チーム・バチスタの栄光/海堂尊 2006年 評価:3
桜宮市の大学付属病院は、フロリダから心臓外科の権威、桐生恭一を招聘し、心臓移植の代替医療であるバチスタ手術を専門に行うチーム、『チーム・バチスタ』を結成。チーム・バチスタは成功率100%だったが、3例立て続けに謎の術中死に遭遇する。疑念を解明するため、病院長は神経内科学教室の万年講師田口に内部調査を命じたが、調査が難航した時、外部からの調査者、厚生労働省の役人「ロジカルモンスター」白鳥がやってくる。
「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。映画化もされ、近年流行の小説といえよう。筆者は医師でもあるので、医学的な部分の記述は正確だし、臨場感あふれるが、ミステリーとしてはなんとなく薄っぺらな感じがする。中心人物数名の描写は丁寧だが、それ以外の人の掘り込みが浅いのが原因か。展開は速いし、ミステリーとしては面白いのは確かで、そういうのが昨今の小説の流行なのかもしれないが、私にとってはいまいちかな。