幾何公差
4.-1/3 普通幾何公差
「個々に公差の指示がない形体に対する幾何公差」の説明になります。
この規格による普通公差は、JISB0024による公差表示方式の基本原則が使用され、図面上に指示された時に用いる。
この規格は、図面指示を簡単にすることを意図し、ここに幾何公差の指示がない形体を規制するための3つの公差等級の普通幾何公差について規定されている。
普通幾何公差の設定があるのは
真直度・平面度・真円度・直角度・平行度・対称度・円周振れの7つ。
※円筒度と同軸度は規定されていないが他の公差が適用できる。
1)単独形体に対する普通公差
a.真直度及び平面度
公差を下表から選ぶときは、真直度は該当する線の長さを、平面度は長方形の場合には長い方の辺の長さを、円形の場合には直径をそれぞれ基準とする。
真直度及び平面度の普通公差(単位mm)
公差等級
|
呼 び 長 さ の 区 分
|
10以下
|
10を超え
|
30を超え
|
100を超え
|
300を超え
|
1000を超え
|
30以下
|
100以下
|
300以下
|
1000以下
|
3000以下
|
真 直 度 公 差 及 び 平 面 度 公 差
|
H
|
0.02
|
0.05
|
0.1
|
0.2
|
0.3
|
0.4
|
K
|
0.05
|
0.1
|
0.2
|
0.4
|
0.6
|
0.8
|
L
|
0.1
|
0.2
|
0.4
|
0.8
|
1.2
|
1.6
|
b.真円度
普通公差は直径の寸法公差の値に等しくとるが、下表の「円周振れの普通公差」の半径方向の振れ公差の値を超えてはならない。
円周振れの普通公差(参考)
公差等級
|
円周振れ公差
|
H
|
0.1
|
K
|
0.2
|
L
|
0.5
|
附属書B 追加情報(参考)
例1
直径の寸法公差を図面に直接指示する。真円度に関する普通公差は直径寸法に等しい。
例2
JISB0419-mKという指示による普通公差を適用する。
25mmの直径に対する許容差は±0.2である。この許容差から、公差は上表の値0.2よりも大きい値0.4になる。したがって、その値0.2mmを真円度公差に適用する。
c.円筒度
円筒度の普通公差は規定しない。
ただし円筒度は、3つの構成要素、真円度、真直度及び相対する母線の平行度からなる、これらの構成要素はそれぞれ、個々に指示した公差又はその普通公差によって規制される。
上記の複合効果をより小さくなければならない場合は、個々に円筒度公差を対象とする形体に指示するのがよい。
場合によっては包括の条件「まるE」の指示が適切になる。
2)関連形体に対する普通公差
a.平行度
寸法公差と平面度公差・真直度公差とのずれの大きい方の値に等しく取る。2つの形体のうち長い方をデータムとする。それらの形体が等しい呼び長さの場合にはいずれの形体をデータムとしてよい。
附属書B 追加情報(参考)
形体の偏差の形によて、平行度は寸法差の値によって制限されるか(下図左)、又は真直度公差若しくわ平面度公差の値によって制限される(下図右)。
寸法公差の値に等しい平行度
|
真直度公差の値に等しい平行度
|

|
 |

トップ→幾何公差→●4.-1/3 普通幾何公差
© 2000 natuo |