか、エエじゃないか」という結論です。かつてのフィルムカメラを彷彿とさせる金属仕上げの感触、何だか懐かしさとともに、今でも作れば作れるじゃないか、と感激してしまいました。小さい軽いは何度も云っていることですが、最も感心したのは、電子ビューファインダーの性能向上です。

以前の電子VFは、マニュアルでピント合わせなど出来ない低水準の荒さでした。ピクセル数が少なく、被写体の微妙な部分の解像、階調の変化、ボケの確認などはまったく不可能で、私は使ってみようと思ったこともありません。しかし、E-P2に装着された電子VFは、過去の物と比べられないほど進化していました。十分にファインダーの役割を果たすレベルなのです。マニュアルのピント会わせはもちろん、かなりの高レベルでボケ味の状態を確認できました。

動きのあるものにも、ほとんど遅れることなく電子VFの画像は追いついてきます。よほど高速で動くものの撮影でない限り、まったく支障はありません。少なくとも、風景、ポートレート、スナップなどで困ることはないでしょう。

さらに、一眼レフでは宿命で避けられないと思われていた、シャッターを押してミラーが復帰するまでのブラックアウト(その間、画像が目から消える)という現象が無いのです。ピントを合わせて、シャッターを押すと、直後に露光が終了してしまいます。これは、とても気持ちが良いですね。ただし、データーが記録される若干の間、モニターが黒くなり撮影不能になります。これは、新しい意味でのブラックアウトかもしれません。これとて、もっと連写能力の高いカメラなら、まったく問題にならないはずです。

それから、専用レンズを使用した場合、AFの合焦速度が非常に速くて正確です。モタモタと手でピント合わせするのが馬鹿馬鹿しくなるほどです。時と場合によりますけれど・・。

OLYMPUS E-Pについて縷々述べてきましたが、こうしたカメラをSIGMAさんに是非作ってもらいたいのです。結局、maroさんが仰るように、「レンズ交換が可能な DP である」ということになります。仮にマイクロDPと呼びましょう。SDよりも一回り小さなマウントを開発し、マイクロDP専用レンズを開発する。SDシリーズのレンズも、マウントアダプターを介して使用可能とすれば、システムの自由度、柔軟性が高く確保されると思います。

ボディ、レンズとも軽くて小さくて且つ高性能、しかもFOVEONセンサーが搭載されている。こんな夢が実現されたら、写真とカメラの世界に大きな転機あるいは影響があるに違いありません。OLYMPUSやパナソニックがすでにやっている事ですから、技術的に不可能は無いと思いますが、如何なものでしょうか・・・。電子VFは、OLYMPUS方式と同じに取り外し取り付けを自由にすると善いのではないでしょうか。カメラ背面の電子VFだけで十分、という撮影場面もありますし、機材を小さくしたいので不要だという人もいるでしょう。

新しいマイクロDPマウントや専用レンズの開発には資金がかかります。すぐにやれというのも無茶な注文かもしれません。しかしながら、これだけ電子技術、デジタル技術の向上した時代ですから、是非作ってもらいたいと願っています。マイクロDPが実現したら、ミラーとペンタプリズの無いカメラですから、ミラーレス一眼と云うよりは、電子V一眼と呼んだ方が正確なのではないかとも考えています。

SDはいらない、とは思いません。ペンタプリズムの作る画像は、レンズの画像とほぼ同じであり、画像の微妙な微妙な部分を美しくモニタリングできるのは、アナログのガラスの固まりしかないでしょう。若くて健康なパワーのある人であれば、SDを重たいなどとは決して感じません。私だって若かった時は、カメラが重いなどと思いませんでしたから。私のような中高年と呼ばれる人にとって、FOVEONの「マイクロDP」が欲しいな、と強く感じるのです。

最後に、現在のFOVEONセンサーのままでも、あるいは新設計しても善いのですが、フォーサーズシステムと互換性をもたせたマウントも良いかもしれませんね。SIGMAさんはフォーサーズシステムに賛同している会社なので、思い切って参入する手もあるでしょう。フォーサーズを作っている会社のレンズを取っ替えひっかえ使うのも楽しいでしょうね。
(2010/7/27 記)

