アメリカの大学院で学びたい人のために


Last Update: 05/01/2002

内容について:

留学についての私の具体的な知識は10年以上前であり、今でも役に立つかどうかは疑わしいので、なるべく一般的なコメント・アドバイスにします。具体的な点はだいぶ変わってきているかもしれません。また、大学院の内容は学科・大学・国ごとに大きく違うので、自分の母校での経験にバイアスがかかっている事をお断りしておきます。あまり役立たない部分も多いですが、大学院生活の雰囲気が伝わればと思います。

留学についての情報は、私が行った頃と比べてもずいぶん手に入りやすくなったようですが、具体的な情報を知りたい人はまずは以下のソースに当たってみるのが作法と言えましょう。

 


アメリカの大学院生活

 

入学してからの主な流れは以下の通りです。


 

詳しい説明は、個々の大学のホームページ・大学案内に詳しいと思うのでそちらも参照して下さい。

 

1.基礎コースの時代


 アメリカの大学では学期制として、セメスター制とクォーター制があります。前者は秋学期と春学期の2学期制、後者は3学期制です。両者とも加えて夏休み中の夏学期もあります。アメリカの大学は夏休みが長いとよく言われますが、実際にはみんな遊んでいるわけではありません。9月入学の学生がほとんどですが、基本的にはどの学期からも入学できます。

 入学しての2年間は、主に基礎的なコースを取ることになります。古典力学/電磁気学/量子力学/統計力学/数学等。大学院のレベルは、当初は日本と比べて高くありません。アメリカでは大学院で専攻を変える事も多いですし、学部のレベルも高くないからです。昨今の日本の学部・大学院もずいぶんとレベルが落ちているようですが、せいぜい日本の学部3−4年生の授業に毛が生えた程度でしょう。

 とは言え、中身は濃いです。電磁気学ならジャクソンを1年で全部カバーしたり、古典力学ならゴールドスタインを半年で全部カバーします。週に1度は各コースともに大量のホームワークが出るので、週のほとんどは徹夜になります。アメリカの教科書にはよく問題集が付いています。あれはなぜかと言うと、ほとんどの問題をホームワークとして解かせるためです。提出するノートは、月に大体50−100ページ分にはなるでしょう。とにかく宿題は多いので、レベルが高くないと言っても書いているだけでそれなりに大変です。全部解ききれるかどうか心配になってくるかもしれませんが、不思議とみんな授業直前までには解き終えることができるようになります。先生にもよりますが、ホームワークは成績評価の 50% 程度のウェイトを占めています。残りの半分は、期末試験等で評価されます。

 とにかく量がアメリカの大学の一つの特徴です。ある文系の友人は、毎学期本棚1−2段分の本を読まされていました。こうやって大量の課題を通して、アメリカの大学院生は次第に日本の大学院生に追いつくようになってきます。

 一部の大学では、理論を専攻する学生は実験のコースを取る必要があります。この実験のコースは、テキサス大学では 8:30-17:00 までの毎日、2ヶ月間続きました(休憩時間はランチの30分だけ)。

 日本の修士課程を出ていたりする場合は、日本の単位を認めてもらって基礎コースの一部をスキップできる場合もあります。

 徹夜が第二の天性になってきたら、そろそろ大学院生活に慣れてきた証拠です。

 

2.Qualifying Exam.


 基礎コースが大体終わると、Qualifying Exam. を受けることになります。これは日本で言えば、修士号審査・博士課程入学試験に相当します。これに合格しないと先には進めません。

 試験の内容は大学によって異なりますが、数日かけて基礎分野の試験と口頭試問を受けさせる大学が多いようです。テキサス大学の場合は、まず基礎コースの平均評価 GPA (Grade Point Average) が B+ 以上、という基準を満たしている必要がありました(そうでない場合は、成績の悪いコースを再度取る)。その上で自分の分野でのオリジナルな研究のセミナーをおこない、セミナー後に専門分野についての口頭試問がありました。パスするためにはある程度の研究結果が必要になるので、試験前までにアドバイザーを探し、研究を始める必要があります(この大学では)。アドバイザー探しは特に肝心なので、別に詳しく書くことにします。

