直下の“検索イン時クリック”をクリックして頂くとページ全体が表示されます。  
 

NO 21
1.長手方向の目安となる印
2.ねじ切りバイトの逃がし
3.汎用旋盤加工でのL/D比が大きい丸棒の逃げ対策
4.ペーパがけ
5.汎用旋盤でトースカンを使用して百分台の心出しをする。

1.長手方向の目安となる印
 
おおよその位置に予め印を付けてから加工すると、長さ方向の間違いを減らすことが出来ます。

a) マジックの場合

マジックで印を付ける。


主軸を回すと目印になります。


 

その印を目安にバイトを動かします。

b) マジック等が無い場合、

 バイトで軽く切り込んでもいいですね。

※ 端面に印をつければ径方向の目安にもなります。

2.ねじ切りバイトの逃がし
  ピッチの粗いねじ切りは主逃げ面の角度を大きくする必要があります。

 

ねじ切りは、1回転の送りが速いので
スポンサーリンク

左図のように主逃げ面の角度を大きくします。

ある意味おもいっきりが必要になります。


3.汎用旋盤加工でのL/D比が大きい丸棒の逃げ対策
 細長い丸材の外径を加工するとセンタで押していない場合端面が太くなる傾向になります。原因の多くは剛性が低いので材料が逃げている事にあります。

対策例
 a) 心押し台でセンタで支えられる場合にはそく解決します。
 b) そのまま加工しなければいけない時は、
   端面からどの位置でどの程度太くなるのか傾向をつかみ、Z軸(縦送り)が移動している間にそのポイントでX軸(横送り)を調整
   しながら加工します。

切削抵抗で矢印の方向に逃げます。

⑤を基準にすると、⑤<④<③<②<①というように端面に近い方が径が大きくなります。

加工結果例

丸 番

実測値(直径)

⑤との差(直径)

40.030

0.030

40.020

0.020

40.010

0.010

40.005

0.005

     ⑤(基準径)

40.000

要領は、

期待する⑤の寸法から予め直径で0.03(半径では0.015)小さい位置から加工開始します。
縦送りを入れた後、右から各丸番に近づくに従い下記の補正量だけバイトを手前に引き戻すようにします。移動量が確実にわかるようにダイヤルゲージを取り付ければまた正確ですね。

※ a) 補正した箇所は段がつきますので後でペーパ等で手直しをして下さい。
    b) 主軸が傾いている時でも使える方法になります。
   c) NC旋盤ならテーパが付くように動かせばよいです。

4.ペーパがけ
 旋盤で主軸を回しながらのペーパがけをすると巻き込まれて指を骨折する場合があります。

外径加工が終わって面粗さの調整で布ペーパをかけているところですが右図のように巻きつく事があります。


実際の作業(左図)と巻き込み例→

指がひっくり変えるほど曲がります。


左図のように両端を合わせない事が巻き込み防止の対策になります。

5.汎用旋盤でトースカンを使用して百分台の心出しをする。

右図のように外径とトースカンの針の間を通る光量で振れ量を確認します。

材料とトースカンのケガキバリとのすき間を180度毎2方向の隙間を見ながら振れの状況を確認する。
隙間が均一でない場合、チャックを締めているボルトを少し緩め、樹脂ハンマで隙間が少ない方のチャック外周を叩いて、隙間が多い方にチャックを寄せる。90度ずつ回して材料とケガキバリの間を通る光が僅かなら0.01以内(隙間が数μmあれば光は通ると言われます)に出ていると思います。
※チャックを締めているボルトを本締めするのを忘れないで下さい。

前へ  次へ

トップ治工具等の使い方
NO 21
©2000 natuo