Caprichos y escenas para guitarra

タイトルCaprichos y escenas para guitarra
演奏ナルシソ・イエペス(ギター)
アタウルフォ・アルヘンタ指揮
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮
スペイン国立管弦楽団
CDSONY Music 88697904502

「ギターのための奇想曲と情景」とでも訳すのだろうか。意味不明なので、原題通りにしておいた。ナルシソ・イエペスのギター曲集。最近手に入れたものだが多くの録音は昔から親しんでいるものだ。正体が分かりにくいCDなので情報提供の意味も含めて紹介する。3枚組で、1枚目、2枚目が独奏曲集。3枚目が「アランフェス協奏曲」と「ある貴紳のための幻想曲」。アランフェスはアルヘンタとの有名な1958年録音。貴紳の方はフリューベック・デ・ブルゴス指揮。Sony Music Entertainment Españaの発売である。

ケースがDVDサイズで収納を考えると迷惑である。録音データどころか、イエペスの名前以外は曲目しか記載が無いのに仰天したが、よく見るとCDを外した裏側、スーパージュエルボックス仕様の透明プラスチックを通して"曲目(作曲者)"の形でかろうじて作曲者名の記載がある。ただし見にくい。協奏曲の方は同じところに指揮者とオケが書いてある。その代り作曲者ロドリーゴの名前は無い。

どのような素性の録音なのか途方に暮れてしまうが、タワーレコードやHMVのホームページでは1958年から60年にかけてスペイン・コロンビアにセッション録音されたものとなっている。

1970年くらいに買った2枚のイエペスのLPがある。一枚は「デラックス版!禁じられた遊び」(ロンドンレコードSLA(J)1004、来日記念盤となっている)、もう一枚は「ナルシソ・イエペス・ギター・アンコール アランブラ宮殿の思い出」(ロンドンレコードSLC1597)で、共に全曲楽譜付(!!)の豪華盤である。前者の方はそのままCD化されている(KING RECORD KICC3523)。LPにもCDにも録音データが無いのだが、CDの帯(背というべきか)の紙に”1960年イエペスの初来日時に録音された”となっている。タワーレコードのホームページでは1960年11月録音と紹介されている。このLPあるいはCDと掲題のCDでは、ヴィラ=ロボスの「前奏曲第1番」とアルベニス「入り江のざわめき」が曲目としては重なるが別録音である。

LP「アランブラ宮殿の思い出」にも録音データが一切ないが、どうもこちらが、掲題CDと同一の録音源から選曲されているようだ。一方、掲題CDに無くてLPの方にあるのはヴィラ=ロボス「ショーロス第1番」「前奏曲第3番」、タレガ「前奏曲第3番ト長調」の3曲。従って掲題CDもこの機会の全録音ではないと想像される。

アランフェスはいろんなところで語りつくされている演奏なので、独奏曲についてのみ簡単に書く。イエペスらしい堅い音、几帳面なリズム(というか”拍”)による演奏なのだが、それでもスペイン色が濃厚なのはなぜだろうかといつも思ってしまう。前出の2つのLPからアルベニスの4曲「入り江のざわめき」「アストゥーリアス」「グラナダ」「朱色の塔」の4曲を抜き出してカセットに入れて愛聴していた。スペイン情緒が満喫できるのである。きっと天のイエペスが聞いたらスペイン情緒を目的に演奏したのではないと怒るだろうが、そうなのだから仕方が無い。アルベニスの編曲物はジュリアン・ブリームもジョン・ウィリアムスもまとまったLPを出している。ずっと色気のある演奏なのだが、聴いたときの感銘はイエペスの一見四角四面の演奏に遠く及ばない。

初稿2014/2/22