タイトル | 交響曲第2番ト短調 |
作曲家 | ヴィルヘルム・ステンハンマル |
ネーメ・ヤルヴィ 指揮 | |
エーテボリ交響楽団 | |
CD | TOWER RECORDS PROA64/5 |
ステンハンマルは1927年に亡くなったスウェーデンの作曲家で、ちょうどアルヴェーンと同じ頃生れているが、90歳近くまで生きたアルヴェーンに対し56歳で亡くなっている。同時代の北欧にはシベリウス、ニールセンがいる。
実はこのCDを聴くまでは、ステンハンマルの名前さえ知らなかった。確か配送料無料になる額にするため安めで聴いたことが無い曲というひどい理由で買ったものである。
「ステンハンマル交響曲・管弦楽曲集」という2枚組のCDで、ステンハンマルが残した2曲の交響曲と代表的な管弦楽曲を含む。交響曲第一番も良い曲だがアルヴェーンの多くの交響曲同様(あくまでも私個人の嗜好に基づく感想)ながら聴きには良いけど、さあ聴きましょうと構えて聴くきにはあまりなれない耳障りの良い曲。
それに比べてこの第2番は立派で聴きごたえのある交響曲である。ドリア旋法による古風で力強いユニゾンの主題で始まる。一聴魅力を感じる人と拒否反応を起こす人とに別れるかもわからない。少し聞いているとこの素朴さは意図的なもので、その裏に手練れの作曲技術があることが分かる。このある意味禁欲的に計算された音楽が構築されていくが、その中におっもいっきりの抒情性が混ざってくる。両者が渾然としているのが独特の魅力だ。
特に終楽章が素晴らしく、まず2つの主題のフーガがあるが、それが複雑に絡みだし多彩な表情を見せ雄大な音楽を構成していくさまは興奮させられる。いままであるときは零れ落ち、ある時はにじみ出ていた叙情性が頂点に達する時その主題がフーガを構成していた主題のひとつであることに気が付いて驚く。一楽章冒頭で拒絶反応を起こした人は、いったん止めて4楽章を聴いてみると良いかも分からない。
あまり知られていない曲かもわからないが名曲である。
初稿 | 2015/5/24 |