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2.加工 
NO 23.ドリルの研ぎ方
 ドリルの研ぎ方熟練を要しますね。初めての方にちょっとでもお役に立てれば幸いと思いこのページを作成しました。

1.ドリルの基本的形状
 

2.ドリルの研ぎ方
注 グラインダーの砥石は、ドレッサー等を行い、平らにしてください。
ドリルの研ぎ方は熟練を要します。基本的に、は上記の1.ドリルの基本形状のような先端部になればよいのですが、3次元的な形状していますので、通常のバイトみたいに簡単に研削できません。先端角と逃げ角及び逃がしをイメージしながら、グラインダーの砥石に切れ刃を当て、先端部を多次元的に手で動かします。

下図の左は研削する為に切れ刃(先端角)の切れ刃部をグラインダーの砥石に平行にあてた状態です。この位置から手順を説明します。

1)ドリルをしっかり持ち、切れ刃を軽く砥石に平行に当てる。
強く当てると刃先部が高温になり、研削焼けを起こします。
2)逃げ面(逃げ角部)を研削する為に、下図左の矢印のようにドリルを手前に巻き込む(回す)ように、逃げ面を軽く当てながら(ねじるような感じ)刃先を突き上げるように(円錐状)研ぎます。
※逃げ面(通称言われる2番)研削終了の絵が下図右です(少しオーバーに描いています)。

補足
・両手で支えるようにしっかり握ってください。 
・径が細い場合、工具受けに指を乗せるようにしたほうが研削しやすいのですが、ご自分の指を掏らないように十分にご注意ください。
   

3)磨耗部が無くなるまで何度か繰り返します。
肩が磨耗していない場合は2~3度位でよいとおもいます。ただし、Kヒンログ 2.ドリル その5の1)ドリルの損傷参照し磨耗がひどい場合は先端部を切断して研ぎなおす場合もあります。

4)片面を軽く研いだらもう片方を同じ程度研削します。
同じ角度、同じ研削量にしないと先端角のバランス、肩の高さ(リップハイト)等がかわります。Kヒンログ 2.ドリル その2の1.求心性にある図1~4参照。
    
5)研削結果のチェック
研いだ後のチェックはドリルポイントゲージ等で見れば確認できます。私も手研の場合使用しています。

6)修正研削
角度のバランスが悪い場合は、高い所を研ぐように火花の出具合を見ながら研削します。
※研削量が多い、当たりが強い所程火花の量が多くなります。

3.シンニング
スラストの切削抵抗を減らすためにつけます。
※下図はもう片方のシンニングをとっている所です。
   このシンニングもあまりバランスが悪いと穴精度に影響します。 

4.備考
プレート等ムクの材料に最初に穴を明ける刃物がドリルですので、高精度な穴精度を期待するには無理があります。穴精度をあまり期待しない場合にこのようなツイストドリルを使用すると考えた方が宜しいかと思います。
研いだドリルで加工される穴が期待するに十分値しているかの確認は、明けた穴を測定し確認しましょう。

逃げ角が大きい場合、貫通穴を加工すると出口で引っ張られるので、十分注意してください。
この場合、ドリルで対処する場合は、逃げ角を小さくし、やや擦り気味にすることで対処できますが、スラスト方向の切削抵抗が増えます。

切粉の出方が左右余りにも違う場合は研ぎなおした方がいいと思います。

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