花のワルツ/川端康成 1951年 評価:4


 1930年代後半から1940年代初頭の、20ページ程度の短編3篇と約100ページの中編「花のワルツ」の計4篇からなる短編集。

 私はあまり短編集は好まないのだが、川端康成作品だけは別。もともとストーリーの起承転結にはあまり拘らず、その場面場面の斬新な切り取りからの表現や、生き生きとして且つ生臭い心情描写の独特な繊細さが川端作品の最大の魅力と個人的に感じるからそうなのだと思う。

 本短編集も、どの作品でも川端節が炸裂で、魅力を堪能しながら感慨深く読み込める。