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幾何公差
5.-1/7 幾何偏差の定義及び表示(JIS B 0621-1964)
1.適用範囲 この規格は、対象物の形状偏差、姿勢偏差、位置偏差及び振れ(以下、これらを総称して幾何偏差という。)の定義及び表示について規定する。
 備考 幾何偏差の許容値である幾何公差の記号による表示及びそれらの図示方法については、JIS B 0021(幾何公差の指示方法)による。

 引用規格:
  JIS B 0021 幾何公差の図示方法
  JIS B 0022 幾何公差のためのデータム

2.用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は、次による。
(1) 形体 幾何偏差の対象となる点、線、軸線、面又は中心面。
(2) 単独形体 データムに関連なく、幾何偏差が決められる形体。
(3) 関連形体 データムに関連して、幾何偏差が決められる形体。

(4) データム 形体の姿勢偏差、位置偏差、触れなどを決めるために設定した理論的に正確な幾何学的基準。例えば、幾何学的基準の点、直線、軸直線(1)、平面及び中心平面の場合には、それぞれデータム点、データム直線、データム軸直線、データム平面及びデータム中心平面という。

  注(1) 軸直線とは、形体偏差がない軸線、すなわち、幾何学的に正しい直線である軸線をいう。
  備考 データムに関する詳細は、JIS B 0022(幾何公差のためのデータム)による。

(5) 直線形体 機能上直線であるように指定した形体。例えば、平面形体をそれに垂直な平面で切断したときに切り口に現れる断面輪郭線、軸線、円筒の母線、ナイフエッジの先端など。

(6) 軸線 直線形体のうち、円筒又は直方体であるように指定した対象物の各横断面における断面輪郭線の中心(2)を結ぶ線。
  注(2) 断面輪郭線の中心とは、円筒であるように指定した対象物では、その断面輪郭線に外接する最小の幾何学的に正しい円(軸の場合)又は内接する最大の幾何学的に正しい円(穴の場合)の中心をいう。
       また、直方体であるように指定した対処物では、その断面輪郭線に外接する最小の幾何学的に正しい長方形(軸の場合)又は内接する最大の幾何学的に正しい長方形(穴の場合)の中心をいう。

(7) 平面形体 機能上平面であるように指定した形体。
(8) 中心面 平面形体のうち、互いに面対象であるべき二つの面上の対応する二つの点を結ぶ直線の中点を含む面。
(9) 円形形体 機能上円であるように指定した形体。例えば、平面図形としての円や回転面の円形断面。
(10) 円筒形体 機能上円筒面であるように指定した形体。

(11) 線の輪郭 機能上定められた形状をもつように指定した表面の要素としての外形線。
(12) 面の輪郭 機能上定められた形状をもつように指定した表面。

3.幾何偏差の種類 幾何偏差の種類は、表による。

                                      表 幾何偏差の種類

種  類

適用する形体

形状偏差

真直度
平面度
真円度
円筒度

単独形体

線の輪郭度
面の輪郭度

単独形体又は
関連形体

姿勢偏差

平行度
直角度
傾斜度

関連形体

位置偏差

位置度
同軸及び同心度
対称度

振れ

円周振れ
全振れ


4.定義
4.1 真直度 真直度とは、直線形体の幾何学的に正しい直線(以下、幾何学的直線という。)からの狂いの大きさをいう。
4.2 平面度 平面度とは、平面形体の幾何学的に正しい平面(以下、幾何学的平面という。)からの狂いの大きさをいう。
4.3 真円度 真円度とは、円形形体の幾何学的に正しい円(以下、幾何学的円という。)からの狂いの大きさをいう。

4.4 円筒度 円筒度とは、円筒形体の幾何学的に正しい円筒(以下、幾何学的円筒という。)からの狂いの大きさをいう。
4.5 線の輪郭度 線の輪郭度とは、理論的に正確な寸法によって定められた幾何学的に正しい輪郭(以下、幾何学的輪郭という。)からの線の輪郭の狂いの大きさをいう。

4.6 面の輪郭度 面の輪郭度とは、理論的に正確な寸法によって定められた幾何学的輪郭からの面の輪郭の狂いの大きさをいう。なお、データムに関連する場合と関連しない場合とがある。
4.7 平行度 平行度とは、データム直線またはデータム平面に対して平行な幾何学的直線又は幾何学的平面からの平行であるべき直線形体又は平面形体の狂いの大きさをいう。


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