NVIDIAがIntelに50億ドル出資 ― 政治も絡む半導体の再編劇?
2025年9月、NVIDIAはIntelの普通株を1株あたり23.28ドルで取得し、総額約50億ドル(約8,000億円)の出資を発表しました。 データセンター用CPUやPC向けSoCの共同開発を進めるというものです。 (NVIDIA公式)
Intelは近年、業績悪化が続いており、2024年には190億ドル規模の損失を計上。ファウンドリ事業も立ち上がりが遅れ、ライバルのTSMCに大きく差をつけられています。 今回のNVIDIAからの出資は、資金面と技術的な「救済」の意味合いが強いとも見られます。 (AP News)
株式市場の反応は即座に現れ、Intel株は23%急騰、NVIDIA株も3〜4%上昇しました。 (Reuters)
では、NVIDIAにどんな得があるのか? GPUとCPUの融合は技術的に自然な流れ?ですが、それだけで50億ドルを投じるのは説明がつきにくい。背景には、米国政府の「国内半導体産業の強化」という政策的圧力があるのでは、ともささやかれています。 AIブームをNVIDIAが独占するのではなく、Intelを巻き込み「米国発の二大勢力」を維持することが戦略の狙いかもしれません。
今後は、Intelの製造キャパシティが本当にAI時代に対応できるのか、規制当局がどう判断するのかが焦点となりそうです。 NVIDIAにとってはリスクもある一手ですが、もし成功すれば半導体業界の勢力図を塗り替える「歴史的提携」になるでしょう。