SD1の開発に拍手、でも・・

満を持してというか、練りに練ってというか、ついにSIGMA社はプロ写真家が使えるであろうフラッグシップ機SD1を発表しました。正直言って、驚きましたし、SIMGA社の写真とカメラに対する真摯な情熱を感じました。

総画素数約4800万画素、被写体に対面する画素数は3で割って約1600万画素。新設計のAPS-CサイズのX3ダイレクトセンサーになるらしく、従来のSDシリーズより受光素子面積は一回り大きくなります。おそらく、現存の他メーカーカメラの追随を許さぬ、もの凄い高画質の画像を作り出してくれるでしょう。

画素数だけで云えば、現在の1400万画素、被写体対面画素約470万画素で何の不満も感じていない私なので、夢のような気持ちになります。プロ向けとして開発しているので、防塵、防滴もされ、AFの高速化・正確さの向上、外観にマグネシウム合金を使い、乱暴な取り扱いにも耐えるようになっているようです。

気になるのは、せっかく優秀なペンタプリズムを使いながら、像倍率が0.95というのは納得できないかな・・。せめて1.0を目指して発売までに改良できないものでしょうか。大きさもSD14,15に比べると一回り大きくなります。重さは発表されていませんが、おそらく重みを増すでしょう。私のような中高年には、辛い持ち物になりそうな予感です。

デザインについては、人それぞれです。私個人は、SD14が一番好きです。でも、基本的な形は大きく変更になっていないので、あまり拘りはありません。おそらく、SD1を手にしても違和感はないでしょう。デザインは感覚的な要素ですから、使いやすければ、文句を言う対象にはならないものですから。

SD1については、メーカーの迫力とやる気に拍手を送るばかりですが、実際に私がこのプロカメラを常時携帯できるかと云うと、両腕を組んで小首を傾げて考え込んでしまうのです。性能、画質については議論の余地が無いと思いますが、「重い、大きい」というのは、体にきついのですね・・。たぶん買うと思います。が、どの程度使えるか、が問題です。

前回のコラムで、「マイクロDP」が欲しいと書きました。SD1の為に新設計のX3センサーが登場するのですから、このセンサーを思い切ってフォーサーズサイズにカスタマイズしてみてはどうでしょうか。現在のSD14,15よりもセンサーの総面積は小さくなりますが、画素数では増えるかもしれません。少なくとも、減ることはないでしょう。

そうすれば、ミラーレスの超小型一眼カメラができます。しかも、X3という最強のセンサーの威力が遺憾なく発揮できるのではないか、そのように愚考している最中です。もちろん優秀な電子ビューファインダーが付いているということが大前提になります。ペンタプリズムよりは劣るけれど、撮影に支障のないレベルのVFは必需品です。

私のような中高年で体力にだんだん自信がなくなっている人、あるいは足腰に持病や障害がある者には、小さく軽いカメラは、どうしても欲しい物なのです。ただし画質は、妥協出来ない。写真を趣味にする人なら当然でしょう。その両方を上手くバランスを取れるカメラは、X3センサーとミラーレス一眼の組み合わせしかないのではないでしょうか。

今回の私の主張は、「SD1の技術を生かした小型軽量のミラーレス一眼を開発してもらいたい」ということでした。SIGMAさま、どうぞご検討のほど、よろしくお願いいたします。
(2010/10/7)

デジタルカメラの受光素子について考える(その1)

デジタル一眼レフ、一眼カメラには、様々な受光素子があります。CCDとCMOSという素材の違い、それから面積の違いという要素が大きいです。さらに、FOVEON X3とベイヤー型の違い。近頃考えているのは、面積の問題です。話が紛らわしくならないように、CCD、CMOS、FOVEON、ベイヤーの特質、性能などの差については除外して、純粋にセンサー面積についてだけ素人の考えを書いてみたいと思います。

私は、ハイアマチュアの写真愛好家の方々と交流する機会があります。ベテランで写真の知識も十分ある人たちですが、最初はAPS-Cサイズのカメラから入る場合が多いようです。デジタルカメラに慣れてくるにしたがって、「フルサイズ(35mm判)が欲しい」、と思うようになり、実際に購入へと発展するとのことです。

35mm判サイズのセンサーを搭載したカメラは、画素数が2000〜2400万くらいあり、値段が高価なことはもちろん、フィルム時代には考えられないような大きさと重さを誇ります。さらに装着するレンズは、デジタル対応になってから、どんどん巨大化しているように見受けられます。少なくとも、軽くはなっていないでしょう。

