<American Roots Music Festival VOL.10 Live at THUMBS UP>

Mooney(Vo,G)
(他の模様は下にあります)

2006.11.10.(金) American Roots Music Festival VOL.10 Live at THUMBS UP
<出演ミュージシャン>
Mooney&hisLuckyRhythm(MOONEY/YANCY/椎野恭一/菅野"SPEEDY"良平/高木克/曽我清隆/安藤健二郎)、
KANSAS CITY BAND、Kotez&Yancy、the HOTRODCATS、GYPSY VAGABONZ

「American Roots Music Festival」と題して10回目。
こんな記念すべき日に近くで仕事していたもんで帰りがけに寄り道、THUMBS UPへ。
恥ずかしながらTHUMBS UPは初めてでした。

演奏が始まる40分前ぐらいに到着。
入ってみると、 ステージを囲むようにすり鉢状に客席がある。
既にちらほらとテーブル席が埋まり始めたところ。
こりゃいい。どこにいてもステージが良く眺められる。
最初一人だったので末席の通路伝いに座ったのですが、知り合いに発見されました。
「他にも来るからもっと前へ行こう」と誘われながら前のテーブル席へ。
近いね。

この日は5バンド。聴いたことがあるのは「KANSAS CITY BAND」と「Mooney&hisLuckyRhythm」。
でも、「Mooney&hisLuckyRhythm」はオリジナル・メンバーで聴くことはなかったし。
始まる前から期待しちゃってました。

始まりは「Kotez&Yancy」から。
既に満員御礼の観客の前にYancyがピアノの前に座り、Yancyのソロ「Handful Of Keys」から始まった。
力強くリズミカルに弾くピアノには圧巻です。歌を歌うとメロウな歌声のYancy。
そしてソウルフルなブルースハープ、「どこまで行くのかっ」ってのKotezさん。
ハイトーンなボーカル、バラードを歌われちゃうと胸がキューンッとして、また酔いしれますね。
二人でバラードやれば、観客皆ウットリだし、ラグタイムやれば「線路は続くよどこまでも」じゃなくて、「線路は続くよどこまで行っても」と一緒に連れて行かれちゃう。
最後に「I Want You By My Side」を日本語で披露。

次に「GYPSY VAGABONZ」。
見た目でもジプシーの香りがする出で立ち。
ジプシー・スウィングを元にカバー、「いたずら仔猫のワルツ」、「ユーモア」など、オリジナル曲も披露。
切ないジプシー・ギター(?)の音色に小悪魔チックな歌声&演出。
オリジナルの歌詞も切ないサウンドにボーカルの葛西さんのイメージにマッチする仕上がりになっていて、心憎い。
サウンドは昭和のポップスでも聴いた感じがあるのだが、ここまでこだわっているところが新鮮。
リズミカルな曲では自然と手拍子が出るぐらい、既に観客の心を掴んでおりました。
バンドを組んで一年かぁ。
どんどん租借して、日本人のサウンドにして欲しいです。
また、新たな試みをしているミュージシャンに出会えてしまった。

そして、「KANSAS CITY BAND」の登場。
曲が始まった瞬間、その出音に圧倒されてしまうバンドというのは、もう楽しむしかないね。
それが「KANSAS CITY BAND」。
それに下田さんが日本語の歌詞で楽しませてくれるんだ。
しゃがれた声、厚みのあるトランペットの音、苦笑い、薄ら笑いできる歌詞も絶妙な、気さくな兄貴の下田さん。
洒落たフレーズからガツンと叩いたり、ぶっちぎりラグタイムまで聴かせるピアノ弾き、小林さん。
渋いテナーサックスでメロメロフレーズ、上野さん。
小気味の良いスウィングを叩いてくれる大沢さん(ハットの刻み、気持ちいい)。
そして今回、サポートとしてバンバンバザールの黒川さんも、
この面子で演奏すると、決めが「ドスン!」と落ちてくれる。
ニヒルな大人の余裕があるんだ。カッコいいぜ!
この日の曲は、「ほったらかしブギー」、「モイスチャー・ガール」、「Sweet Georgia Brown」、「26インチ・ブギ」など、このバンドならではぶっ飛びサウンド満載でした。
来年2月にはニュー・アルバムも出るということで、待ち遠しいね。

