アメリカでの生活


Last Update: 11/18/2002

このページではアメリカでの生活について少しコメントします。ちゃんとしたガイドを目指したものではありませんし、システマティックにまとめられてもいません。(食事編が妙に長いです。もっとも外国滞在で、食事はかなめですが)アメリカで生活した感想です。他の部分よりも役に立たないと思います。


大学でのパーソナル・ライフ

 

 アメリカの大学は一つの町のようなもので、さまざまな施設があります。劇場があったり、いろいろなスポーツ・ゲームがあったり、ただ同然かただの映画館もあります。バーやボーリング場・ビリヤード場もありました。決して学業ばかりで、徹夜続きになるわけではありません。旅行も日本に比べるとはるかに安く、特に車での旅行は安上がりなので積極的に旅行もしましょう。アメリカの生活というと知らないことも多く、心配かもしれません。しかし住んでいれば日本に住むのと同じで、次第に慣れてくるものです。(特にアメリカは馴染みのない外国と比べると楽でしょう)

 また英語が心配だったり、外国人の友人ができるかどうか心配な人もいるかもしれません。これもやはり実際にやってみると、たいしたことではありません。気の合わない日本人といるより、気の合う外国の友人とつきあう方が楽しくなってくるものです。(一つのお勧めは、同じ英語が不自由な外国人と仲良くなることです。特に中国系の人とは漢字を通して筆談もできるので便利です。)月並みですが、友人ができるかどうかは要は自分の話す内容次第でしょう。英語のうまい下手はあまり関係しません。それに大学の学生・研究者達は、やはり頭も良く、こちらが言おうとすることを推測してくれたり、本来あるべき発音を想像で補ってくれます。それに我慢強い人も多いようです。そういうわけで、私の一番の親友はアメリカ人でしたが、私の英語は結局ちっともうまくなりませんでした。また、ちまたの「普通」の人と会話すると、発音が下手で通じないことも間々あります。

 


生活費

 

 自炊するのならただに等しいです。ユーティリティ(電話・電気・ガス)を含めて $200 程度で生活できました。野菜などもほとんどただ同然です。確かリンゴが1個10〜20セント程度(当時)だったと思います。一度の買い物で、 $50 も使えば2週間暮らせました。

 自炊が面倒で時間のない時もありますが、そんなときは安くて楽なステーキを焼いたものです。しかし加工品になると、とたんに日本と同じくらいかさらに高くなります。人件費がかかるためでしょう。これはレストランについても当てはまります。安くてうまい店は基本的にはありません。人件費やチップがかかるためです。

 


アメリカの料理はまずいか?

 

 アメリカの料理はまずいとよく言われます。確かに、日本の店の方が日本人の好みを心得ているでしょうが、努力が足りないせいかもしれません。アメリカ旅行の時、安いものばかり食べていませんか?アメリカでは安くてうまいことはありません。ある程度のお金をかければおいしい店はあります。

 また、料理について日本より優れている場合も多いです。第一に、日本で \3000-5000 程度の店では、メニューの内容は似たりよったりです。どこでも似たようなフランス料理が出てきます。しかしアメリカでそのくらい出せば、もっと創意工夫にとんだ料理が出てきます。これ以上の高級店は日本でもアメリカでも行ったことがないので、私には比較はできません。

 第二に、ある種の料理は日本よりずっとおいしいと思います(どうしても凝っていない料理に限られますが・・・)。アメリカに住まなくても旅行するときは、ぜひ試して下さい。

結局のところ、楽しめるかどうかはあなた次第です。よくは知りませんが、料理がまずいことで有名なイギリスでも、伝統のロースト・ビーフはやはりおいしいのではないでしょうか。(両国ともに手が掛かっていない料理の方が、一般においしいのは情けないですが)

 レストランに行ったら、アメリカの料理の常として量は大抵多いので、友達と料理をシェアするようにしましょう。また、最近の日本のウェイトレスはマニュアルがたたき込まれているようですが、アメリカはそうではありません。会話を楽しみつつ食事をしましょう。

チップについて一言: 日本人に面倒な慣習の一つはチップです。どういう場合にチップが必要か、適正な額はいくらかについては様々な説があります。今でもよくわからないのは、ホテルのベッド・メーキングに対してです。常に必要だとか、一泊だけの滞在には不要だとか、モーテルのような安いところでは不要だとかいろいろな説を耳にします。また置く場所についても、よく聞かされる枕の下というのもあれば、それでは置いたものかどうか紛らわしいので封筒か何かに入れるべきだとか、きりがありません。アメリカ人に聞いてもよくわかりません。もちろん、サービスや相手の態度が悪ければ払う必要はありません。

