安井道頓・道卜紀功碑は、大阪市中央区島之内2丁目の日本橋北側に建てられた石碑である。
豊臣秀吉の大坂城築城のおり、安井道頓(成安道頓)は、奉行として築城工事に従事した。
秀吉からその恩賞として荒地だった現在の道頓堀一帯を与えられた。
道頓は、私財を投じて1612年に木津川にいたる運河の開削工事に着手した。
2年後に大坂の陣が始まり、道頓は、秀吉の恩義に報いるため西軍に味方するが、1615年5月落城時に戦死した。
以降は、弟の安井治兵衛・九兵衛(後の道卜)ら親族が中心となり工事を続け、半年後の1615年11月に運河が完成した。
当初は、南堀と呼ばれていたが、大坂城主となった松平忠明が、道頓の功績を称えて、「道頓堀」と命名した。
1914年に道頓・道卜は、従5位を贈られた。これを記念し、地元の有志が道卜の屋敷があった場所に石碑を建立した。
石碑に使われた石は、高さ約3m、幅90cmで、大坂城の石垣に使われるために掘り出されたものである。
しかし実際には使われなかったために、「残念石」と呼ばれている。
大阪市営地下鉄、近鉄奈良線の各日本橋駅下車、徒歩5分。(Y.N)