近露王子跡

近露王子跡は、和歌山県田辺市中辺路町にある史跡である。
日置川沿いに開けた近露の里は、田辺と本宮のほぼ中間点に位置し、熊野参詣道の古来の中継点であった。
平安時代から熊野詣での宿泊地として、上皇らの仮御所や供奉者の宿所が設けられ、現在も数軒の旅館や民宿などがある。
花山法皇が参詣された際、箸折峠で「血か露か」と言われた伝説から「近露」と呼ぶようになったといわれている。
また、句碑や歌碑も建てられ、13世紀に藤原定家が後鳥羽院に随行した際、王子社参拝の後に歌会を行った記録が残っている。
バス停のすぐ手前には、昭和8年(1933年)に当地を訪れた大本教教主出口和仁三郎揮毫の「近露王子之跡」碑がある。
翌年、和仁三郎が治安維持法違反に問われたとき、当時の近野村長が自分の筆跡であると主張し、守られたといわれている。
JR紀勢本線紀伊田辺駅からバスで「近露王子」下車、徒歩3分。(Y.N)



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