タイトル | 交響曲第1番変イ長調 |
作曲家 | エドワード・エルガー |
演奏 | エイドリアン・ボールト指揮 |
ロンドンフィルハーモニー管弦楽団 | |
CD | EMI 0946 3 82151 2 7 |
EMIの”Britsh Composers”シリーズの一つ。2枚組みで交響曲第1番、交響曲第2番と序曲「南国にて」等を含む。
完成した2曲のエルガーの交響曲はどちらも同じくらい素晴らしいが、どうしても第1番の方を良く聴いてしまうのは冒頭から聞かれるいかにもイギリス的な堂々としたモットー主題の魅力である。終楽章で全奏で高らかに演奏されるところはとても感動的だ。
個人的にはエルガーには、時々センチメンタルというか感傷的な旋律がやや独りよがりに聞こえるようなところがある気がしている。この交響曲でも第1楽章の第一主題や緩徐楽章である第3楽章の一部にそう感じられるところがあり、エニグマ変奏曲等に比べると聴き慣れるまではクセを感じるかも分からない。それでも第3楽章は十分美しい。スケルツォ風の第2楽章も印象的であるし、なによりも終楽章がとても良く構築された充実した音楽である。同じイギリスの作曲家の交響曲でもややとっつきにくいボーン=ウィリアムスの交響曲とくらべても親しみやすく、何故もっとポピュラーにならないのか不思議に思っている。
この曲に関してはコリン・デービス指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団のものが世の評価が高いようだ。あれは私にはダメである。指揮者がいかにも作り上げてしまっており、音楽の純粋さが失われてしまっているというような違和感を感じてしまう。ボールトは曲の魅力を作為を感じさせずしかも上手に伝える人で、好きな指揮者の一人である。この演奏も文句無く素晴らしい。バルビローリ指揮フィルハーモニア管弦楽団のものも良いが、録音年の違いか(バルビローリ盤は1962年、これは1976年)、比較するとどうしても録音が聞き劣りする。バルビローリはハレ菅との1970年の録音もでたようだが、見逃してしまっているうちに現在廃盤、残念。
初稿 | 2013/2/7 |