私の疑問は、「デジタルカメラには、本当に35mm判の受光センサーが必要なのか」ということです。ただし、コマーシャル写真、超大伸ばしを前提とするような、特殊な分野での使用目的を対象としたカメラは除外して考えます。最近は、中判サイズのびっくりするような画素数のカメラがありますが、考慮の対象から外します。フツーの一眼カメラです。

センサーサイズを大雑把にあげると、一番大きなものが35mm判、ついでAPS-Cサイズ、4/3(フォーサーズ)となります。数の上では、APS-Cサイズとそれに近いものが一番多いでしょう。4/3サイズは、未だに大注目されているとは云い難い存在ですが、オリンパスとPanasonicの頑張りもあり、目を向ける人が増えつつあるようです。

高画質が期待できるのは、もちろんサイズの大きい35mm判です。センサー上に並べる一個一個の画素の面積も大きくできますし、総画素数が多いので、高解像・高精細の色再現が容易に可能です。理屈と理論の上ではそうなのですが、欠点もあります。フィルムカメラよりも構造が複雑になるデジタルカメラは、大きく重くなるという宿命から逃れられないのです。それだけではありません、レンズの方も大きく重くなりますし、もっと深刻な問題を抱えているのです。

以下、レンズの話です。フィルムが画像形成する時代は、レンズの性能についても、割合のんびりとしていました。理由は、フィルムが半導体受光素子ではないからです。フィルムは、「概ね平面である」と考えて差し支え無いものでした。フィルムをカメラに装填した時の平面性を話題にする専門家もいましたが、「平らだ」という前提でレンズも設計されていたはずです。光学収差を除去する努力は続いていましたが、デジタル時代とはやや趣の異なるものでした。

デジタルカメラが登場してから、各メーカーが既存のレンズを矢継ぎ早に「デジタル対応化」し始めたのをご存知だと思います。では、「デジタル対応」とは何なのか。簡単に云えば、受光素子に向かう光の束を「素子に対して直角に進行するように改善した」ということなのです。では、何故そのような改善、改良をしなければならないのか。

「受光素子は、決して平らではない」というのが、その理由です。センサーの一つ一つは、方形の額縁に囲まれたような形状になっています。センサー面は、額縁より極々わずか奥に引っ込んでいます。そのような物を1000万個から2000万個も並べてあるのですから、センサー全体は「決して平面ではない」という理屈になります。概ね平面でしょう、とアバウトに云えたフィルムとの決定的な違いがあるのです。

フィルム時代のレンズは、光束が直進していなくて、やや斜めから入射していても画質への影響はほぼ皆無でした。しかし、デジタルの受光素子では、斜めから進行してくる光束は、小さなセンサーを囲んでいる額縁の部分に跳ね返されたり、有らぬ場所に干渉波を生じたりします。光が波でもあることは、物理の常識となっています。つまり、平らでない受光センサーに対して、直進の光束を提供しなければならないという、極めて厳しい条件が求められています。

これが出来ないレンズでは、とくにベイヤー型のセンサーは、正しい色再現が難しく、偽色やノイズが発生します。解像度も満足な結果を得られないでしょう。以前にmaroさんが仰っていましたが、レンズの性能が大きな問題であり、デジタルカメラの登場でレンズ設計上のハードルがかなり高くなったのです。結論は、「デジタルカメラには、優秀なレンズが必須である」ということです。

という訳で、レンズの話は一段落しますが、本題はこれからなのです。
(2010/12/13)

デジタルカメラの受光素子について考える(その2) new

前回の続きを年内に書こうと思っていましたが、月日は遠慮会釈なく流れて行きます。もたついている間に年が明け、すでに2011年です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

話の続きです。デジタルカメラの受光素子は、画像を形成するという意味ではフィルムと変わるところはありません。が、そのシステムはまるで異質のものです。したがって、フィルム時代と同じ感覚で受光センサーを考えるのはとんでもなく筋違いなことなのでは・・
。フィルムの画質とか面積・サイズなどの概念から、いったん自由になる必要があります。