 落ちれば再試験ということになります。セミナーや口頭試問はそれほどシビアなものではありませんが、日本の入試や審査よりはずっとシビアで落ちることもまれではありません(と書くと日本の大学批判になるな)。ひどい学生は徹底的に絞られます。私の知るケースでは(私のことではありません)、セミナー中に試験官が席を立って出ていったり、口頭試問で何時間も絞られていました。

 コースを取る中で、進路を考え直したり就職したりする人も当然いるわけで、この試験は大学院生活での一つの区切りとなります。Qualifying Exam. を受けるかどうかはともかく、ここまでで当初の入学者の半分−2/3程度になります。

 これにめでたく合格すると、Ph.D. Candidate という肩書きを名乗れるようになります。

 

3.研究生活


 週に1〜2度はグループでのセミナーがあります。また、大抵の大学では週に1度コロキアムと呼ばれる学科共通のセミナーがあります。ここではいろいろな専門家が(その分野の)素人向けに解説してくれます。内容は豊富で、物理に限らず工学や文系のテーマのこともあります。また専門分野での講義が手厚いことも、アメリカの大学院の特徴で、こういったコースを引き続き取ったりもします。これは、Ph.D. 取得の条件の一つになっていることもあります。

 研究は、アドバイザーからテーマ/プロジェクトをもらって進める場合が多いです。日本の大学院と比べると手厚いアドバイスをもらえるので、スムースに研究活動を開始できます。(日本の教官は、文字通り桁違いに多い学生を抱えているので、日本では難しいでしょう。)アドバイザーとは週に一度はミーティングを持って、研究状況を報告し合ったりします。とは言え、しばしば邪魔が入ります。先生が会議に出たり、ポスドクや他のスタッフがあなたの先生と議論しに来たりします。議論をしたければ人に邪魔させず、人の邪魔をすることが大事です(もちろん無礼にはならないように)。自分より上の人が来たからと言って、遠慮していてはいけません(もっともテキサスの Theory Group では、ワインバーグが来たときだけは例外とされており、速やかにその場を離れるようにと指導されていました)。また寸暇を見つけて、ところ構わず議論する姿勢が大切です。廊下や移動中など、どこでも構いません。いつ邪魔が入るか分からないので、肝心なことから真っ先に伝えましょう。

 昨今の日本の一流研究室は研究費も多く、学会・研究会等に出かける際、いろいろと学生に補助ができる研究室も多いようです。また研究会から出してもらえることも多いようです。しかしアメリカでは自腹になることがほとんどでしょう。金銭的には日本の一流の研究室はかなり恵まれていて、アメリカと比べても遜色ありません。

 

4.Dissertation


 Ph.D. 取得のために博士論文(Dissertation とか Thesis とか呼ばれる)を書くことは日本と同じです。博士論文審査の試験がある点も同じです(Final Exam. とか呼ばれる)。ここまでたどり着くと、審査は比較的形式的なもので充分なようです。最終的にここにたどり着く数は、入学者の半数程度でしょう。

 日本との大きな違いはフォーマルなものだけです。権利関係等の書類に多数サインする必要があり、提出書類の方が博士論文より厚くなるとしばしば言われます。また、博士論文のフォーマットは厳格に決められており、マージンの幅を物差しで測る係の人もいました。

 これと相前後して、新卒予定者は秋頃から各地の大学にセミナー行脚しはじめます。もちろんポスドクのポジションを得るためです。



アメリカの大学院でもっとも肝心なこと−アドバイザーについて

 

 アメリカ行きを成功させるかどうかは、一にも二にもいいアドバイザーと巡り会えるかどうかにかかっています。アメリカの大学院では日本とは比べものにならないほど、アドバイザーの存在は重要です。しかしいいアドバイザーの下に付けるかどうかは、様々な要因が絡んできます。

 学部を卒業した程度では自分が何をしたくて、どんな先生に付きたいかはっきりしていなくても無理ないでしょう。また、あなたがその分野で実績がない限りは、留学前にある先生の学生になる確約を取りつけるのはまず無理です。外国の学部の成績等は何の判断材料にもならないので(提携を結んでいるような場合以外は)、先生としては結局はその学生が大学院に入ってからの成績・個人的な面談等で見極めるしかありません。

