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6.-3/10 JIS B 0001:2019 10  図形の表し方
10.1.7 補助投影図
 斜面部がある対象物で、その斜面の実形を表す必要がある場合には、次によって補助投影図で表す。
a) 対象物の斜面の実形を図示する必要がある場合には、その斜面に対抗する位置に補助投影図として表す(図29参照)。この場合、必要な部分だけを部分投影図(10.1.3参照)又は局部投影図(10.1.4参照)で描いてもよい。
 
 図29-補助投影図の例

b) 紙面の関係などで、補助投影図を斜面に対向する位置(図29参照)に配置できない場合には、矢示法を用いて示し、その旨を矢印及びラテン文字の大文字で示す[図30 a)参照]。ただし、図30 b)に示すように、折り曲げた中心線で結び、投影関係を示してもよい。
 
  図30-補助投影図を用いた例

 補助投影図(必要部分の投影図も含む。)の配置関係が分かりにくい場合には、表示の文字のそれぞれに相手位置の図面の区域の区分記号を付記する(図31参照)。
 
注記 格子参照方式(JIS Z 8311参照)によって、参照文字を組み合わせた区分記号(例 E-7)は、補助投影図の描かれている図面の区域を示し、区分記号(例B-2)は、矢印の描かれている図面の区域を示す。
 図31-区分記号を付記する例

10.2 断面図
10.2.1 一般事項
 一般事項は次による。
a) 隠れた部分を分かりやすく示すために、断面図として図示してもよい。断面図の図形は、切断面を用いて対象物を仮に切断し、切断面の手前の部分を切り除き、10.1に従って描く。
b) 切断したために理解を妨げるもの(図1参照)又は切断しても意味がないもの(図2参照)は、長手方向に切断しない(図32参照)。
 例1 リブ(例えば、歯車の)、アーム、歯車の歯
 例2 軸、ピン、ボルト、ナット、座金、小ねじ、リベット、キー、玉(鋼球、セラミックなど)、ころ(円筒ころ、円すいころなど)

 
 図32-切断しない例

c) 切断面の位置を指示する必要がある場合には、両端及び切断方向の変わる部分を太くした細い一転鎖線を用いて指示する。投影方向を示す必要がある場合には、細い一点鎖線の両端に投影方向を示す矢印を描く。また、切断面を識別する必要がある場合には、矢印によって投影方向を示し、ラテン文字の大文字などの記号によって指示し、参照する断面の識別記号は矢印の端に記入する(図33参照)。断面の識別記号(例えば、A-A)は、断面図の真上又は真下に示す(図33参照)。
d) 断面の切り口を示すために、ハッチングを施す場合には、切り口は次による。
  注記 ISO 128-50では、断面及び/又は切り口にはハッチングを施すと規定している。
 1) ハッチングは、細い実線で、主たる中心線に対して45°に施すのがよい。
 2) 断面図に材料などを表示するため、特殊なハッチングを施してもよい。その場合には、その意味を図面中にはっきりと指示するか、該当規格を引用して示す。
 3) 同じ断面上に現れる同一部品の切り口には、同一のハッチングを施す(図35及び図37参照)。ただし、階段状の各段に現れる部分を区別する必要がある場合には、ハッチングをずらしてもよい(図33参照)。
 
 図33-断面の指示及びハッチングをずらした例

4) 隣接する切り口のハッチングは、線の向き若しくは角度を変えるか、又はその間隔を変えて区別する(図34及び図35参照)。
5) ハッチングを施す部分に文字、記号などを記入する必要がある場合には、ハッチングを中断する(図34参照)。
6) 切り口の面積が広い場合には、その外形線に沿って、適切な範囲にハッチングを施す(図35参照)。

 
 図34-線の向き及び中断したハッチングの例 図35-外形線に沿った線の向き及び間隔を変えたハッチングの例


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