台風と沖縄


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 沖縄は「台風の通り道」といわれる。台風は毎年25個ほど発生し、うち4〜7個程度南西諸島を通過する。家屋や農作物への被害は甚大である。
 2003年9月初旬にマリアナ諸島付近で発生した台風14号は、9月10日21時には、宮古島付近の海上で中心付近の最大風速55m/s、中心気圧910hPaにまで達した。その後はゆっくりと北西に進み、11日夜明け前に宮古島を通過した。
 宮古島では、最大瞬間風速74.1m/sを記録した。台風の目もはっきりと観測されている。住宅、施設等のガラスが割れたり、施設、工場の屋根が飛んだり、2000本近い電柱の倒壊、折れが確認された。風力発電用の風車3基が倒壊したのは、まさにこの台風の強大さを象徴するものだった。サトウキビなど農作物にも多大な被害があった。人的被害は死者1名、負傷者90名以上と近年の台風被害のなかでは大きなものであった。
 宮古島は、以前にも大きな台風を経験している。1959年宮古島台風、1966年第2宮古島台風、1968年第3宮古島台風等である。これらは特筆すべき巨大台風で、大小合わせれば毎年3〜5個が襲来する。その度少なからず被害を受けている。
 石垣島も近年大きな台風に見舞われている。2006年10月には、台風13号の直撃を受け、石垣島天文台が観測不能に陥っている。この台風は西表島にも爪痕を残した。家屋の窓ガラスの破損、家屋の倒壊、電柱を次々となぎ倒していった様が報じられた。西表島では観測史上最も強い最大瞬間風速69.9m/sを記録している。
 台風による人的被害が、マスコミ等で死者○名、負傷者○名と報じられるが、沖縄では台風が勢力最大のときに通過するにもかかわらず、建造物の倒壊、損傷や人的被害が本土に比べ少ない。理由は、家屋のほとんどが鉄筋コンクリート造り(RC造)で堅固であることがあげられる。木造も増えてはいるが割合がが少ない。
昔ながらの瓦屋根の場合でも漆喰で塗り固められており、飛散することがない。特に大きな川も少なく氾濫による被害も少ない。山間から海までの距離も短くさっさと雨水は海へ流れてしまう。また沖縄県民は台風対策に慣れている。テレビ、ラジオで台風の動きを確認し、台風が来るとなれば前もって家の周りを片付ける。吹き飛びそうなものは家の中に入れるか、安全な場所に移動する。そして台風の進路や強さの度合いをよく知っている。台風の進路予想から、接近時や吹き返し時の風向き、強さなど推測できる。どの程度の強さまでなら外出可能かくわかっている。(無理は禁物だが)
 さらに話を昔に遡れば、沖縄県民が台風とどのように向き合ってきたかを改めて知ることが出来る。50年前我が実家も木造瓦葺きで、木枠の窓でほとんど開けっ広げであった。その表に木の戸があったのを記憶している。その時代それ以前から沖縄には台風防御のノウハウがあった。
 先ず建物でいえば伝統家屋は木造、屋根は沖縄特有の赤瓦を漆喰でしっかり固定した構造。建物が風の抵抗を少しでも避けるよう屋根の勾配が緩い。また屋敷を石垣や防風林で囲い強風に備えている。防風林には、フクギ、ガジュマル、イヌマキがよく使われた。今でも本島北部本部町には屋敷をフクギで囲っているところがある。
 民家の軒四面に差し出した雨端(あまはじ)と呼ばれる庇は、横なぐりの風雨を防ぐ役目がある。雨戸を開放し、直射日光を遮るなど、日光を調整して暑さを凌ぐ効果もある。まさに沖縄の人々が生み出した知恵であった。
聞いたところによれば、戦後米軍が沖縄を占領した際、基地内の建物が台風の被害に遭い、その経験をもとに基地内の建物をコンクリート造にしたらしい。沖縄の民間の建物もこれに倣ったのではないかと思われる。
 戦後、人々はテント小屋、あるいは雑材で簡易な小屋を建て住んだ。次に、木造の家屋を建て始める。やがて台風対策として手始めにトイレをブロックで造った。私の小さい頃住宅は木造だが離れのトイレはブロック建てというのが多かったが、それが台風時の避難場所に使われた可能性もあった。
  観光で来沖の場合、伝統的な木造赤瓦住宅の街並みを期待してはいけない。今では住宅のといえば鉄筋コンクリート造がほとんどだ。この頑丈なRC造の建物が連なっている。これが現在の沖縄の景観と言ってもよいくらいだ。当然窓はアルミサッシだし、ガラスも厚み5〜8oを使用している。厚4o以下のガラスは外部に使用されるケースはまず無い。アルミサッシの性能値もほぼ国内最高グレードのものを使用している。専門家に言わせれば、サッシの性能とは主に耐風圧性、水密性、気密性の3つを指すのだそうだ。耐風圧性とは ”どれくらいの風圧に耐えられるか” をいい、水密性とは "強風時に雨水の浸入をどれだけ防げるか"をいう。建物は台風に対してかなりの配慮された構造だ。
 ここでもうひとつ住宅についていえば、アルミの雨戸が多くみられる。これは台風時に飛来物からガラスを守るのに役立っている。アルミ雨戸が防いだという話はよく聞く。実際地元メーカーのHPでも宣伝しているようだ。
また、暴風時の雨水吹上防止にも一役買っている。
 このように沖縄では5月以降台風シーズンともなれば、台風の動向を注視する。

アルミのルーバー雨戸を取り付けている家は多い。 ルーバータイプのアルミ雨戸を取り付けている住宅も多い。
沖縄本島を襲った最近の台風

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