<Project N. Special Live at Blues Allay Japan>

(里見紀子 ヴァイオリン サミットV)

2006.1.23.(月) Project N. Special Live at Blues Allay Japan

今回は伊太地山伝兵衛さんの弦楽団、「伊太地山弦楽団」で第一ヴァイオリンを演奏する里見紀子さん率いる「Project N.」のSpecial Liveのレポートです。

「ヴァイオリン サミットV」と題して、ゲストに中西俊博(vln)、定村史朗(vln)といったヴァイオリニストが3人の豪勢なライブでした。

Project N.のメンバーは、以下の通り。
 ・里見紀子(Vln)、今泉正明(p) 、生沼邦夫(b)、大槻”カルタ”英宣(ds)

里見さんは、伊太地山弦楽団で観て以来、そのヴァイオリンの音に魅せられてしまったのです。
生音を聴くと、脳の血流までが息づくのが感じられるくらい響いてしまいます。

そんなことを体験した小生にとって、Specialな今回のライブ。
いやぁ〜、楽しすぎて自分だけ羽目をはずしそうな気分でした。

ヴァイオリニストの三人三様の弾き方が存分に楽しめた一日でした。
あんなに音の出し方、弾き方が違うとは思ってもみませんでした。
同じフレーズを弾いているときの弓の動き方がぜんぜん違うところなんか見ていて最高でしたよ。
alfieでの「Project N.」を聴いていた小生にとっては、「Project N.+ゲスト」といった形態としても楽しめました。

また、曲が多種にわたっていたので、どう攻略していくのかがまた面白かった。

三人のヴァイオリニストの私の印象ですが...

・中西さん
直線的なイメージ、「出すときには出す、切るときには切る」といったフレーズで、軽快。
見た目の印象と同じなので、それだけでも楽しい。
軽やかなリズムが奏でられると、うずうずして我慢できない。
本人もイヴェントとして楽しんでいたのかな、と。
弾き方は手首の返しがほとんどない。 命名、エコロジーヴァイオリニスト。

・定村さん
引き出しがいっぱいありそうで、ロックやヒュージョンとかその他もろもろ...
マントを着て「まだ、あるよ」といった、「腹に一物持った」フレーズといった感じ。
アンコールの「マーシー・マーシー・マーシー」が、他の二人にはない一面を覗かせてくれて、一番印象的でした。
弾き方は、「弓を当てる」というより「弦を削る」といったイメージ。
他の二人よりも鋭角に入っている感じがしました。
定村さんはヴァイオリンにワウを使います。アルバムに「UK」を弾いていたことが書いてあったので、「なるほど」と。
ジャズを聴くというよりはジャズミュージシャンをバックにロックやヒュージョンを聴いている感じでした。
(アルバムに「UK」の曲をよく弾いていたと書いてあったので、「なるほど」と。)

・里見さん
「雅」ですね。
手首の返しを使って、音が歌を歌っているように弾く。
音符に対して弾ききる。というか、余韻を大事にする人だなぁと感じました。
それと、音色にも配慮されているな、と。
私の耳に一番馴染んでいます。

また、バンドのメンバーも懐が深い。
今回は中西さんとカルタさんが「トムとジェリー」みたいにやり合っている様を見ていて、思わず笑いが出そうでした。

カルタさんはalfieの時の、「やんちゃでお茶目」な印象を再認識しました。正に変幻自在!!

今泉さんは、自分の泣き所をつかれているみたいで怖いぐらいです。
また、Rhodesの演奏が聴けたのも、今回のライブの収穫です。もうカッコいいの一言です。

生沼さんは、クールで硬派。

この日に演奏した曲は、(思い出せる限りですが...)
  ・ FLY ME TO THE MOON
  ・ボサノヴァ(ジョアン・ジルベルトの曲)
  ・トルコ風サンバ
  ・TUTU
  ・ブレッカー・ブラザーズの曲
  ・マーシー・マーシー・マーシー
  ・MOOD INDIGO

ライブ終了後、伝兵衛さんを発見。
新年のご挨拶とちょっとした会話をして、二人で会場を後にしました。

とにかく、「伝兵衛弦楽団」で里見さんを見て以来、ヴァイオリンの音色の虜になっている私にとって「ブラボー!!」な一日でした。


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