(その1)で述べたように、CCDやCMOSがレンズに求める光学性能のハードルは非常に高いものです。性能の良いレンズを作るにはどうしてもレンズの配置や素材を贅沢にしなければなりません。さらに、イメージサークルも受光素子のサイズぎりぎりにするよりは、少し大きめにした方が画質の安定には効果があるでしょう。

フィルムの35mm判サイズに合わせようとすると、前回述べたように、レンズの大きさ、重さ共に、従来の35mm判一眼レフよりも大きくなってしまいます。少なくとも私が知る限り、フィルム時代より小さくなったレンズを知りません。手振れ補正などの新しい技術が導入されたこともありますが、やはりレンズは大きく・重くなったと感じます。

さらにボディの方も徐々に肥満化していますので、一部の小型カメラを除けば、デジタルカメラシステムは「人間への肉体的負担を大きくしている」と云わざるを得ません。私のような高齢者に入りつつある者、あるいはもっと高齢者、さらに障害のある者にとっては、非常に辛いのです。この辺りは、個人的な事情もありますが、私だけが感じていることではないと思っています。若者には切実ではないかもしれませんけれど・・・。

「デジタルカメラには、本当に35mm判の受光センサーが必要なのか」と、私は疑問を投げかけました。私は、熟慮の結果、「否」という結論を出さざるを得ませんでした。そもそもフィルムを使わないカメラが、何故フィルムのサイズに執着する必要があるのでしょうか。CCDやCMOSの受光性格に合ったサイズを自由に選択しても良いのではないか・・・。

したがって、レンズも、デジタル受光素子に最適の物を作れば良いのではないか・・。35mm判に縛られながら、不自由な設計を続ける必要性はまったくないのではないでしょうか。大手のメーカーが「フルサイズの受光素子」をプロ用のフラッグシップ機として位置づけている現状を見る限り、こんな意見は犬の遠吠えにすぎないかもしれませんね。

私の感覚では、受光センサー面積はAPS-Cから4/3の間くらいがベストではないか、と思います。理由は、カメラやレンズが無闇に肥大化しない、安定した光学性能のレンズが作り易い、結果価格も低く抑えられる、体力のない女性や高齢者や障害者が無理なく写真を楽しめる、などです。考えてみてください。我らがSD14はAPS-Cサイズよりも小さなセンサーサイズで、被写体対向の画素数は470万でありながら、まったく劣らない(むしろ高画質)画像を作り出しています。

遠くない時期に発売になるSD1は、APS-Cサイズのセンサーです。個人的には、これ以上センサーサイズを大きくする必要はまったくないと思います。これはプロ用機、シグマのフラッグシップ機ですから、是非是非この予告通りに完成、発売してくれることを願っています。かく言う私も、きっと購入するでしょう。

さて、APS-Cサイズの面積は、約370(23.7×15.6)平方mm。4/3は、約225平方mm(17.3×13.0)の大きさ。面積比は、4/3を1とすると、APS-Cはその1.64倍という計算になります。仮に、SD1のセンサー(APS-Cサイズ)を単純に4/3サイズにすると、その被写体対面の画素数は、970万画素となります。何と何と、SD14の倍にもなるのです。SD14の画質に不満のない人であれば、願ったりかなったりではないでしょうか。

前々回のコラムで「SD1の技術を生かした小型軽量のミラーレス一眼を開発してもらいたい」と書きましたが、センサー面積の問題を考えていくと、巡り巡りしてこの結論に近づいてしまいます。論理的には大きなセンサーの方が高画質の画像を得ることができますが、何事もほどほどと云うものです。私たちがフツーに使うカメラは、無闇に大きなサイズのセンサーは必要ないと云いたいのです。皆さまはどのようにお考えでしょうか・・・。

画素数については、私の経験から、600万画素から800万画素あれば十分であろうと判断しています。センサーにはFOVEONタイプとベイヤー型がありますけれど、ベイヤー型でもこれで十分です。概ね半切から全紙サイズまでプリントできます。画素数が少ないと不安だと云う人もいらっしゃるでしょう。また、大型プリンターで全紙の二倍、三倍まで伸ばしたいという人もいるでしょう。

そういう場合は、大伸ばしが可能なように上手に(巧みに)ピクセル補間をしてくれるソフトもあります。
余程特殊な撮影をするのでない限り、2000万画素も必要ではないと、私は思っています。
(2011/1/7)