 


アメリカで日本食を作る(初心者用)

 

 アメリカにもおいしいものはあるけど、早かれ遅かれ日本食も食べたくなるでしょう。とは言え、日本食レストランはアメリカではまだまだエキセントリックな高級レストランという位置づけのところがほとんどです。というわけで、日本で自炊をしたことのない人も自炊をせざるを得なくなるでしょう。しかし食材を買う時点で、早くも初心者には辛い問題にいくつか遭遇します。

しかし、コツさえつかめばアメリカで日本食を作るのは簡単です。以下におさえておくべき基本的なポイントをいくつか挙げておきます(この辺のことは、アメリカに少しでも滞在したことのある人なら常識だと思うので、初心者用です。):

  1. どこのスーパーでも手に入る食材を使って、味付けだけ日本食としては大量に流通しているものを使う:例えばカレー・シチューなら、使う野菜もシチュー用の肉もスーパーにあります。カレールーはアジア系マーケットならまずありますし、S&Bのゴールデンカレーならどこのスーパーにもあるでしょう。また麻婆豆腐なら、ひき肉はもちろん簡単に手に入りますし、豆腐もアジア系マーケットなら必ずあります。(地方によっては、スーパーにもおいてあるかもしれません)アジア系マーケットなら、麻婆豆腐の素もたくさん流通しています。下ごしらえも豆腐を切ったりするくらいですむので、初心者向きです。このため麻婆豆腐の素は、アメリカで多くの日本人がお世話になっているようです。これと並んで、日本人の多くがお世話になっていると思われるのがちらし寿司の素です。ちらし寿司の素の日本人一人あたりの消費量の統計を取ったら、日本より相当数字が高くなると思われます。とにかくご飯さえ炊ければできます。
  2. 牛肉ではなく豚肉・鶏肉を使う:牛の薄切りは手に入りにくいので、牛丼は困難でも親子丼なら簡単です。またトンカツに適したさほど厚くない豚肉がスーパーによくあります。牛肉が高かった頃の名残か、日本食には豚肉・鶏肉を使った料理がたくさんあり、アメリカでも簡単に作れます(豚汁、鶏の唐揚げなど)。豚肉をさらに包丁で何枚かにスライスすれば、ある程度薄切りの料理にも使えます(しょうが焼きなど)。これはアメリカにいる日本人が収得せねばならない技術です。
  3. とにかくしょう油と砂糖で味付けする:たとえば肉じゃがのように、牛の薄切りは入手困難でも、ひき肉を使えば十分それらしくなります。
  4. ガスコンロのかわりにオーブンを使う:焼き魚はオーブンで作れますし、豚のみそ漬けなんかも簡単です。
  5. いつも「〜の素」を使わない:たとえば炊き込みご飯を作るのに、炊き込みご飯の素を使う必要はありません。

なお上でも触れましたが、日本食の食材を買うときは、常に賞味期限を確かめてから買うようにしましょう。ただしこれはそんなに簡単なことではありません。法律が違うのか、日本以外で作られた食材には賞味期限が書かれていないことが多いようです。また、日本からの輸入品には賞味期限が書かれていますが、賞味期限が書かれているとおぼしき場所に、しばしば英語のラベルが貼ってあってわからなくしてあります。こんなことが許されるのは、やはり法律か何かの違いでしょうか。そんなわけで、賞味期限が特定できない時は、なるべく回転の良さそうな商品だけを買った方がいいでしょう。

 どうしても自炊するのが面倒な場合は、チャイニーズレストランを使うという手もあります。チャイニーズレストランはアメリカでは普通のレストランとして浸透しており、値段も高くありません。日本と同じメニューもたくさんあるので、オーダーするときもそれほど困りません。ただし、日本と同じメニューだと思って注文すると、とんでもないものが出てくることがあります。日本人の多くが通過儀礼のように経験すると言ってもいいのが、Sweet and Sour Pork です。これを酢豚だと思って注文すると痛い目に遭います。どんな目に遭うのか知りたい人は、注文してみて下さい。私も渡米直後に友人が悲劇にあっているのを見ただけなので詳しくは知りません。

 


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