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技術の森回答
01-1/2
Q (アルミ鋳物の熱処理割れ対策)

 うちはアルミ砂鋳物のT6処理をしていますが、水槽の加熱装置(60度C)があるにも関わらず常温で焼き入れしています。常温で焼き入れを行うと、場合によっては焼割れを生じる場合があるとか、聞いた話で恐縮ですが、薄物は歪みを生じる場合があるそうです。
 ※以外にもあるかと思いますが。

ダイカスト鋳物(ADC)は経験がないため分かりませんが少なくてもうちで行っている砂鋳物(ケース類)について、X線・蛍光浸透探傷装置でそれなりに観察していますが、焼き入れ時に発生したと思われる焼割れ含む鋳物としての問題は発生していないようです。

ちなみにT6で重要なのは、溶体化処理炉から取り出して焼き入れ液に入れる迄の時間ということです。
 ※10秒以内が理想とか。

Q 切粉の治具への圧着対策
 表面処理ではありませんけど、こういう方法はどうでしようか?。切粉が圧着するのは、ワークと当てつけ面の間に切粉がある状態で締め付けるのが原因ですから、その前に切粉を逃がしてあげればいいんですよね。

 方法は、治具の当てつけ面に溝(凹)を作って上げて、その当てつけ面に製品をスライドさせながられ位置決めすれば、間に挟まっている切粉は凹の所へ逃げますので、圧着及び圧痕は付きにくくなると思います。
スライド出来ない場合、この手は使えませんけど工夫すればなんとかなるかも知れません。
PS この手法 アルミ材では経験がありませんけど、やってみる価値はあるかと思います。

Q (MCにおける自動芯出しの精度)
 1.熱変位によるテーブル反転時の誤差補正(0.005以内)
  2.Z方向(0.02以内)の熱変位の補正
  3.穴位置の測定等   に利用した事があります。

精度(被削材=FC・乾式・室温22度・)
※番号は上記に同じ
1.0.005以内を期待したのですが、AMCS以外(切粉等の粉塵?)の要因かと思われる原因で、使用前に比るとばらつきが大きくなったので自動
  計測・補正を止めて、環境等雰囲気を改善し、機械任せにした結果、期待値内で維持出来るようになりました。
2.問題無く期待値に入れる事が出来ます。
3.精度物の場合は参考程度にした方が宜しいかと思います。

繰り返し精度
ATC及びマガジンの形式にもよりますが、別のツールから落ちた切粉・切削液・油等のプローブ付着対策と被削材の測定面の面荒さ・清掃品質等で繰り返し精度は決まると思います。

Q (溶体化処理とはどういう処理ですか。)
 配合成分の固溶度以上温度に加熱して十分に固溶させたあと急冷させて過飽和の固溶状態を常温迄もちきたす操作を「溶体化処理」というようです。
 例えばアルミニウム(AC4B)の場合ですが、ある一定の温度(515度C前後)で一定時間保持(10時間前後)し、銅(配合元素の一つで24%入っています)の全部を完全にアルミニウム中に溶け込ませて固溶体化(原子が拡散移動する)させ、この状態から急冷(原子が移動する時間を与えない)して過飽和の状態を常温迄保つ処理事の事ですね。
※ 通常このあと続けて人工時効(焼き戻し)処理(160度C前後×7時間前後)します。

変態点のないアルミ等ではこのような熱処理を行って機械的性質の改善を行います。
実際T6(焼き入れ焼き戻し)やっていましたがかなり時間がかかるというのが実感です。

Q (治具取付の効率化)
 私もある程度の心だしを目標に横MC購入する時点でパレットに異径のノック穴を明けて貰っていましたが、あまり使えなかったというのが現状でした。
 その代わり定期的に使用するジグはパレットを二個別に購入して治具を取り付けっぱなしにします。それで使用時にパレット毎乗せ換えます。
こうする事によりジグの装着精度はパレットの本体装着精度と同じになります。

Q (リーマ加工後の穴精度が悪い。)
A 
リーマ加工後に広がっているようでしたら外側の肉厚(1.72ミリ)不足(強度不足)によるリーマの逃げ(曲がりとか倒れとか言いますけど)と思われます。
アンクランプの影響でしたらスプリングバックの影響かと思われます。   

対策としては
 リーマ加工後の広がりですが、こちらの対策は、まる5.996.00のボーリングを1本追加してリーマ代を極端に減らせば解決すると思います。

アンクランプの影響の場合は計測後そのままどの程度のクランプ力で素材が変形するのか試してみる事とFC(鋳物ですよね)ですとクランプ用の耳の付け根にヒビ等鋳造欠陥防止用にRが付いている筈ですのでそのRに押さえが乗っていないかご確認下さい。

もし乗っているようでしたら押さえをR部から離してテーブルと平行な面で押さえるように再度クランプして歪みが発生するかしないか確認してください。

手間暇かかりますが解決策の一つに入れて貰えれば幸いかと思います。


Q (室温がどの程度製品に影響しますか。)
 計算した訳じゃ有りませんが室温の変化が加工される製品にどのように影響与えているかの資料取りましたの参考程度にご利用下さい。
基準となるブロックゲージを通常(鋼)とアルミ(手作り)にした場合、製品の測定結果(穴)がどうなるかというようなものです。

下アドレスにあります。
https://natuo.com/sirilyousitu/2kakou/sirilyousitu2kakouhure-mu011.html
https://natuo.com/sirilyousitu/2kakou/sirilyousitu2kakouhure-mu021.html


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