次に「the HOTRODCATS」 。
ロカビリーのバンドを観るのはこれが初めて。
この一拍目の音の感じは何なんだ!
「ドン!」とくるリズム。
ブンブンブンブン、SPEEDYのアップライト・ベースにDICEのスタンディング・ドラムであんな「ドン!」とくるリズムになるんだなぁ。
ギターのBUTCHIEさんには釘付けになっちゃったよ。あの粒立ちの良いギター。
他の人が同じフレーズ弾いたって、あんなカッコいい音になんないんだよな。
そしてヴォーカルの捲くし立てるような歌い方。
「ホットロッド使い」、「EDSEL '58」、「退屈させない '51 MERCURY」など、オリジナルも疾走感あって、迂闊にしていると吹っ飛ばされるサウンドに持って行かれちゃった。
空いたスペースには、観客がたまらずあちこちで踊っている状態だったよ。

最後にMooneyさん率いる「Mooney&hisLuckyRhythm」の登場。
場は4バンドの演奏で既に熱くなっちゃっている状態。
でもMooneyさんの一声で演奏が始まっちゃうともうLuckyRyythmの色に染めちゃうのね。
二曲終了後、サプライズ!!
YANCYに内緒で、二日前のBirthdayを観客と一緒に祝いました。
「Happy Birthday」をみんなで歌ったんだけれど、会場のみんなの歌声でいっぱいでした。
「Mooney&hisLuckyRhythm」のサウンドは、ビッグバンドを人数少なくしながらも、クレイジーなトッピングが随所にあるサウンド。
SPEEDYのズシズシくるアップライトベース。
それに演奏しているときの笑顔がたまんないんだ。
YANCYのどこまでも連れて行ってくれるようなピアノ。
椎野さんのドラム。スネアとハットの絡み、ドスンとくるベードラ。
(あのスネアの音、気持ちいいなぁ)
高木さんのギシギシ、ジョワワワなスティールギター。
こんなスティールギターの弾き方、聴いたことない。
曽我さんのペットの音はルイ・アームストロングなどのビッグバンドで聴き馴染みのある管のあの「かすれた」音を聴かせてくれる。
ANDYのブルージィなテナー・サックスにクラリネット。
そして「言わずもがな」なMooneyさんの歌&ギター。
Mooneyさんでないとできないのね、あのクレイジーさは。
この日は「I'm gonna crazy about my baby」 、「Keeping out of mischief now」、「30days」、「Harem Punch」、「天にまかせろ」、「ジョイント is jupin'」、「Jump jive an' Wail」などを披露。
今、こんなサウンド海外じゃ聴けないんじゃないの?
まず、こんな編成で演奏することはないだろうし、各自個性的な演奏だし。
(ビッグバンドにアップライトベースにスティールギターなんて入ってたのかなぁ)
「Mooney&hisLuckyRhythm」はTHUMBS UPで聴くのが一番かもしれないね。
ブーミーな感じが騒ぐには最高で、ゾクゾクさせる箱です。
ということで、最後のアンコールは終電のため聴けなかった。(残念!!)

「American Roots Music」をキーにこれだけ趣向の違うバンドが集まった。
根っこにアメリカンルーツがあるんだね。
それで、その時代のサウンドが好きな人にとって、他のバンドにも惹かれちゃう。
こんなイベントに足を運べて幸せものだなぁ。
まだまだ続いていくよ。

(ハイ、長文でした)

【LINK】
Mooney
Kotez
Yancy
GYPSY VAGABONZ
KANSAS CITY BAND
曽我清隆
安藤健二郎
THUMBS UP


Kotez&Yancy
Kotez(Vo, Harp)、Yancy(Vo, P)

GYPSY VAGABONZ
葛西秀子(Vo, Flu)、大西孝旺(G)、加勢明(G)、藤田理登(B)




KANSAS CITY BAND
下田卓(Vo, Tp)、上野まこと(Ts)、小林創(P)、大沢公則(Dr)、
サポート:黒川修(B) by BAN BAN BAZAR






the HOTRODCATS
KOROSKE(Vo, G)、BUTCHIE(G, Vo)、SPEEDY(B, Vo)、DICE(Dr)





Mooney&hisLuckyRhythm
MOONEY(Vo, G)、YANCY(P)、椎野恭一(Dr)、菅野"SPEEDY"良平(B)、
高木克(Steel G)、曽我清隆(Tp)、安藤健二郎(Sax, Cl)





この日はYancyの2日先走ったBirthday!




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