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![]() ![]() ![]() ![]() 技術の森回答 21-3/3 Q (タップ折れがよくあります,対策は。) A その折れた状況ですが、切っている時ですか、抜いているとき?、また折れたタップはすぐ抜けましたか、ねじ山はダブっていませんか、下穴ドリルは切れているものを使用しましたか(出来たら加工条件も)、切粉詰まりはありませんか、タップ加工時に前加工で発生した切粉は排除(下穴の底等)されていますか?。 深穴リジットタップサイクルは以前も使われていたのでしょうか?。 タップ長さは標準でしょうか?。 質問ばかりで申し訳ありませんが、もしかしたら原因がわかるかも知れません。 A 詳しいご説明ありがとうございました。 ●ドリル ボール盤等で使われているドリルを使用していたようですが、何度か再研磨すると鈍ってきたり先端部のテーパが正テーパ(先端部が細くなる)になっていたりする場合があります。そのまま使用すると加工された穴はドリル外周部で穴内面がこすれたりして加工硬化が起こりやすくなり、穴内面が硬くなります。 ※超硬ドリルを使用すると加工された穴内面はHRC40前後になるようです。 M3等小径のタップたては切削トルクとタップ自体の破断トルクが接近していますので、出来るだけ加工硬化が起こり難いように新しいドリルまたコーティングされたものを使用した方がいいと思います、下穴径は現状で(M3でφ2.6等)でよいかと思います。出来たら強度のある溝長さの短いスタブドリルをお勧めします。加工条件は未コーティングφ2.6のスタブでしたらS2000F130.Qは0.5位でもよろいしかと思います。 ●タップサイクル 深穴サイクル(Z点に行くまで何度かR点に帰る固定サイクルですよね)は切粉を途中で切る目的で使用されていると思いますが、Qが1ミリでは必要以上にタップが出入りする事になり、タップ山部がワークと摺っている時間が長くなります。磨耗の原因にもなりますので、Qの値をもっと大きく(M3なら有効ねじの中間で一度だけ戻るようにする)した方がよろしいかと思います。 ●タップの首下長さ なるべく短くした方がねじりにも強くなるので折れにくくなります。 コーティングが宜しいかと思います。 ●切削液 水溶性を使用しているようですが、出来ましたら専用のタッピングスプレー又は油性がよろしいかと思います。 ※タップの完全ねじ山部の潤滑が向上すると思います。 コーティングされたタップでしたら、水溶性でも十分いけると思います。 切粉を排除しているとの事ですので、今回の破損原因(M3等の小径)はドリルでの加工硬化が予測されますが、M6もおれるとは考え難いです。 A 止まり穴のタップたてですが、ボール盤を使用する場合は、スパイラル形状のタップで一度に底まで切ったり、負荷が増えて止まる(クラッチが効いたり)場合は半分位入った所で逆転して切粉を切断して再度そのままねじを切ります。ハンドタップは溝形状(直線)の関係で何度も1/4位反転して切粉を切ります。 自動運転可能なMC(NC)では通常G84をつかい、一度で底まで加工するのが一般的だと思います。 深穴タップサイクル(リジットタップぺッキングサイクル)は特別な事が無い限り使われていないと思います。私もこのような固定サイクルがあることは知ったとき空運転で試したのですが、必要とする場面が無く、実際の加工にはまだ一度も使った事がありません。 >工具はOSGのHS-LT-SFTを使いました(スパイラルタップです)。 >サイズはM3(有効深さ8)、M4(10)、M5(12)、M6(12)全て止り穴です。 この有効ネジの長さですが、径に対して23倍弱ですね。これでしたら深穴用スパイラルタップを使用すれば通常のG84で大丈夫だと思います(M3がちょっと心配ですが・・・)。 >タップサイクルなんですが、高速深穴サイクル(G73的)と深穴サイクル(G83的)ではどちらが良いとかあるんでしょうか? 特別に深い止まりネジの場合に使用すれば効果あるかと思いますが、狭い溝に切粉がたまるG73的ではなく、外まで出すように(G83的)dの値を大きくした方がいいと思います。 そうすれば適度な深さで切粉を外へ持ち出す事が出来ますので切粉が詰まる事は減少すると思います。またQの値ですが、先にのべたように(ボール盤の話)切粉が詰まる等でクラッチが効いたりする(一瞬負荷が増える)場合があるだけですから細切れとせずに、切粉が起因とする過負荷を予防する事を目的として直径の1.5倍位入った時点で一度抜くようにすれば何度も出し入れせずにすむかと思います。 例(M3P0.5深さ8の場合) 注1.Z0がプレート上面 2.d(戻り量)は10ミリに設定(パラメータ番号は6221?) 3.下記のように出来るはずですが、実際にやった事が有りませんので確認して下さいね。 G84.2X・・・Y・・・Z-8.R6.Q10.S・・・F... とすれば切粉は完全に排出されます。切粉は回転の遠心力や切削液でで外へ出たときに飛ばすようにすればよいかと思います。 ps 長々と書きましたが、通常の固定サイクルはG84になりますので、一度やられてみてはいかがでしょうか。 参考URL=http://www.natuo.com/mcnohanasihuremu2nckodono4.htm
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