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2.加工
NO 39.切削とは

 金属を切削するという表現は、金属の結晶に「せん断力」を与え「すべり変形」(相手原子が隣に移る)させる事をいいます。この限界の応力を降状点といい、その結果一定の角度のせん断角面で金属はせん断され、継続されるせん断力で金属が押し出され、結果として切粉が流出されます。  

せん断形切粉のアニメ  
     工具は常に切削抵抗切削熱を受けていることを認識しましょう。

2.比切削抵抗
 単位切削面積当たりの切削抵抗をいいます。

 被  削  材

比切削抵抗(kg/mm2)

 備  考

普 通 鋼

200~300

 

鋳  鉄

150

 

ステンレス鋼

200~300

 

高硬度材(高硬度鋼等)

330~650

45~65HRC

非鉄(アルミ合金等)

90

 

耐熱合金(ニッケル等)

350

 


3.刃具材の硬さ(変形に対する抵抗力)と抗折力(曲げに対する強度を示す物性値)
 切削工具は材種毎に硬さが違います。

材  種

硬  さ

抗 折 力  

単 位

データ

単 位

データ

高速度鋼

HRA

84

Mpa

3630

超 硬

90~92

1600~2060

サーメット

HV

1550~1800

1300~1600

セラミック

1700~2000

800~1200

C B N

3000

900~1000


4.切削抵抗
 切削中にバイトに加わる力をいいます。
一般的な簡単計算式
切削抵抗=切削断面積×比切削抵抗
※S50Cの切削抵抗
   2(切り込み)×0.2(1回転当たりの送り)×300(比切削抵抗kg/mm2)=120kg

旋盤などL/D比の大きい穴用バイトは剛性が低いので切削抵抗で刃先が下がります。
穴径の3~5%程高めにセットした方がいいと思います。
φ40なら1.2~2ミリ程度ですが、荒と仕上げでは異なりますので実情に合わせて調整して下さい。

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