<沢登秀信、CARL Live at 鶯谷 What's Up>

沢登秀信(Vo, G)
CARL(Vo, G)

2008.06.13.(金) 沢登秀信、CARL Live at 鶯谷 What's Up

沢登氏(以下、ヒデさん)のライブは前回はレコ発ライブということで、バンドの演奏を聴いた。
そして4ヶ月ぶりとなった鶯谷 What's Up。
扉を開けると、リハの最後でした。
今回は出演者がヒデさん、CARLと2人でしたので、いつもより遅めのスタートだったので間に合いました。
お二人に挨拶、談笑してしばしスタートを待つ。

まず、CARLのステージです。
CARLはスタート間際、ヘッドにつけたオリジナルピックが裏だったことに気づき表に直す。
見るとカポだって「CARL」の文字。
発信する気持ちがビンビンですよ。
まず、「壊れた歯車(曲名不明)」から。
この曲の歌詞に一発でやられた。
自分自身の葛藤をメジャーコードで彷徨わせている。
最近新曲としてこういった歌を聴くことはほとんどないんだよね。
このワクワク感、待ってました。
そして定番「ろくろっ首」の後、「八方美人」。
これも参りました。CARLにしか書けないね。
次にホームレスの人を綴った歌では、力強くストロークを打ちながら演奏する。

ここでMCでライブや、出演したVシネマの宣伝をして、オリジナル曲、「ダイナ」。
CARLの本業。エロティシズムな言葉を紡いで表現したら他の人は歌えないでしょ(笑)
そして「骨だけの魚」
CARLの代表曲、「のっぺらぼう」、「遠隔操作サル」に続き、「本末転倒」ではギター演奏の表現に一段と幅を持たせたCARLの新境地が垣間見れました。
おなじみの「nine」の後、「7番目の灯り」、「通販江戸幕府」を披露して終了。
自分の葛藤、感情の振れを歌詞に想いを込めて歌うCARL。
CARLの言葉が私の心の琴線を思い切り揺さぶってくれた。

CARLが自分の気持ちを曝け出すことを決めてから、自身のスタイルを模索していた日々から聴いている。
ギターに関しても興味深いんだ。
基本が発信したい気持ちから始めているから、テクニックとかを勉強して来たのではなく、ライブをしながら確立していった弾き方。
これが普通のギター好きでは演奏しないであろう弾き方をするんだよ。
これ結構難しい弾き方なんだ。
それを普通に弾けちゃうところに凄みを感じるんだ。
そして歌にも迫力が増していました。

ヒデさんの歌が好きで歌うこと始めたCARL。
ヒデノビズムも継承しながら、前回のライブでCARL自身のスタイルが確立したことを確認し、この日さらに突き進んでいく様を垣間見れた。
これからも楽しみです。


しばしの休憩の後、ヒデさんのライブがスタート。
一見さんもいたので、最初はカバー曲「Cotton Fields」、「おぉ、スザンナ」からスタート。
場も暖まり、ここからはオリジナル曲です。
6月ですから「つつじ祭りの歌」から。
梅雨の湿った空気感を伴いながら「世界中の鳩に」でヒデさんの世界に引きずり込む。
「私の中ではもう梅雨明けしました」と、朝もやのイメージをギターで爪弾きながら「昆虫採集」と続く。
ここでCARLに捧げた曲でお客さんを楽しませた後ヒデノビズムの世界へ一気に畳み掛ける。
「いい男、いい女」、「カラーの花」と男のバチバチした感情を巡らせる。
続いて夏の歌「ほたるの風」、「ほうてくの夏」と続く。
ここでお客さんに参加してもらって「黄色い帽子の愛の歌」を披露。
ここから怒涛の定番曲の披露です。
曲を知っているお客さんにはどんどん歌ってくれと囃し立て、「ハレー彗星」、「金魚鉢をのぞけ」、「ベル」、「ふた」、「東京パラノイア」、「強引にMy Way」と立て続けに演奏。
CARLも手伝ってお客さん揃って大合唱。
途中で入ってきたカップルのお客さんにむけてMCをしながら次の曲紹介をして「やまなしへ帰れし」を演奏。
演奏後にMCで、「ではお二人の会話をどうぞ」とつれない素振りを見せつつ、カップルのお客さんの気をそのまま掴んでいる。
その様にお客さんはどんどん引きずり込まれていく。
ここらへんが昔と変わっていない(笑)
ここでライブ前に他のお客さんからのリクエスト曲、「すみれの歌」を演奏。
最後にみんなで一緒に歌える曲ということで「Stand By Me」をみんなで歌ってこの日のライブは終了。


2時間近くのヒデさんのぶっ通しのライブは久しぶりです。
全19曲、お疲れさんです。
(2ステージ30曲近くってことが昔ありました)
梅雨時期〜夏の歌を中心に久々の曲をたくさん披露してくれました。
アルバムで聴ける曲、ライブでしか聴けない曲、新旧織り交ぜての贅沢なライブでした。
そして、歌にギターに一段と切れていて、パワーアップしていました。


ヒデさんのライブを観に行くことは、自分の音楽を聴く姿勢の原点を見つめなおすことにもなっている。
「オリジナリティのある歌・演奏・パフォーマンスとは」ということを軌道修正する。
そしてWhat's UPではCARLが共演することが多いので、同じ音楽に共感したCARLの演奏は良い刺激になるんだ。
二人の音楽は個性バチバチ火花散っていますよ。
ヒデさんはアルバムを発売したこともあって、次のステップを模索する時期に入った。
「既にライブで披露している曲の中でアルバムに収録されていないものは...だね」とかちょっと話した。
「そろそろ原点に戻ってみては」と私は感じてます。
それはCARLの演奏を観てるからかもしれないけれど、自分のベクトルを自分の気持ちで動かせる時期に来たのではと感じるんだ。
このことは、この日のライブで選曲した歌をみても、本人が一番感じているだろうね。
どんな展開になるか...それを楽しみにしてます。

P.S.ヒデさん、オリジナル曲のリクエストを求められたら私はいくらでも出てきますよ(笑)


沢登秀信氏のHPはこちら (歌詞、試聴はこちらから ⇒
CARLのHPはこちら
What's UpのHPはこちら


CARL(Vo, G)









「のっぺらぼう」でのパフォーマンスショット!
沢登秀信(G, Vo)











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