 というわけで、先生を基準として大学院を選ぶとしても、いい先生がいるからある大学院に進む、という程度の選択しかできません。しかし、それでも学生になれるわけではありません。第一に、この場合他の学生(希望者)と競うことになります。第二に、アメリカの先生は2〜3人以上の学生を受け入れることはまれです。すでにそれだけの学生がいる場合は、その年は学生を取らないということも大いにあり得ます。ある先生が学生を受け入れるペースは、平均で2〜3年に一人程度でしょう。いくら優秀であっても、学生として受け入れてもらうには運の部分が大きいです。

 私の師匠の場合は、その年は希望者が少なかったものの、他に3人候補がいました。このうち一人取るか、一人も取らないと言われていました。幸いにして私が学生になれたわけですが、師匠にとっては運が悪かったのかもしれません。次の年は希望者が多くいたものの、すでに3人学生がいるという理由で一人も取りませんでした。その年の希望者の中には、(私よりずっと)優秀な学生が何人もいました。次に学生を取ったのは、私が学生になった3年後でした。

 自分が希望する先生の学生になれなければ、他の先生を探すか、転学するしかありません。アメリカでは転学は珍しくもないことなので、先生としても是非とも学生として取ってあげなくてはこの学生は路頭に迷うとは思ってくれません。このような事情では、そもそも大学院の選びようもないのではないかと思われるかもしれません。それはその通りですが、そもそも当初の決定を最終結果と思いこむ方が間違っています。状況に応じて、身軽に移動することも常に意識しておく必要があります。アメリカの大学院は、大学院生活を通して自分の人生を選択し続けていく場なのです。日本の大学のように、特定の大学に入学することで人生を選択し終えた気分になる場所ではありません。

 アメリカでの学生と先生の関係は密接なものなので、それだけ先生探しはパーソナルなものにならざるを得ません。上に書いたように運も必要ですし、相性や興味の質、考え方に共通するものがあるかどうかなども関係するでしょう。いい友人を得る場合と同じです。いい先生探しにも正攻法はありません。トライアル・アンド・エラーを重ね、個人的にいろいろな先生と接触するしかありません。普通学生は、入学してからの2年の間にいろいろな先生を訪問して歩きます。

 そういう意味で、アメリカの大学院というのはそれなりにリスキーなものです。これは日本人でもアメリカ人でもそうです。アメリカの社会とはそういうものです。しかし、やはりアメリカの社会全体に共通していますが、うまくいけば得られるものも日本とは比べものになりません。

 もっとも、私にしても上に書いたようなことをきちんと認識していたわけではありません。全く認識していなかったと言っても良いくらいです。半分以上は、若気の至りで留学したようなものです。そんなわけで、このコメントもあまり気にしない方がいいかもしれません。いちいち何かを気にしていたら何もできません。何かをやってみたいという気持ちを大切にして下さい。私でさえ、10年もたつと思い切った行動をしようという気持ちが以前ほどはなくなっています。



入学までの準備

 

1.準備のモデル・プラン


準備には意外と時間がかかるので、十分余裕を持って準備を始めましょう。以下に一例を示します(秋学期入学の場合):

 


2.大学院を選ぶ


 一般的に言って、大学院を選ぶ際に大切な点が2つ考えられます。

  1. アドバイザー(先生)
  2. その分野・学科・大学全体のレベル

上で述べたように、留学を考える際に一番肝心なことはアドバイザーだと思いますが、グループ・学科・大学全体のレベルも考慮しておいた方がいいでしょう。いくらある先生につきたいと思っても、その先生の学生になれるかどうかは運なども必要だからです。

 また、どうしてもこの先生につきたいという明確な希望がない場合も、判断基準はやはり学科全体の評価ということになるでしょう。さらに、在学中に興味が変わることもあり得るでしょうし、大学院のはじめの2年間は主に基礎教育に費やされます。そのため、学科全体として優秀であったり、大きな大学院の方がいいかもしれません。大きすぎるところも問題ですが(イリノイ大学とテキサス大学は大きいことで有名)、いい先生がいるからと言っても、あまり名を知られていないところは避けた方が安全でしょう。

