<”これでいいのだ!” Live at 学芸大学 珈琲美学>

(里見紀子、宮野弘紀、井上ゆかり)

2009.9.4.(金) ”これでいいのだ!” Live at 学芸大学 珈琲美学
里見紀子(Vl)、宮野弘紀(G)、井上ゆかり(P)

そろそろProject N.じゃない里見さんも観てみたいなぁ。
井上ゆかりさんのピアノもちょっと聴いていなかったなぁ。
と思って調べてみると、ギターの宮野弘紀さんとのライブがあった。

宮野さんはギターを弾いている方には、その存在は知られている方。
私も名前は知っていましたよ。
ギター雑誌にアルバムのこととか載っていたり、TVで観ていましたので。

ということで、週末の会社帰りに学芸大学駅降りて数分の珈琲美学へ。

入ると、お店の人に「お名前は?」と聞かれ、「予約していないです。」と話すと、案内されたところは、ステージ横の末席。
そう、予約が一杯だった...
早めに着いたつもりでも、既に半分の席は埋められている状態。
でも入れたから良かった。
初めての場所なので、そううまくは行きませんな(笑)

珈琲とピザを注文して食事を済ませて、さて、ライブです。
(注)曲名が違っていたらすみません(_●_)


この日は2部構成。
まず、「フーリオ」。
木漏れ日の移ろいを浴びるように互いの音を重ね合わせていく。
アフリカをテーマにした曲だそうです(_●_)
ここでボサノバの曲を披露。
これがボサノバのギターなんだね(笑)
そのリズム、抑揚に自分のギター少年の心が陶酔していました。
「Do you know what it means to miss New Orleans」。
フレーズでどんどん煽ってくる。
私は楽しくって笑いっぱなし。
周りを見ると、みんな不動で聴いている...
ということでなるべく静かにしておりました。
すると、「今日はみんな静かですよね」とミュージシャン側から話が...
続いて「ディアボロ」。
ボサノバでも今度はゆったりした明るい曲。
宮野さんのギターが緩やかな時の流れを刻むと里見さんと井上さんが情景を映し出す。
井上さんにソロが回ったところで、里見さんが弦を弾いてリズムを取る。
井上さんのピアノの演奏はダイレクトに伝わってくるんだよね。
そして里見さんの陽射しの暖かさを感じるフレーズが絡む。
1stステージ最後に、ユニット名と同じタイトル曲、「これでいいのだ!」 を演奏。
タンゴの曲です。
この曲の最初で井上さんはピアニカでを演奏。
里見さんと井上さんのシンクロしたフレーズは聴いていて興味深かった。
複音の奏でられるピアニカと単音で紡ぐヴァイオリン。
あと、宮野さんと里見さんのリズムの刻みも。
そしてお互いにインスパイアされながら繰り広げられるフレーズの嵐。
宮野さんのフレーズにはビックリ。
息を呑んだね。
ここで1部終了。


ちょっと押して始まったので、休憩時間を短くして2ndステージが始まりました。

2ndステージは、「フーリオ No.2」から。
1stステージの「フーリオ」より、丘の上に上がって風を受けている感じの曲でした。
ここからはどんどん素敵なフレーズが目白押しです。
その後も「Chan's Song」、「黒いオルフェ」、「Once Upon a Summertime」と曲調、リズムの違う楽曲を披露。
里見さんの奏でる雅な音、芯の強い井上さんのピアノ。
宮野さんのレスポンスの速さと、他の方のソロに絡ませるフレーズは気持ちが頗る高揚しました。
最後に、井上ゆかりさんの曲、「El Capitan」。
これが秀逸。
フリークライマーの平山ユージさんの映像作品のために作られた曲。
自然と対峙するような、3人の非常にスリリングな演奏に魅入ってました。
アンコールでは宮野さんの潤いを感じさせる曲、「水晶宮」を披露してこの日のライブは終了。


うん、この3人での演奏は私には以外で楽しい。
相性というか、3人がテーマを持ち合いながら、適度に干渉して音で遊んでいる様まで見て取れる。
ジャズのライブを沢山観ているわけではないし、曲を沢山知っているわけではないのですが、このユニット、他のユニットでは味わえないのかも。
なにせ各人から繰り出されるフレーズの個性が際立つんだ。
陰と陽の揺らめきを滑らかに奏でていく演奏は、このユニットの個性だと思います。
一人の演奏を観ていても、互いに触発されていく様を観ていても楽しい。
曲の色彩の移ろい、時の流れを感じながら、くつろぎながら聴くもよし、じっくり聴き入るもよし。
で、ユニット名が「これでいいのだ!」だからね。
そしてタイトル曲も既にある。
参っちゃうよね(笑)


この日のお客さんのほとんどは一様に背筋正して聴いていた。
コンサートホールでクラシックの演奏聴いているみたい。
私は末席なので、この状況では楽しませていただいているフレーズでも、笑いは抑えてにやつくのが精一杯。
(ちょっと声が出てましたけど...)
体を揺らしながら聴いておりました。
次回はもうちょっと弾けます(笑)


里見紀子さんのHPはこちら
宮野弘紀さんのHPはこちら
井上ゆかりさんのHPはこちら
珈琲美学のHPはこちら


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