9.-2/3 JIS B 0001:2010 11 寸法記入方法:11.6 寸法補助記号
11.6.3 直径の表し方
直径の表し方は、次による。
a) 180°を超える円弧又は円形の図形に直径の寸法を記入する場合で、寸法線の両端に端末記号が付く場合には、
寸法数値の前に直径の記号φは記入しない(図138参照)。ただし、引出線を用いて寸法を記入する場合には、
直径の記号φを記入する[図139 a) 及び図139 b) 参照]。
注記 ISO 129-1には、3D CADで図形を回転させて表示した場合、円形図形がだ円になることを考慮して、180°
を超える円弧又は円形の図形においても直径の寸法を、φをその前に付けて記入するように規定している。
b) 円形の一部を欠いた図形で寸法線の端末記号が片側の場合は、半径の寸法と誤解しないように、直径の寸法数値の
前にφを記入する(図138参照)。
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図138-180°を超える円弧及び全円の直径の記入例 |
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a) b) |
c) d) |
図139-種々の直径の指示例 |
c) 対象とする部分の断面が円形であるとき、その形を図に表さないで、円形であることを示す場合には、直径記号
φを寸法数値の前に、寸法数値と同じ文字高さで記入する[図139 a) 及び図140参照]。
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図140-円形であることを示す場合の直径の指示例 |
d) 円形の図及び側面図で円形が現れない図のいずれの場合でも、直径の寸法数値の後に明らかに円形又は円筒径になる
加工方法が併記されている場合には、寸法数値の前に直径の記号φは記入しない[図139 c]、図139 d)、図156、図157
及び図158参照]。
e) 直径の異なる円筒が連続していて、その寸法数値を記入する余地がない場合には、図141及び図142のように、
片側に書くべき寸法線の延長線及び矢印を描き、直径の記号φ及び寸法数値を記入する。
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図141-外側からの片側に矢印を指示する寸法記入の例 |
図142-寸法線を折り曲げる例 |
11.6.4 球の直径又は半径の表し方
a) 球の直径又は半径の寸法は、その寸法数値の前に寸法数値と同じ文字高さで、球の記号Sφ又はSRを記入して表す
(図143参照)。
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a) |
b) |
c) |
図143-球の直径又は半径の指示例 |
b) 球の半径の寸法が他の寸法から導かれる場合には、半径を示す寸法線及び数値なしの記号(SR)とを指示する
(図144参照)。
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図144-数値なしの記号(SR)の指示例 |
11.6.5 正方形の表し方 正方形の辺の表し方は、次による。
a) 対象とする部分の断面が正方形であるとき、その形を図に表さないで、正方形であることを表す場合には、その辺の
長さを表す寸法数値の前に、寸法数値と同じ大きさで、正方形の一辺であることを示す記号□を記入する
(図145参照)。
b) 正方形を正面から見た場合のように、正方形が図に現れる場合には、正方形であることを示す記号□を付けずに、
両辺の寸法を記入しなければならない(図146参照)。
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図145-角柱の一辺の指示例 |
図146-角柱の辺の指示例 |
11.6.6 板厚の表し方 板の主投影図に、その厚さの寸法を表す場合には、その図の付近又は図の中の見やすい位置に、厚さを表す寸法数値の前に、寸法数値と同じ文字高さで、厚さを示す記号t を記入する(図147参照)。 注記 冷間圧延鋼板、プラスチック板など、製品公差が規定されている板材の厚さ指示には特に有効である。
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図147-板厚の指示例 |

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●9.-2/3 JIS B 0001:2010 11 寸法記入方法:11.6 寸法補助記号
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