 1については、残念ながら自分で先生と何回も会うのが一番有効な方法です。それができない場合は、次善の策はやはりあなたの周りにいるその分野の専門家に聞くことでしょう。これは2についても同様です。

 各大学の雰囲気を知るためのガイド本もいろいろとあるはずです。現在であれば、きっとホームページ上でもあるでしょう。また、全米の学科のランキング表が、さまざまなところから毎年発表されているので、そういったものも参考になるかもしれません。(詳しくは、「アメリカの大学の基礎知識」を参照)

 

3.大学院試験


 アメリカの大学院試験は基本的に

  1. TOEFL
  2. GRE

の2つに分かれます。TOEFL は外国人のための英語試験で GRE が院試です。GRE はさらに全員共通の General Test、学科別の試験 Subject Test に分かれます。物理屋の場合は Physics を受けることになります。どれも出題は多肢選択式です。

 


 GRE は一般にあまり馴染みがないので、簡単に紹介しておきます。General Test は Verbal(国語)− Quantitative(数学)− Analytical(論理能力)のセクションがあります。

Verbal:
GRE はネイティブももちろん受けるので、国語は日本人にとってはかなりの難問です。TOEFL 程度の英語力ではどうにもなりません。でたらめに記入してもまじめに記入しても、点数はほとんど変わらないでしょう。(例えば、ある言葉について同意語・反意語を聞かれたりしますが、そもそも設問・選択肢の言葉の意味も分からないし、辞書を引いてもどれが同意語か分からない)
 
Quantitative:
一方、全分野の人が受けるということで有利なのが数学です。レベルは高校入試数学程度(かそれ以下)で、いやしくも日本の物理学科を出た人間なら満点を取れないと恥です(もっとも TOEFL/GRE ともに点数は偏差値なので、間違いがなくても満点を取れないこともあります)。最も高度な知識が、指数・対数関数程度でした。
 
Analytical:
一風変わったテストで、何と言うか頭の体操のようなテストです。私の頃はまだ何年もかけての本採用に向けてのテスト段階で、実際に選考段階では加味されないセクションでした。
 
Subject Test:
内容はさほど高度ではないですが、設問数は多く時間に注意しないと、制限時間でお終いまでいけないかもしれません。また問題は多様で、その辺の教科書には載っていないようなことについても聞かれます。(選択式なので、少し考えれば答えは分かるようなものが多いですが)出題分野は、基本的には大学初年級の物理全般です。つまり、力学/電磁気学の初歩(静電場・静磁場・電気回路等)/量子力学の初歩/波動/幾何光学/熱力学などだったと思います。


 TOEFL は毎月、GRE は2ヶ月に一度実施されていました(注:最近の情勢1)。もちろん、どちらも日本国内で受けることができます。ただそもそも外国人向けのTOEFL と違い、GRE の実施会場はあまり多くはありませんでした。日本での GRE 会場は米軍基地が多かったようで、私は米軍三沢基地で受けました。これは、そもそも海外の米軍基地に勤める人達が、帰国後大学院で学べるようにするために実施されていたからです(私がテストを受けた時は、受験生の半数が米軍関係者でした)。

 どちらのテストも複数回受けることができ、TOEFL はスコアの良い回だけを選んで大学に提出できます。このような事情もありテストは入学の最低1年前から受け始めた方がいいでしょう。

 試験以外に、以下の requirement があります(テキサス大学の場合(当時)):

エッセーとは、小論文のようなもので内容は自由ですが、大抵は自分がやりたいこと/やっていること/やってきたことについて書くようです。書く量は1枚程度です。これらは在籍中保存されていて、アドバイザー選びの時に読まれたりして後々まで禍根を残すので、油断なりません。

 各学科が TOEFL/GRE の要求スコアを公表しています。このスコアをパスすることは最低基準ですが、それ以上のスコアかどうかは、選考段階であまり影響しないと言われています。むしろ、推薦状やエッセーが重要だと言われています。私が行った当時の要求スコアは、GRE が国語+数学で 1000-1100 点でした。数学は満点が期待でき(800 点)、国語は零点でも 200 点なので要求スコアをクリアするのは難しくはありませんでした。

