幾何公差
3.10-1/2 位置度(右側定義と解釈参照)
※JIS B 0025(規格名称 製図―幾何公差表示方式―位置度公差方式)も参照の事。
1)、中心線の規制で公差値にφがある場合
a、データムが3つある場合の図面例と公差域例
公差域例
※赤が公差域で青が実際の位置(以下同じ)
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各穴の中心軸線は、データムAに対して直角で、データムBから35ミリ及びデータムCから30mmとその右横の50ミリ離れた位置にあるφ0.05の円筒公差域の中に入らなければいけない。 |
b、データムが2つある場合の図面例と公差域例
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各穴の中心軸線は、データムAに対して直角で、データムBから35ミリ離れ互いに50ミリ離れた位置にあるφ0.05の円筒公差域の中に入らなければいけない。
左端面からの位置は規制されないので注意。
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c、データムが1つの場合の図面例と公差域例
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各穴の中心軸線は、データムAに対して直角で、正確に50ミリ離れたφ0.05の円筒公差域の中に入らなければいけない。
左端面と下面からの位置は規制されないので注意。 |
d、データムが無い場合の図面例と公差域例
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各穴の中心軸線は、正確に50ミリ離れたφ0.05の円筒公差域の中に入らなければいけない。
公差領域の円筒はプレートの底面・端面・側面に対する姿勢が規制されない(底面に対して90度とは限らない)ので注意を要します。 |
e、一見すると2平面の公差域のようだけど公差値にφがある場合。
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公差値にφがある場合、指示線の向きは意味がなくなり、公差域は円筒になります。 |
※公差域の説明は上記a、の公差域例と同じになりますが、円筒の大きさはφ0.1になります。
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位置度公差1
公差域の定義
厚みが無い場合(2次元)
公差域は、対象としている点の理論的に正確な位置を中心とする直径 t の円の中又は球の中の領域である。
図示例と解釈
指示線の矢で示した点は、データム直線Aから50㎜、データムBから120㎜離れた真位置を中心とする直径0.03㎜の円の中になければならない。
※以降は通常通り厚みがある場合を示す。
公差値にφがある場合
公差域の定義
公差域は直径 t の円筒によって規制される。その軸線はデータムC、A及びBによって理論的な正確な寸法によって位置づけられる。
指示方法及び説明
実際の(再現した)軸線は、その穴の軸線がデータムC、A及びBに関して、理論的に正確な位置にある直径0.03の円筒公差域の中になければならない。
公差数値にφが無い場合は下記の「位置度公差2」で説明しています。
位置度公差2
公差値にφが無い場合
公差域は、それぞれ距離 t1 及び t2 だけ離れ、その軸線に関して対称な2対の平行二平面によって規制される。その軸線は、それぞれデータムA、B及びCによって理論的に正確な寸法によって位置づけされる。公差は、データムに関して互いに直角な二方向で指示される。
指示方法及び説明
実際の軸線は、上下方向に0.1(t1)、左右方向に0.3(t2)だけ離れ
、それぞれ直角な個々の2対の平行二平面の間になければならない。平行二平面の各対は、データム系に対して正しい位置に置かれる。
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