AUDI A3 2.0T(2005)story

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 アウディは20年という歳月をかけてBMW、BENZに並ぶプレミアムブランドになったといわれてい
ます。この先駆けとなったのはアウディ・クアトロです。4WD+ターボエンジンと言う最新の機構を
ラリーの世界に持ち込みました。                              

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 1985年、アウディ・クアトロはWRCモンテカルロラリーで優勝を飾ります。そして3年連続の
優勝をものにします。ミシェル・ムートンという女性ドライバーでした。さらにナビゲーターもファ
ブリツィア・ポンスという女性でした。ミシェル・ムートンは「クアトロを操縦するのは難しいけれ
ど、一旦慣れるとこの車は何でもできる」と話しています。前項にも出てきた言葉です。以後、ラリ
ーカーは4WDが主流になっていきます。                           
 アウディはクアトロによって大きく自動車界でのイメージを向上させることに成功しました。ドイ
ツは技術資産の豊かな国です。 ロータリーエンジンを開発したNSUもドイツです。NSUはその後、ア
ウディの母体になるメーカーに吸収されますが、ロータリーエンジンの技術は日本のマツダに引き継
がれます。マツダは自動車王国ドイツでも成し得なかったロータリーエンジンを搭載した量産車の開
発に成功します。現在のRX-8は世界唯一のロータリーエンジンの車となっています。一方、アウディ
はその後も次々と新しい機構を開発しましたが、イラストのAudi A3に使われているのはSトロニッ
クという新しいオートマチックミッションです。                       
 フェラーリのF1が早くからオートマチックミッションを使っていました。レースに使えるのはフェ
ラーリだけという時代です。ただしこの時代はホンダのRA166Eというターボエンジンが1494ccで10
54PS(馬力)以上を出すという、驚異的なパワーで連戦連勝していたためフェラーリはあまり目立ち
ませんでしたが。                                      
 このフェラーリのオートマチックは、ステアリングホイールの裏側にパドルというレバーを設けて、
ステアリングホイールから手を離す事なくギアのアップダウンができるという機構です。F1のステア
リングは大変クイックです。車体が非常に軽いのでそれほど重くはありませんが、やはり両手でしっか
り押さえるのが理想です。そこでパドルシフトというのは多いに役に立つ機構です。これを持っていな
いライバルチームのドライバーさえ控えめに「無いよりはあった方が良い」といっていたほどです。 
 F1のシフト操作は極めて過酷なもので、1レースでドライビンググローブに穴のあくレーサーもい
るほどです。「レースのあと、シフトレバーが曲がっていた」という人もいます。この様な状況ですか
ら、疲労の軽減にもずいぶんと役立ったと思います。が、市販車に使えるようなものではなかったよう
です。そこで、普通のオートマチックミッションにパドルをつけてシフトチェンジさせるものが出回り
ましたが、フェラーリF1のように素早くはありませんでした。そこに登場したのがSトロニック。メー
カーによるとシフトチェンジに要する時間は0.2秒以下。これなら充分に競技に使えます。     
 アウディはスタイリングの適正進化が上手なメーカーの一つです。一旦、優れたスタイリングが完成
しても、モデルチェンジの際に、前作の美点を失ってしまう場合が多いのですが、アウディは進化を加
えながらも、アウディの風合いを失わないデザイン上のテクニックを持っています。A3もそのテクニッ
クが発揮された良い例といえます。                              
 A3はアウディの4ドアセダンで、最もホイールベースが短く軽快な車です。Sトロニックを備えたA3
はスポーツドライブ、いや競技にももってこいの車体です。現在は、4WDのクアトロもラインナップに
加えられています。                                     
                 全長 4203mm × 全幅 1765mm × 全高 1421mm、乗員数 5名

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