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2.ドリル 2 
 今回はドリルその2としまして自分なりの刃先の求心性と穴精度を取り上げたいと思います。

1、求心性
 これは工具に多少の振れがあっても先端部が切削開始すればジゼルポイントまた先端切れ刃角度のバランスと切削条件(送り等)等々の条件により切削抵抗をメインとして動的回転バランスが取れ心が求まるという事だと考えます。

※ 主軸の保持が不安定な電気ドリルでも期待する穴明けが可能となるのもこの求性があるためだと思います。
例として下図のような先端形状(オーバーに描いています)でも其なりに動的回転中心が安定します。
 
ドリル外径中心=動的回転中心とはなり難いので、加工結果としての穴径は基本的に大きくなりますので要注意です。

★参考資料
リップハイトの差(0.12・0.08・0.025)がどの程度精度に影響するかテストしてみました。
条件
 使用機械=横MC
 被削材=A2000
 ドリル=φ8.8ハイス標準ドリル
 切削条件=S1200F250
 固定サイクル=G83**Q8.8**
 センタ穴=超硬90度スポットドリル(入り口径9)
 切削液=油性
 N数=各1
 ドリル先端振れ=未確認
 測定方法=機上で測定子長さ30の0.01目盛りピックテスト使用
 加工結果の穴径=リップハイトの差 0.12=8.98
                ↑      0.08=8.9
                ↑      0.025=8.80  
 結果
 
※リップハイトの差が大きいと入り口で暴れる傾向にある。 

ドリル研削盤で研いだドリルは動的バランスが最良と思われますので、期待寸法に近い穴に加工されますが、手研の場合には先端角度等が非対称になりやすいので穴径のチェックが必要となります。

2、穴精度
1、基本的にドリルで加工する穴は
a、 大径の下穴
b、 ボルトが通る穴
c、 ネジのした穴
d、 密閉部の通路穴(気体・液体等が通る穴)
e、 他
等になるかと思います。

一般的に下記アニメの左のように、主軸-ドリル-切削開始ポイント-ドリル-出口(または一番底)が一直線になるように期待します が、殆どは右アニメの様になるかと思います。 
 
※実際は 上アニメ右のように接触部で先端にズレが生じ、その影響が抜け際に行くにつれ拡大され、結果として穴位置誤差が大きくなります。

例えば(まる20位のきり加工手順)
a、センタ穴明け
b、ドリル加工
ここでセンタ穴の中心とドリルの先端の回転中心がほんの僅か(百分台)ずれます。
これは求心という長所がドリル先端入り口 部でずれる事により動的軸心に狂いを生じさせ、刃先の進行方向に傾きが発生する為だと考えられます。

一般的に上記のような加工手順で製品を満足させる事が出来ると思いますがリーマの下穴とかでは極力曲がりは控えるようにした方がよいかと思います。

※曲がりがあると高精度のリーマ穴(下穴に倣います)の位置度・真直度・円筒度等を満足させるのが難しくなります。
参考迄に下アニメで曲がりの少ない加工手順例を示します。
 
※必要最短(長さ)のドリルを使用すればなお宜しいです。

このようにドリルの案内を上記アニメの様に 軸心上に設ければ曲がりを最小にする事が可能となりますが、刃物が1本増えたり加工時間が延びます。 ですので総合的に考え、ドリル穴は曲がるものとし高精度のドリル加工を望まないとする場合が多々あるのも事実ですし私も必要以外上記のような案内を設ける事はしていません。

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