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ニューヨーク・Sep・2005
2.「入国審査」


(写真 入国するとNYCは残暑が厳しかった)

ニューヨーク、ジョン・F・ケネディ(JFK)空港は晴。残暑が厳しい。

 入国審査はいつものように羊のごとくに大勢が待たされる。米国国籍を持っている到着客は優先的になっていてすぐに入国審査が受けられる。NH10 便で着いた疲労困憊の日本観光客はほとんど進まない列に並ばされてじっと我慢をしている。
 もしかするとどこからか監視カメラでこの列の不審な人物を観察しているのかもしれない。この空港をモデルにした「ターミナル」という映画に監視カメラの話があった。不審な人物を探すために不要に長く並ばしているのかもしれないと妄想しても、なかなか時間が立たない。壁にある「米国へようこそ」のポスターが空々しい。しかし、入国審査は従順に従わなくてはならない。

 そんな中、子供づれの旅行者はすべて例外なく係官が優先的に先に審査を受けさせてくれる。私も息子が小さい頃にはこの恩恵を受けたことがあったが、旅行中に子どもが家族に貢献する数少ないケースである。
 老人を優先しない理由はわからないが、子ども優先はレディー・ファーストに通じる米国のマナーなのかもしれない。

 入国審査そのものは簡単であったが、いつもと違うのはすべての旅行者に対して左右の人差し指の指紋と顔写真を撮ることであった。
 入国審査官の前に指を置く台があり、そこに最初に右の人差し指を置いて電子的に指紋をとる。入国審査官が自分のパソコンでうまく指紋がとれたことを確認すると、次に左の人差し指の指紋をとり、最後にCCDカメラで顔写真をとる。
 付近の壁には「ビザ取得者は写真を撮ります」と書いてあるが実際はビザなしの観光客も全員から指紋と写真をとっていた。膨大な数の旅行者に対してすべての指紋情報を集めるのは大変なことであるが、2001年の9.11の衝撃がここにも現れている。

   これが入国審査にかかる時間をますます遅らせている原因であった。


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