さようなら コロンバス/フィリップ・ロス 1958年 評価:4
ユダヤ系アメリカ人2世の、変哲もない図書館勤務のニールと名門ラドクリフ大学の女子学生でユダヤ系のブレンダのプールサイドでの出会いから数か月後の別れまでを描いた現代アメリカ文学を代表する小説家フィリップ・ロスの処女作。
正直、ストーリー的には何の変哲もない、若者の出会いから別れまでを描いた小説で、別れまでの道程も若気の至りというか、男の身勝手が過ぎるだけでバカバカしくもあるのだが、若い時の恋愛なんてそんなもの。ただ、ストーリーはともかく、筆致は簡潔でエピソードの積み上げが多いながらも若者の心情を的確に描いていて、ノスタルジーさえ感じさせて好きな部類なので、少しこの作家の作品を読んでみようと思う。