ブルボンの封印/藤本ひとみ 1992年 評価:1


 17世紀半ばのフランス。国王の血筋を引くと思われる美少年、謎の血筋を持っているはずの美少女を中心に、彼らを取り巻く当時の人々も合わせた成長物語を、その正体について様々な推測や創作をされてきた鉄仮面伝説を組み入れて描き出している、らしい。

 約120ページ、全体の1/7程度を読んで、読み進める必要はないと放棄。400年前のフランスを舞台としているものの、登場人物や行動が全くの現代人でしかなく、要は時代背景のみを借用した、美男美女のお涙頂戴的ドロドロロマンスにしかならないことが、約100ページ程度で予測できてしまう。舞台で映えるような登場人物、展開で構成されており、時代に合った登場人物像の深掘りなどはなく、文学ではなく、一般受けするような脚本のような感じ。その予想通り本作はすぐに宝塚で舞台化されている。