虹いくたび/川端康成 1951年 評価:3 水原という50絡みの建築家の3人の娘はそれぞれ別の母を持つ。長女と三女は別々の妾の子、次女のみ結婚した妻の子。長女の母は自殺、次女の母も亡くなっている。そんな複雑な三姉妹の関係性を、長女の百子を語り部として中心に置いて描いた作品 奇抜な設定の中、いつもながら女の情念を静的に抉っている作品だが、どうも設定に踊らされている感じがして、いつものような抒情性はやや感じられない。