骨折について
骨折の症状

一般的な骨折の症状に限局性圧痛というものがあります。限局性圧痛とは、指で痛めた箇所を押すと骨折部位に限局して圧迫痛を触知するもので、例えば転んで手を突いた後に手首のあたりが痛くなったら手首の骨を押してみてください。その時に骨の上だけ強い痛みを感じたら骨折または不全骨折(ひび)の可能性が高いといえます。

また、骨折により明らかに骨が曲がり強い腫脹(はれ)が起こったとき、その骨折部位を押すと「ぎしぎし」または「ぼきぼき」といった音を触知します。この音は軋轢音(あつれきおん)といって、骨折して割れた骨どうしがこすれて起こるもので、骨折特有の症状でもあります。


骨折の修復

骨折を起こすとその骨折面より出血が起こり、また同時に骨芽細胞という細胞が出現します。この骨芽細胞は後に骨を構築する骨細胞の基になりますが骨折周囲に出血した血液は徐々に固まり繊維化していきます。この繊維化している部分に骨芽細胞が定着し仮骨(かこつ)を形成していきます。仮骨とは骨折部を正常な骨で再生するまでの仮補修みたいなものです。

この仮骨は、骨折部の表層より形成し、徐々に骨の中心部へ到達していきます。この仮骨の形成が完成するまでは非常に脆い状態なので副木(ふくぼく、そえぎ)や副子(ふくし)といった支えをあて包帯固定もしくはギプス固定を施行しなければなりません。

仮骨形成が完成すると骨折部分に骨のこぶができたようにふくらんでいます。このこぶ状の仮骨は数ヶ月(年齢や部位により数年)かけて吸収されながら本来の骨に置換(ちかん:置き換えられていく)していき正常な骨に戻ります。

正常な骨に戻るまでの間は、骨本来の耐久力が無いため再骨折しやすいので、運動や体力を要する仕事に復帰する場合は、サポーターなどで保護しながらトレーニングをすることが望ましいのです。


骨折の応急処置

骨折を起こしたまたは起こした疑いのある場合は、患部を布やひも、三角巾、タオル、包帯などで固定をしてください。
また、あしや背骨、頭などの場合は、できるだけ患部を動かさないようにして搬送する方法を選択してください。そして速やかに専門の医療機関で治療を受けてください。


当院の骨折の治療

画像観察で骨折線が確認された場合、応急処置後提携しています病院へX線撮影をしてもらいます。
その後転位(骨のずれ)のある骨折では、整復操作により転位を除去し、固定します。また、転位の無い骨折では、そのまま固定します。

固定期間は、骨折部位や骨折の程度などにより変わりますが、平均して4週から6週、骨折部位によって10週ほど施行しますが、その期間にアキュスコープ・レーザー等を施術し、早期の治癒を促進させます。

固定期間が経過し、仮骨形成がほぼ完成されたら固定を除去し、低周波や温熱療法、PNF、マッサージなどを併用しながら、リハビリを行います。