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2.加工 
NO 16-1/2.バニシングドリル・リーマの使い方
16.バニシングドリル・リーマの使い方
 バニシングドリル・リーマとは、4点(以上のタイプもあり)ガイドパットにて穴内壁を擦りながら押し広げ、切削と同時に加工穴をガイドにして穴を仕上げるツールをいいます。

形状的には、下図のようなドリル・リーマのシェアが多く、ドリルはツイストドリルと形状が同じ、バニシングリーマは、切れ刃とマージン部の角に食いつき部が無い。

まれにバニシング効果の割合が高いリーマをバニシングリーマと表現する場合がありますが先端がわずかテーパ(食いつき部)がついているのもありますので止まり穴でご使用の場合はご注意下さい。

ここでは高精度の穴加工が可能でシェアの高いバニシングドリル・リーマの説明をします。

1.形状と各部の名称
ア.バニシングドリル
 
※先端角がドリルとほぼ同じ角度になっていますが、溝のねじれが無く、ガイドが4箇所あります。
     
イ.バニシングリーマ
 
※標準的なリーマと同じように先端は平らになっていますが、通常あるマージン部(外周部)と切れ刃にある食いつき部は無く直角になっています。以外の構造はバニシングドリルと同じです。

2.使用目的
注 以降のイラストは説明に必要の無い溝形状等は省いてあります。

うちは穴径精度(穴径・真円度・円筒度・面粗さ)が厳しい場合等に使用しますが、以外にドリルと違い(ガイドが2箇所しか無い)ガイドが4箇所あるセルフガイド機能を活かした加工が考えられます(下図参照)。

ア.貫通側の面が傾いている 
イ.横穴との干渉
ウ.壁を何枚も貫通する
エ.先行穴に心ずれがある場合(リーマ使用する)
 
※上記のような場合にセルフガイドのあるバニシングドリル・リーマを使えば曲がり・心ずれ等を通常のツイストドリルより激減させる事が出来ます。
    
3.加工方法
切れ刃で切削しながらマージン部と加工面の間に液膜(切削液)を介在させ、ごくわずかな加工表面に塑性変形を与え表面を綺麗にする方法です。ローラーバニシングというのもありますけど一応これも同じような理屈で表面を滑らかにしています。実際使用する場合は、潤滑液が十分先端まで行き渡るようにノズルの調整と水溶性切削液使用時は濃度を10%以上(出来たら20%)にして下さい。

4.加工に適した被削材
アルミニウム・FC・銅等のようなあまり硬くない材料に適しています。マグネシウムは変形を与えると加工硬化が起き、潤滑液膜が切れてかじるようになりますのでスジが入るようになります。使用してもφ数ミリ程度が限界だと思います。それ以上の穴の仕上げをする場合はFBもしくは切削タイプのリーマ(超硬)がベストだと思います。
   
5.ドリルとリーマの使い方及び注意
ア.ドリル
上記2.のア・イ・ウはドリルでの1発加工でもよいですが、スラスト方向の切削抵抗がかなりありますのでアルミ鋳物等剛性が小さい場合は下穴を明けてから最終寸法のバニシングド リルの使用が望まれます。イ.については公差穴部でツイストドリルが大きく曲がる場合がありますので十分注意してください。
      
ドリルの不具合例
 
 下穴がある場合、ドリルはツイストドリル同様求心性がありますので、先端の回転中心に対してワークの下穴がずれている場合は穴位置に狂いが生じ、加工される穴はツイストドリルに比

べると少ないですがやはり曲がります。穴精度が厳しい場合は、下穴の位置・円筒度も可能な限り正確に出しておいてください。
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