 TOEFL の方は、テストの形式に慣れる勉強を1〜2ヶ月してみても 500 点取れない場合は、留学をきっぱり諦めた方がいいでしょう。TOEFL でいいスコアを取る勉強にかかずりあうのは余り意味がないと思います。また、語学というのは、単なるテクニックではありません。母国語でさえ、話し上手な人・話好きな人・誰にでも話しかける人もいれば、そうでない人もいます。一般に母国語がそれほど得意でない人が、外国語が急にうまくなるとは考えにくいです。英語がうまくなったからといって、人間の格が上がるわけではありません。英語が負担になる人は別の途を探した方が得策でしょう。(この業界では確かに英語ができた方がいろいろな点で便利でしょうが、便利だというだけです。)TOEFL は現在では多くの大学が 600 点以上のスコアを要求しているようなので、初回で 550 点は欲しいところです。

 大学は併願可能なので、予算の許す限り多数受けておきましょう。



FAQ

 

1.大学院の期間は日本と同じ5年ですか?


決まっていません。平均すると4〜6年のようですが、年限が決まっているわけではありません。なかには、10年以上在籍していても Ph.D. が取れず、主任教授に靴のことを笑われて、その主任教授を撃ち殺してしまったような例もあります(めったにありませんが、このような事件もたまに耳にします)。要は Dissertation が書けると本人がいつ判断するか次第です。

 

2.アメリカには修士課程はあるの?


物理学科には基本的に修士課程/修士号はありません。日本で言えば、前期・後期博士課程と博士課程に分かれているようなものです。修士号を出すことはまれで、博士課程を途中で止めて修士を取って卒業する場合に普通限られています。いわば餞別代わりの修士号で、Terminate Master と呼ばれていました。

 

3.学費はどうするの?


 アメリカの私大の学費は大変巨額です。州立大学でも学費は高いところも多く(カリフォルニア大学など)、まともに払っていては普通のバイトではとてもまかないきれません。また外国人がバイトすることにはいろいろな規制もあります。

 私大の学費はかなりの金持ちでないと払えませんが、実際に払っている人はほとんどいないようです。多くの学生は TA (Teaching Assistant)、RA (Research Assistant) といった補助を学科から受けています。ポスドクの1/2〜1/3程度の給料がもらえます。私のいた当時で、物価の安いテキサスで $700 程度、物価の高いカリフォルニアで $1100 程度でした。

 これだけではかつかつに生活できるだけですが、TA や RA になると給料以外に普通学費の免除を受けられます。そもそも州立大学の学費には、 in-state tuition とout-of-state tuition の2種類があります。前者は州の住民のための学費、後者は州外からの学生のための学費です。州立大学は州の住民の税金でまかなわれており、そのため州の住民の学費は極めて安くなっています。国外からの学生も、デフォルトでは out-of-state tuition を払うことになります。しかし TA 等になると、免除まで受けられなくても in-state tuition で済んだりします。

 RAへの補助は、アドバイザーの研究費で直接まかなわれます。このため研究費の少ない先生にはいい学生も集まりません。

 また、学費の安い大学を目指すのも一つの方法でしょう。テキサス大学は、州立大学としても当時例外的に学費の安い大学でした(他の州立大学の1/2〜1/3程度)。80年代までテキサスはオイル・マネーで豊かだったのです。

 なおこれは留学に限りませんが、アメリカから給料をもらう身になったら、必ず4/15までに Federal Tax と State Tax の確定申告を欠かさないようにしましょう。

 


最近の情勢


ここでは私が把握している範囲での、その後の情勢の変化について記しておきます。

  1. GRE General Test は、現在はコンピューターを使っての試験になっているようです。そのため月に1度であれば、自分の好きなときに受けることができるそうです(これは TOEFL も同じ)。また、当時はなかった Writing Assessment という論述試験が加わったようです。実施会場は、全国の主な大都市。Subject Test は以前同様、ペーパー・テストで年に3回の指定された日のみ。

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